医療裁判傍聴記

傍聴した観想など

救急病院が診療報酬不正疑い保険医療機関指定取消決定 野田

2024-09-30 19:52:32 | 医療界

千葉県野田市にある救急病院が、勤務する看護師の人数を水増しするなどして診療報酬5億円あまりを不正に受け取っていたとして、関東信越厚生局は、保険医療機関としての指定を来年4月付けで取り消す処分を決めました。
病院側は別の医療法人に事業を譲渡する予定だとしています。

保険医療機関としての指定が取り消されるのは、医療法人「圭春会」が運営する千葉県野田市の「小張総合病院」です。
厚生労働省関東信越厚生局によりますと、この病院は、2014年から2019年にかけて、入院病棟に勤務する看護師の人数を実際より多く届け出るなどして、あわせて少なくとも5億7000万円あまりの診療報酬を不正に受け取っていたということです。
このため厚生局は30日、保険医療機関としての指定を来年4月1日付けで取り消す処分を決めるとともに、不正に受け取った診療報酬を返還するよう求めています。
県によりますと「小張総合病院」には消化器内科や小児科など28の診療科と、350の病床があり、2次救急の指定医療機関になっています。
病院側は、「皆様方に多大なご心配をおかけしますことを深くおわび申し上げます」としたうえで、ほかの医療法人に事業を譲渡する予定で、今後も、診療は続けるとしたコメントを発表しました。

2024年9月30日 NHK


「袴田事件」再審で袴田さんに無罪判決 捜査機関による証拠の捏造を認定 静岡地裁

2024-09-28 18:59:20 | 法曹界

事件から58年。袴田巖さん、やり直しの裁判で無罪判決です。

午後2時から始まった袴田事件の再審判決公判は、まだ続いていますが、静岡地裁前では無罪の判決の一報が届いた瞬間、大きな歓声が沸きました。

記者

「無罪です、無罪判決が下されました。袴田巖さんに無罪判決が言い渡されました」

死刑判決から44年、いわゆる「袴田事件」はついに逆転無罪という展開を迎えました。

支援者

「もう率直にうれしいだけです」

袴田事件は1966年、静岡市清水区で、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして、袴田巖さんの死刑が確定したものです。

袴田さんは判決確定後も無実を訴え続け、去年3月、東京高裁が再審を認めました。

きょう午後2時から始まった再審の判決公判で静岡地裁は袴田さんに「無罪」判決を言い渡しました。

今回の判決で驚かされたのが捜査機関による証拠の捏造を認定した点です。

再審で最大の争点となっていたのが、事件から1年2か月後、現場近くのみそタンクから見つかった「5点の衣類」です。着衣についていた「赤い血痕」について、▼検察側はみそ漬けされても血痕の赤みが残る可能性はあるとして死刑を求刑した一方、▼弁護側は「捜査機関によってねつ造されたものだ」と無罪を主張していました。

きょうの判決では1年以上、みそ漬けにされた場合は血痕に赤みが残るとは認められないと指摘、捜査機関によって血痕をつけるなどの加工がされたとまで言及しました。

また、捜査機関による取り調べについても捏造であると認定しました。

警察の連日にわたる長時間の取り調べで、袴田さんは犯行を自白していました。

この取り調べについて、きょうの判決では袴田さんに精神的苦痛を与え、供述を強制する非人道的なもので実質的な捏造だとしています。

「巖さん、いいことがあったって今、連絡が来ました。いいことがあったそうですよ」

「さあて」

判決が出た直後、袴田さんは日課の散歩に出かけました。

袴田さんは長年にわたり拘置されたことで、精神的に不安定な状況が続いていて、きょうの詳しい判決内容は、現在、出廷している姉のひで子さんが直接、伝える予定です。

死刑事件の再審で無罪判決が言い渡された事件は今回で5件目になります。

今後、注目されるのが検察が控訴するかどうかです。

今回の判決では、争点に挙げられていた、いわゆる5点の衣類に加え、供述調書までも捜査機関による捏造と認定されました。

検察も警察もいわばメンツをつぶされた形となっていて、これまでの死刑事件の再審で控訴されたケースはありませんが、果たして今回、検察がどんな判断をするのか読めない展開です。

2024年9月27日 TBSテレビ


Tp歯科 船橋市

2024-09-20 20:25:28 | 傍聴記

午後1時から、原告さんの本人訴訟で歯科医院に対する裁判がありました。

被告医院にてキレイライン矯正(マウスピースによる前部の軽度の部分矯正)で歯の捻じれ、段差の治療を半年程度されていたようです。
その後、小歯の審美の治療を依頼したところラミネートべニア(薄い板を貼り付け)での治療を希望していたところクラウン(被せ歯)で治療をされてしまい紛争になっているようです。

医師尋問が主尋問30分反対尋問30分
医師としては、最初からクラウンでやるつもりでジルコニア1本4万4000円程度の説明をしていた。自分は9割ぐらいクラウンでやっています。
カルテに歯ぎしりと書いてあったので向いていないと思ったのです。補綴方法の注文がありませんでした。
ラミネートべニアは口臭の原因や段差が出来るので舌触りが悪くなります。
小歯治療でクラウンのために歯を削る量は通常より少ないのでリスクは少ないです。


反対尋問
カルテは情報開示で取り寄せましたが、半年ほど待たされました。
カルテにはラミネートべニアの値段4万4000円を説明したと書いてあります。
リスクの説明がカルテに書いてありません。
クラウンの仮歯が脱離して強い痛みを訴えて来院した時に、沁みる状態が続けば神経を抜く事もあると説明をされましたが、医師の説明においては術前に行われるべきだと思いました。

本人尋問 陳述書を基に裁判官が質問をしました
歯を削らなくてよいラミネートべニアで治療したいことは伝えていました。
矯正中にもラミネートべニア治療のスペースメイキングをしていると聞かされていました。
健康な歯は削りたくないのでクラウンはしたくないと伝えていました。
施術後10日ぐらいクラウンの処置が施されている事が分からなかったのですが家で仮歯が外れて凄く沁みるようになりました。おかしいと思いカルテ開示をお願いしました。
マウスピースを外すときに仮歯が外れて怖くなってマウスピースを付けるのが怖くなり歯の捻転が戻ってしまいました。

判決が12月に言い渡されるようです。

被告側代理人 福田一博弁護士(小西貞行法律事務所)土方祐介弁護士(清澄通り法律事務所)


弁護士ら3人逮捕 投資名目で22億円だまし取った疑い 名古屋地検

2024-09-20 20:02:33 | 法曹界

 架空の投資話で現金を詐取したとして、名古屋地検は19日、東京弁護士会所属の弁護士、斉藤宏和容疑者=愛知県清須市=ら3人を詐欺容疑で逮捕した。他に逮捕したのは、ともに無職の鬼塚敏輝(76)=東京都目黒区=と清水忠正(54)=同葛飾区=両容疑者。地検はいずれの認否も明らかにしていない。

 逮捕容疑は2023年12月~24年5月、架空の投資案件で、担保金を拠出すれば半年後に多額の運用益などが得られるなどと持ちかけ、当時63~79歳の3人から計22億円をだまし取ったとしている。

 斉藤容疑者について同弁護士会は23年12月、受任事件の依頼者とほとんど面談せず、業務を事務職員らに任せたなどとして懲戒手続きを始めたと発表していた。【道下寛子】

2024年9月19日 毎日新聞


警察の情報収集は「違法」 名古屋高裁判決、弁護団「全国初」と評価

2024-09-15 19:06:12 | 法曹界

 中部電力の子会社「シーテック」(名古屋市)が岐阜県大垣市などで計画した風力発電事業を巡り、県警大垣署が同社に個人情報を提供したことでプライバシーを侵害されたなどとして、住民4人が国・県に損害賠償と個人情報の抹消を求めた訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁は13日、1審・岐阜地裁判決を変更し、情報収集に違法性があったとして県に1審から倍額の計440万円の支払いと、保有情報の一部抹消を命じた。長谷川恭弘裁判長は「市民活動を際限なく危険視し、情報収集、監視を続けることは憲法に反する」などと違憲性も指摘した。

 原告弁護団は「警察による特定個人の情報収集を違法と認めたのは全国初」と評価した。

 判決などによると、大垣署は風力発電施設に反対していた住民4人の個人情報を収集し、2013~14年にシーテック社との情報交換の場で、住民の氏名や学歴、病歴、市民活動歴などの情報を伝えた。

 県側は秩序維持などのために情報収集が必要だと主張したが、長谷川裁判長は「(原告らに)秩序に悪影響を及ぼす恐れがあったと認められない」とした上で、警察法2条2項が定める「不偏不党、公平中正」に反すると指摘した。

 警察の情報収集活動については「一切許されないとまでいうことはできない」としつつも、明確に規定した法律上の根拠がないことに加え、「警察庁や国家公安委員会による監督なども期待できず、警察組織内部での自浄作用は全く機能していない」と断じた。

 原告側は幅広く「一切の個人情報」の抹消を求めていたが、高裁は情報交換会の議事録に残された一部の情報の抹消のみ認めた。

 22年2月の1審判決は、情報提供は違法として県に計220万円の賠償を命じた。一方、情報収集は「必要性は否定できない」として違法性を否定。情報の抹消は対象情報が特定されていないとして却下した。

 岐阜県警監察課は「判決内容を検討した上で、今後の対応を決める」とコメントを発表した。

 NPO法人・情報公開クリアリングハウス(東京)の三木由希子理事長は「警察が平和的な市民活動の個人情報を収集、保有することは、正当な警察活動の範囲外と認定しており、非常にまっとうな判決。裁判長の怒りを感じる」と指摘。情報の保有は県警本部も関与しているとした点を「末端だけに責任を押しつけず、組織ぐるみの活動だったと認めた」と評価した。【道下寛子、田中理知、竹田直人】

♢判決骨子

・岐阜県は原告4人に計440万円を支払え。県の控訴は棄却

・県警大垣署が4人の情報を収集、保有したことは警察法2条2項に反するほか、憲法21条が保障する集会・結社の自由や、憲法13条が保障するプライバシー権などを侵害。県が保有する一部の個人情報を抹消せよ

・捜査機関がプライバシー権などの制限を行うには、国民の権利を侵害してもやむを得ないといえるだけの目的及び必要性を捜査機関から個別的、具体的に明らかにされなければならない

2024年9月13日 毎日新聞