医療裁判傍聴記

傍聴した観想など

患者情報入りUSB紛失 千葉県精神科医療センター

2011-08-30 23:18:12 | 医療界
 千葉県精神科医療センター(千葉市美浜区)は29日、患者約850人分の個人情報が入ったUSBメモリーを、30代の男性医師が紛失したと発表した。現在のところ被害は確認されていないという。

 紛失したUSBメモリーには、患者の氏名と住所、診断名、生活歴などを記録。診断書などを作る際に必要な情報や作成書類を保存するために使用していた。作業は共用パソコンで行い、普段は鍵のかかる引き出しに保管していたという。

 男性医師は23日の勤務中、USBメモリーを付けたストラップを首から下げて移動。24日は休暇で、25日に使おうとした際に紛失に気付いた。「外に持ち出したことは過去1度もない」と話しており、センター内で無くしたとみられる。

 USBメモリーは同センターの貸与物で、パスワードでセキュリティーを掛けるよう指導していたが、守られていなかった。浅野誠センター長は「情報の取り扱いに特に慎重を期すべき医療機関として、誠に遺憾。申し訳ない」と述べた。患者への説明と謝罪を進めているという。

2011年8月30日 千葉日報

再び患者のつめはがした疑い、看護助手を逮捕 京都府警

2011-08-25 21:25:34 | 医療界
 入院中の80歳の女性患者のつめをはがしたとして、京都府警は25日、京都市中京区の毛利病院の看護助手佐藤あけみ容疑者(37)=同市西京区川島六ノ坪町=を傷害容疑で逮捕し、発表した。「仕事などでむしゃくしゃしてやった」と容疑を認めているという。

 五条署によると、佐藤容疑者は24日午前10時半ごろ、女性患者の左足の親指のつめを手ではがし、けがを負わせた疑いがある。午後に巡回した看護師が女性のけがに気づき、病院が担当の職員らから事情を聴いたところ、佐藤容疑者がつめをはがしたことを認めたため、病院が署に通報したという。

 佐藤容疑者は、ベッドのシーツや患者のおむつの交換など介護業務を担当。被害に遭った女性は、手首とひじの骨折で、6人用の病室に入っており、家族が署に語ったところでは、認知症が進んでいるという。同病院で別の患者数人のつめもはがされていたとの情報もあるといい、五条署が関連を調べている。

 佐藤容疑者は、市内の別の病院で、2004年9~10月に入院患者6人の手足のつめをはがしたとして傷害罪に問われ、06年1月に懲役3年8カ月の実刑判決を受けた。毛利病院では8月6日から常勤で働いていた。病院の担当者は04年の事件について「面接をした者がいないのでわからないが、把握していないと思う」と話した。

2011年8月25日12時23分 朝日新聞

こんな酷い虐待をする容疑者が医療に携わっているとは悲しいことだ。
患者の肉体、精神を傷めつけるのは絶対に止めるべきだ。

千葉地検事務官 電車内盗撮事件 公判及び結審

2011-08-25 21:24:59 | 傍聴記
714号法廷で16時20分から17時まで小笠原被告の盗撮事件を傍聴しました。
裁判が千葉日報に載ったためなのか、傍聴席は開廷時には満席になっていました。

証拠調べ手続きが途中だった為、開廷され、まず検察官からの被告人質問から始まりました。

検察官
あなた(被告人)は、盗撮していた画像は全部保存していた?
被告人
全部。しかし、ちゃんと映っていないものは削除していた。
検察官
保存できていたのは何割くらい?
被告人
1割くらいは消した。
検察官
押収されたSDカード8枚からは441枚の盗撮画像が検出されたので、それに1割を加えた盗撮画像があったというわけですね。
盗撮をした場所は?(検察官席の机上にある甲3号証の解析した画像を確認しながら)
被告人
おもに電車内だが、駅やデパートのエスカレーターを利用した際にも盗撮をした事があった。それから飲みに行った時に、居酒屋のトイレにカメラを置いてくる方法でも盗撮をした。
検察官
ファーストフード店内では?
被告人
ある。マクドナルでレジ注文を済ませカウンターで商品を待っている女性客をやはり後ろからスカート内を盗撮した。
検察官
本屋で盗撮をしたことはありますか?
被告人
あります。立ち読み客を狙った。
検察官
ゲームセンターは?
被告人
覚えていない。
検察官
電車以外で盗撮をしてばれるとは思わなかった?
被告人
ばれるとも思っていたが…
検察官
何で止めなかった?
被告人
そういうことに鈍麻して、ばれる事を考えなくなった。
検察官
盗撮を始めたのは?
被告人
平成22年5月からで約1年間盗撮をしていた。
検察官
鈍麻し始めたのは何時ごろ?
被告人
半年過ぎた頃。
検察官
鈍麻の気持ち感覚は?
被告人
悪い事は理屈では分かるが、犯罪をしている意識がなくなった。深く考えなくなった。
検察官
原因は?
被告人
回数を重ねたから、悪い事をしている感覚を失ってしまった。
検察官
あなたは現職の検察事務官でしたよね?
被告人
検察庁というよりは公務員になりたかった。扱う事件が刑事ばかりで…だんだんと気持ちが、法律をまもる立場なのに…。
検察官
検察庁に入庁して、事務官として犯罪の被害者を検事が対応しているのを見てきていながら、検察庁職員の立場で犯罪行為をしたことについての思いはどうなのですか?
被告人
やはり、そこまで考えていなかった。
検察官
最近、検察官が痴漢行為で捕まったり、去年は大阪地検特捜部の不祥事などの報道を耳にして、自分の行動を正すきっかけになると思うのだが?
被告人
犯罪を正すきっかけにならなかった。怖いなと思った感覚はあったが、深く受け止めていなかった。捕まったら検察の失墜になるとは思ったが、直接は結びつけて考えなかった。
検察官
検察で15年間、働いていた信念は?
被告人
(言葉に詰まり)検察事務官としての信念というものより、一般的な通常の業務という感覚で、事務官だから社会正義だと大上段には考えていなかった。
検察官
今回のような犯罪を防止するために、あなたの考えを、もう一度説明してください。
被告人
現在は仕事をしていないから外に出る機会が少なく女性との接触はない。しかし、過度に若い女性を避けたり目を背けるようなことはストレスや性欲が溜まりよくないので、一般的に許される女性を見てキレイと思うぐらいは良いと考える。しかし、今回のような過度の性欲を抑えられないような状態になりそうになったら専門家の力をかりてみたい。
検察官
(不満そうな感じで)今回の犯行は、あなた自身の異常な性欲の現れだと思っていないのですか?
被告人
異常な性欲だと思っているがカウンセリングは受けていない。一応、インターネット等を見て探している。
検察官
カウンセリングに行くことを強要していないが、今回の犯行は一般人がするものではない常習的で根深い一過的な犯行ではない。
被告人
その通り。
検察官
また同じような事件にならないように性欲の対策が必要であり、また、今回と同じような状態になったらどのような対処をするつもりなのか?
被告人
これから街に出る機会があり危ないと思ったらカウンセリングを受けるつもり、今、カウンセリングを受けた方がよいが、よく知らないのと金銭的な事もある。
検察官
保釈されて、なぜしなかったのか?
被告人
特にない。
認識が甘いのではないか?
うーん。


裁判官から質問
裁判官
あなたは、15年2カ月働き刑事裁判や被告人質問にも携わってきたが、今日は、あなた自身が証言台に立たされていることを、どのように思っていますか?
被告人
たいへんに恥ずかしい。今後、きちんと向き合うことが必要。
裁判官
実際に、刑事裁判の性犯罪に携わる機会もありましたよね?その中で、被害者の方と付き合う事も多々あり、その被害を受けた事による苦痛や羞恥心を分かっていた筈ですよね。
それにも拘らず、今回あなたが自ら犯行をしたと云うことは、それほどまでに、あなたの性欲が強かったという事?
被告人
そのとおり。
裁判官
長年の盗撮による潜在的な盗撮の被害者には、どう思っている?
被告人
大変、申し訳ないと思っている。
裁判官
あなたは志を抱いて公務員試験に合格して検察庁に配属され検察庁職員として使命感を持って検察庁の職務をしてきた訳ですよね。そして、今回の犯行の結果、事件が大々的に報道されてしまいましたが、特に捕まるまでは、社会的影響の大きさというものを殆ど考えなかった?
被告人
考えなくはなかったが、実際は殆どなかった。
裁判官
検察庁で一緒に働いてきた方々には、どういう気持ちですか?
被告人
申し訳ない。
裁判官
あとは、不利益を被った被害者の方ですかね、今回示談に応じてくれたようですが心の傷は、お金を貰っても回復することは出来ない、その意味では取り返しがつかない、その事については忘れないでください。あなたは反省の弁を述べています、もう二度と犯罪をしないでください、約束できますか?
被告人
したいです。
裁判官
それでは終わります。席に戻ってください。

裁判官
証拠調べは、これで終了します。ご意見を伺いたいと思います。
それでは、まず検察官、論告を。
検察官
本件について検察官の意見を申し上げます、事実関係ですが、本件公訴事実は当法廷の手続き及び各関係証拠により十分と考えます。
つづいて、被告の情状関係について意見を述べます。
被告は、千葉地方検察事務官であったこと、常習的にビデオカメラを使って女性のスカート内を盗撮していたことは情状酌量の余地は微塵もありません。
本件は、常習性が顕著で悪質で被害者の処罰感情は強いです、被害者は検察官調書において本事件が起きた時には何が起きたか分かりませんでしたが、自分が盗撮されたことは悔しくて涙が止まらない、被告人を絶対に許しません。と述べており15才の少女が受けた心の傷は大きいです。被害者の実父も被害者が15才という事もあり処罰感情が強く、厳重な処罰を望んでいる。
慰謝料を支払い依願退職をしているが、検察事務官ということで社会的影響も大きく犯行の常習性もあり二度と過ちを犯さないため厳重な刑が望ましい、以上をもって 求刑 被告人を懲役10月(?)に処するのが相当と考えます。

弁護人の意見
被告人に有利な意見として、犯行は用意周到であるが、盗撮用のカメラは今では誰でも買えるものである。
盗撮画像は下着の写真程度であって、反社会性は限定的である。
被告人は、身柄を拘束され釈放された後、被害者に謝罪をし示談金を25万円支払っている。
現行犯逮捕され、25日間に渡って拘束されたうえに、犯行を大きく報道され退職もし厳しい社会的制裁も受けている。

裁判所の審理が終了するにあたって、被告人が証言台の前に進み出て、被告人の最終弁論が行われました。
被告人
今回の被害者の方には、心より申し訳なく思っています。どのようにもお詫びしようがない。もう二度と同じ過ちは犯しません。

結審、判決は9月7日に言い渡されるようです。


元地検事務官起訴内容認める 電車内盗撮公判

2011-08-24 21:54:28 | 傍聴記
 電車内で女子高生のスカート内を盗撮したとして千葉地検の検察事務官が逮捕された事件で、県迷惑防止条例違反の罪に問われた富里市十倉、元地検総務部の検察事務官、小笠原勉被告(35)の初公判が23日、千葉地裁(蔵本匡成裁判官)であり、小笠原被告は起訴内容を認めた。

 冒頭陳述によると、小笠原被告は、常習的な犯行の一環として、6月10日午前7時35分ごろ、手提げバッグのポケットに隠したキーリモコン型ビデオカメラで山武市に住む県立高校1年の女子生徒のスカート内を盗撮したとされる。 小笠原被告は最初に買った腕時計型小型カメラから2度、カメラを買い替えて犯行に及んでいた。

2011年8月24日 千葉日報

千葉地検事務官 電車内盗撮事件 初公判

2011-08-23 22:44:17 | 傍聴記
本日は、午前10時から714号法廷において、藏本匡成(くらもと まさしげ)裁判官による元千葉地方検察事務官小笠原勉被告に対する公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反(盗撮)の公判が開かれましたので傍聴しました。
法廷に9時50分ぐらいに入室すると前の事件が審議中で、傍聴していると、しばらくして、後方の弁護側の右扉から高齢の弁護士(ヤメ検か?)に連れられスーツ姿の小笠原被告らしき人物が入室してきました。 どうやら現在の小笠原被告は保釈されており身なりも悪くなく他の被告人などと比べると比較的、落ちつている様子に見えました。

前の事件の後に、続けて小笠原被告に対する公判が開かれ小笠原被告は、藏本裁判官に促され証言台の前に立ちました。
(冒頭手続き)
人定質問
(裁判官)名前は何と言いますか?
小笠原勉です。
(裁判官)生年月日はいつですか?
昭和51年1月16日です。
(裁判官)本籍は?
千葉県佐倉市上志津
(裁判官)住所は?
富里市十倉
(裁判官)職業は何ですか?
現在は無職です。
(裁判官)それでは公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反について裁判所は審理をします。

被害者から被害者特定事項の秘匿の申し出がされており、被告側の弁護士が申し出を認めた為、検察官は特定事項を秘匿した起訴状の朗読を始めました。

起訴状要旨
公訴事実、被告人は常習として平成23年6月10日の午前7時32分から35分の間、JR八街駅から榎戸駅までの車両内の乗客の被害者15歳に対し手提げバックに隠した軽量カメラを同人の後方からそのスカート内に差し入れて、その内部を撮影し、もって公衆の場において著しく羞恥させ女子に不安をおぼえさせるような卑猥な言動をした。
罪名および罰条 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反 以上につき審理をおねがいします。
と一息に検察官が勢いよく朗読をしました。

小笠原被告は、証言台の前に立ち、裁判官から権利告知をされた後、罪状認否を尋ねられると「間違いありません」とはっきりと容疑を認めました。

(証拠調べ)
検察官の冒頭陳述
身上経歴 
被告は専門学校在学中に国家公務員試験3種に合格し卒業後、平成8年4月1日、千葉検察庁検察事務官として採用された。婚姻歴はなく現在は両親と同居している。
犯行に至る経緯
被告人は中学、高校の頃より女性の履いているパンティーに強い性的関心を有していたところ、インターネットで腕時計型のカメラを発見し、平成22年5月に購入し、自己の性的欲求を充たす為に毎日のように千葉地検に向かう通勤車両内で盗撮をし、家に帰ってからパソコンで盗撮画像を見て自慰行為をしていた。
しかし腕時計型の盗撮カメラは使い勝手がわるいので、同年9月頃キーリモコン型の別のカメラを購入して手提げバックに入れ、手提げバックを女性のスカートに入れる方法で盗撮をしていたものである。
その後、サラリーマン風の男が盗撮をしているのを目撃したとの情報が寄せられ警察官が内偵していたところ、被告を現行犯逮捕した。
書証である被害者の検察官調書には「恥ずかしいのと悔しい」、被害者の父親は「慰謝料を貰っても被告に対する処罰感情は絶対に許せません」と訴えている。

その後、被告弁護人が陳述して、盗撮画像の解析したものがはっきりしないとの主張と被害者に謝罪文を出した事と被告の父の証人申請し検察官が同意したので証拠決定となりました。

被告人の父親

弁護人から本事件について質問され、息子の盗撮での逮捕、勾留、起訴については全くの寝耳に水であってこんな事になるとは思っていなかった、事件の原因については思い当たらない。
被害者に対する謝罪については、弁護士に頼み検察官から被害者の電話番号を聞いて弁護士に被害者の父と折衝をしてもらい、弁護士、被告の両親の3人と八街駅の近くの飲食店で被害者と被害者の父親と会い示談の申し入れをした。
(最終的には、被害者側に誠意は伝わらなかったようである。)
被告人の近況を尋ねられると、「今は家の手伝いをしていて、やったことは取り返しがつかないが、普通の社会人として暮らしていってほしい。」等、法廷で被告の犯行に対する謝罪および弁解に努めました。

オサカベ検察官(男性)の反対尋問
このような犯罪をしないようにするにはどうするのか?
被告人の父
話し合いで断ち切って欲しい。一か月も家にいるので事件については、もう10回くらいは話をしている。
社会的制裁を受けているので、一人でどこかに行かせるのは可哀そうで、出掛ける時には付き添っている。

被告人質問
まず被告弁護人からの質問
どれくらい検察庁には勤めましたか?
被告人
15年と3カ月です。
弁護人
懲戒処分をうけましたね
被告人
6月30日に停職3カ月を受け、発令の前日に辞職届を出しました。
弁護士
盗撮対象の女の子を決めた目安は?
被告人
私の方に背を向け短いスカートを履いていて盗撮しやすいと考えたからです。
弁護人
捕まった時は?
被告人
佐倉駅で捕まった時はパニックで何も考えられなかった。まずいと思った。
公判請求は当然だと考えている、許されるとは思っていない。
弁護人
これからは?
被告人
アルバイトを探しているが見つからない、勉強をして介護の道を考えている。

ここで裁判官から、本日は被告人に対する検察側からの反対尋問と裁判所からの補充質問をする時間がない為に今日が結審の予定だったが期日を延期し8月25日に公判の続行することを告げられて閉廷しました。


傍聴した元千葉地検事務官の被告に対する印象はやはり良くない、被告は東洋的な目の細い強面(こわもて)で、反省しているようではあるが、どこか態度に投げやりのところが見え、今まで刑事裁判で傍聴してきた他の被告人などと比較すると神妙な態度というよりは、やはり国民を見下ろしてきた検察事務官といった印象が強く、未成年者に許せざるべき犯罪をした被告を簡単に許すことはできないと思いました。