群馬大学病院の手術死問題で、病院側が組織としての過失責任を認める意向を一部の遺族に伝えていることがわかった。
病院は責任を認めた上で必要な補償を行う方針だ。
遺族側の弁護団によると、医療事故を巡り、病院側が、医師が行った医療行為の適否だけでなく、組織自体の過失責任を認めるのは異例という。
群馬大病院は今年7月に調査報告書が完成したのを受け、死亡した50人の遺族に調査結果を個別に説明しており、近く終了する。
弁護団によると、代理人を務める7遺族への個別説明に際し、「執刀医らの医療行為、診療科長(教授)の監督行為、病院の構造・組織の不備」をいずれも問題として病院組織の責任を認めるか尋ねた。これに対し田村遵一病院長らは「指摘の通り。病院の管理体制が悪かった」などと組織の責任を認め、補償する考えを伝えた。執刀医や教授の今後の対応にかかわらず、病院としては補償を行う方針。
2004年に発覚した東京医大の心臓手術死問題など、病院が問題を認めた過去の事例では、医師の医療行為を不適切として補償するのが一般的で、組織の過失責任を認めた例は極めて珍しいという。
弁護団の梶浦明裕事務局長は「組織の問題が被害を生み出したという実態と、再発防止を望む遺族の気持ちに即した解決につながる第一歩」と話し、今後は、「執刀医や教授が真実を語るかどうかで、行政処分の要望や刑事告訴などの対応を検討する」としている。
2016年9月21日 読売新聞
病院は責任を認めた上で必要な補償を行う方針だ。
遺族側の弁護団によると、医療事故を巡り、病院側が、医師が行った医療行為の適否だけでなく、組織自体の過失責任を認めるのは異例という。
群馬大病院は今年7月に調査報告書が完成したのを受け、死亡した50人の遺族に調査結果を個別に説明しており、近く終了する。
弁護団によると、代理人を務める7遺族への個別説明に際し、「執刀医らの医療行為、診療科長(教授)の監督行為、病院の構造・組織の不備」をいずれも問題として病院組織の責任を認めるか尋ねた。これに対し田村遵一病院長らは「指摘の通り。病院の管理体制が悪かった」などと組織の責任を認め、補償する考えを伝えた。執刀医や教授の今後の対応にかかわらず、病院としては補償を行う方針。
2004年に発覚した東京医大の心臓手術死問題など、病院が問題を認めた過去の事例では、医師の医療行為を不適切として補償するのが一般的で、組織の過失責任を認めた例は極めて珍しいという。
弁護団の梶浦明裕事務局長は「組織の問題が被害を生み出したという実態と、再発防止を望む遺族の気持ちに即した解決につながる第一歩」と話し、今後は、「執刀医や教授が真実を語るかどうかで、行政処分の要望や刑事告訴などの対応を検討する」としている。
2016年9月21日 読売新聞