医療裁判傍聴記

傍聴した観想など

グーグル検索で歯科医師逮捕歴の削除認めず 東京高裁

2018-01-27 21:10:31 | その他
 横浜市で診療所を開設している歯科医師の男性が、自分の名前をインターネットで検索すると過去に逮捕された事実が表示されるとして、検索サイト「グーグル」を運営する米国の法人に、検索結果の削除を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は請求を棄却した1審横浜地裁判決を支持し、男性の控訴を棄却した。

 男性は訴訟で、逮捕からは既に10年以上が経過していると主張したが、阿部潤裁判長は「今なお歯科医師としての資質に関わる事実として、公共の利害に関するものだ」と指摘した。

 判決によると、男性は歯科医の資格を持たない者に診察をさせたとして歯科医師法違反の疑いで逮捕され、罰金50万円の略式命令を受けた。

 逮捕の事実が新聞で報じられ、インターネットを通じて拡散。患者が減ったり、求人に応募がなかったりする被害が生じた、として提訴した。昨年9月の1審判決は「被害の程度は重くない」などとして認めなかった。

2018.1.27 13:03更新 産経ニュース

厚労省 資格不正取得 元精神保健指定医ら28人処分

2018-01-26 20:21:58 | 医療界
医業停止や戒告

 精神障害者を強制的に入院させるかどうか判断する精神保健指定医の資格の不正取得に関わったとして、厚生労働省は25日、元指定医ら28人を医業停止や戒告の行政処分にしたと発表した。発効は2月8日。  

 処分を受けたのは、資格申請の際、他の医師が診察した患者のリポートを使い回したり、その指導に当たったりした元指定医。厚労省の全国調査で不正が発覚し、2016年10月、89人が指定医の資格を取り消された。また10人が処分前に指定医を辞退したり、申請を却下されたりした。

 厚労省は今回、このうち28人について医道審議会に諮って、診療行為ができなくなる医業停止などの処分を決めた。処分の重さはそれぞれの悪質性に基づいて判断した。処分の内訳は▽医業停止2カ月2人▽同1カ月11人▽戒告15人。

 残る元指定医も今後、医業停止などの処分を検討する。【熊谷豪】

処分者は次の通り。
(当時の所属医療機関の所在地、医療機関名、氏名、年齢。敬称・呼称略)

 <医業停止2カ月>群馬県伊勢崎市、原会原病院、滝沢美穂子(41)▽川崎市宮前区、聖マリアンナ医科大病院、御園生篤志(48)

 <医業停止1カ月>群馬県伊勢崎市、原会原病院、原淳子(58)▽東京都世田谷区、都立松沢病院、浅野未苗(42)▽同、同、野中俊宏(52)▽東京都府中市、都立多摩総合医療センター、石井民子(62)▽同、同、西村隆夫(68)▽川崎市宮前区、聖マリアンナ医科大病院、橋本知明(40)▽同、同、本間絢子(40)▽横浜市鶴見区、横浜市東部病院、有井浩一(38)▽同、同、吉村善孝(54)▽相模原市南区、北里大東病院、大林拓樹(35)▽同、同、大石智(42)  

 <戒告>群馬県伊勢崎市、県立精神医療センター、清野うらら(39)▽同、同、鈴木雄介(37)▽同、同、大舘太郎(41)▽同、同、佐久間泰(33)▽同、同、須藤友博(46)▽千葉市中央区、千葉大医学部付属病院、田所重紀(42)▽同、同、佐々木剛(39)▽同、同、白石哲也(46)▽東京都府中市、都立多摩総合医療センター、金田渉(37)▽川崎市宮前区、聖マリアンナ医科大病院、鈴木慈(34)▽同、同、二宮友梨子(33)▽同、同、南麻依(34)▽相模原市南区、北里大東病院、田沼龍太郎(36)▽同、同、龍田彩(44)▽同、同、高橋恵(54)

2018年1月25日 23時40分(最終更新 1月25日 23時40分) 毎日新聞

米体操連盟の元医師に最高175年の禁錮刑 治療かたり女性選手ら150人以上を性的暴行 裁判長「二度と刑務所を出る資格なし」

2018-01-25 21:05:04 | 医療界
【ニューヨーク=上塚真由】米ミシガン州の裁判所は24日、治療と称して女性選手らに性的暴行を繰り返してきたとして、米国体操連盟の元医師、ラリー・ナサール被告(54)に対し、40年から175年の禁錮刑を言い渡した。

 裁判官は、量刑言い渡しで「死の宣告に署名した」と言明。「あなたは、二度と刑務所の外を出る資格はない」と述べた。ナサール被告は、すでに児童ポルノ所持の罪で禁錮60年を言い渡されている。

 ナサール被告はミシガン州立大に勤務し、米体操連盟にも整骨医として所属。米メディアによると、裁判では、被害を受けた156人が証言。家族などを含めると、証言した人は169人に上った。10代のときに性的暴行を受けた人が大半で、被害者には五輪メダリストも多数含まれている。

 ナサール被告は量刑言い渡しの前に、「私がこれまで起こしたことに対し、どれだけ深く謝罪の意を表したら良いのか、言葉が見つからない」と述べた。

2018.1.25 09:17更新 産経ニュース

群大手術死…「患者説明」録音を開始、学長は遺族に直接謝罪

2018-01-23 20:11:03 | 医療界
 群馬大学病院の手術死問題で、同病院は22日、前橋市内で記者会見を開き、遺族を対象に同日まで2日間にわたり行った説明会で、院内の改革状況を報告したと発表した。遺族が要望してきたインフォームド・コンセント(IC=説明と同意)の録音について、今月から一部で開始したほか、医療安全の「メモリアルデー」を設ける方針を明らかにした。

 同病院によると、21、22日の説明会には、遺族21組31人が参加。説明会では、平塚浩士学長が「苦痛を与えたことを心よりおわび申し上げる。診療体制や医療事故への対応に不備があったことでご迷惑をおかけした」と遺族に直接謝罪した後、田村 遵一(じゅんいち) 病院長らが再発防止に向けた改革状況を報告した。

 会見した田村病院長によると、遺族会が昨年11月に文書で申し入れた要望のうち、ICの録音は今月19日から試験的に導入しており、今後、希望者には全例で行うという。手術の録画も、段階的に拡大していくとした。遺族が参加するメモリアルデーについては、6月頃に定める方向で検討する。

 説明会で遺族からは「なぜ問題が発覚するまで適切な対応ができなかったのか」との指摘を受けたという。田村病院長は「改革をきっちり進めてほしいという要望をいただき、我々としても必ずこれを実践したい」と決意を述べた。

 説明会の後、遺族会と弁護団も記者会見を開き、目標が確実に実行されるか見守る重要性を指摘。代表の木村豊さん(49)は「改革が打ち上げ花火でなく、継続していくようにしてもらいたい」と話した。

 同病院の手術を巡っては、2014年11月、肝臓の 腹腔鏡(ふくくうきょう) 手術を受けた患者が相次ぎ死亡していたことが発覚。その後、肝臓や 膵臓(すいぞう) の開腹手術でも患者の死亡続発がわかり、第三者による調査が行われた。


遺族、インフォームド・コンセントの取り組み評価…医師の多忙解消なお課題
 群馬大学病院の手術死問題で、21、22の両日、遺族を対象に開かれた説明会。同大が報告した改革の取り組みについて、遺族側は一定の評価をした。ただ、人員不足の状態が続き医師らが多忙な現状は相変わらずで、遺族は「今回の問題の根源だと思っており、意識がまだ欠けている」と懸念を示した。(前橋支局 蛭川裕太、岩下亮)

 22日の説明会後、9組の遺族からなる遺族会は、弁護団とともに同病院で記者会見した。同病院で行われているインフォームド・コンセント(IC=説明と同意)の取り組みのうち、医師の説明後、同席した看護師がチェックシートをもとに医師や自分自身の対応について評価していることに対し、「画期的で、他に類を見ない取り組み」(弁護団の梶浦明裕事務局長)と高く評価した。

 説明会では、一連の事故を受け、群馬大に新たに設けられた医療の質・安全学講座の小松康宏教授から、民間企業が2017年3月に全国133病院を対象に行った「医療における安全文化に関する調査」の結果に基づく同病院への評価も示された。それによると、「上司の医療安全に対する態度や行動」「部署内でのチームワーク」がいずれも1位、「インシデント(ヒヤリハット)の報告される頻度」2位、「医療安全に対する総合的理解」3位など重要な項目で上位となっており、「安全文化」に改善がみられた。しかし、一連の死亡事故の背景として執刀医の多忙さが指摘されながら、「人員配置(業務が忙しい)」の項目では86位にとどまり、人員不足が解消されていない現状もうかがえる結果となった。

 このことについて、遺族会代表の30歳代の男性は「負担が医療現場にかかっている。群馬大学だけでは解決できない問題なので、行政にも対策を練ってもらいたい」と指摘した。同じく代表の木村豊さん(49)も「今回の医療事故の原因に関わる部分だと思う。多忙や人手不足については、過剰にならないよう改善をお願いしたい」と話した。

 その後、開かれた病院側の記者会見で、田村遵一・病院長は、多忙な現場の状況が改善されていないとの指摘について、「群馬大学病院は、病院の規模のわりに外来患者が多く、医師や看護師の負担になっている。それは県内のほかの医療機関との連携がなっていないためでもあり、反省している。開業医の先生らとも連携して外来の混雑を改善し、職員の負担を減らしていきたい」と話し、改善を進めていく方針を示した。

2018年1月23日 読売新聞

飲酒運転で事務官停職 罪認め依願退職 千葉地検 次席検事「誠に遺憾」

2018-01-20 20:42:01 | 法曹界
 千葉地検は19日、先月31日に飲酒運転し物損事故を起こした20代の男性事務官が、道交法違反(酒気帯び運転)の罪で罰金50万円の略式命令を受けたと明らかにし、停職1カ月の懲戒処分を行った。男性事務官は今月19日付で依願退職。地検の互敦史次席検事は「誠に遺憾」と述べた。

 地検は「本人特定につながる」として、氏名や所属部署を明らかにしていない。罰金50万円の略式命令を受けた男性事務官は、即日納付した。

 地検によると、男性事務官は先月30日夜に飲酒。翌日未明の帰宅途中、市原市内の市道で、酒気帯び状態で乗用車を運転し、ガードレールのポールに衝突する物損事故を起こした。

 事故現場の車の中で眠り込んでいたところ、近隣住民が見つけて警察に通報。駆け付けた警察官が飲酒検知を行い、酒気帯び運転が発覚した。

 市原署が在宅で捜査を進め、今月19日に道交法違反容疑で書類送検した。同日、千葉区検が同罪で略式起訴し、千葉簡裁が罰金50万円の略式命令を出した。男性事務官は即日納付した。

 男性事務官は「個人的な用事で生ビールを飲んだ」と飲酒運転を認めており、同日付で依願退職した。

 互次席検事は「所属検察事務官が酒気帯び運転したことは誠に遺憾。今後同様の事案が発生しないよう改めて職員への指導を徹底し、綱紀保持と再発防止に努める」と述べた。

2018年1月20日 05:00 千葉日報