今日が一番素敵

丁寧な暮らしを心がけながら、日々、折々のの心模様を素直に語ります。
今が一番素敵との思いを込めて。

恐ろしい天災地変

2016-05-09 06:52:33 | 備え

冬が去り、春たけなわの季節を迎えた頃。

日本中の多くの人たちが、気持ちを浮き立たせ、暮らしに弾みをつけたいと思ったその時に・・・・・・。

その心を裏切るかのように、熊本と大分で、天災地変がまた起きました。

せめても、寒さ厳しい冬の季節でなくて良かった、と言えるかもしれないけれど、虚しい慰めの言葉でしかありません。

 

それにしても、相変わらず受難続きのわが国。

熊本城の無残な姿を見て、しばし呆然となった私です。

学生時代、修学旅行で訪れたときの感動が忘れられず、その後、「大好きなお城」と言って私は憚りませんでした。

十数年前、初孫のR君、夫と三人で、四泊五日の九州旅行に出かけたときに再訪を果たし、感慨に浸ったものです。

 

熊本城のみならず、倒壊した家は数知れず・・・・・・。

命を落とした方々の無念さ、被災した方々の悲しみや不安を思うと、慰めの言葉も見つかりません。

 

遅れ馳せながら、心よりお見舞いとお悔やみを申し上げます。

 

いつもは穏やかで美しい自然ですのに・・・・・・。

宿泊したホテルより見た、郷里の瀬戸内の風景

 

それにしても、TV画面に映る被災者の皆様の落ち着いた冷静な態度には、東日本大震災の時と同様に、私は感銘を受けています。

被害を受けられた方々のショック、恐怖、悲嘆は想像を絶するものでしたでしょうに。

私には、同様の態度で臨む自信など全くなくて。

恐らく腰が抜けて、一歩も動けなくなってしまうのではないでしょうか。

夫がいなくなった今、一人ぼっちの恐怖は、相当なものかもしれません。

 

東日本大震災の時は、我が家も激しい揺れに見舞われました。

けれど、被害を受けるほどではなく、私は二階に駆け上がる心の余裕がまだありました。

夫の書斎へと一目散。

そこには、いつもとさして変わらない表情の旦那さまの姿がありました。

その平静な夫の様子を見て、どんなに私の気持ちは落ち着いた事でしょう。

今また、このような地震が起きても、私が救いを求めたくなるような場所は、この家にはもうありません。

 

 

我が事はさておき、このたびの地震で驚いたのは強い余震の多さ。

本震と思っていたマグニチュード7の地震が、そうではなく、その翌々日に襲った地震が本震であったこと。

その地震が、広域にさらに広がり始めたこと。

かってこのような事があったでしょうか。

 

大地震が来ても、それが収まると、私たちは、ひとまず安堵し心を落ち着かせることができましたね。

もっと大きな地震がわが身を襲うなんて、考えないことでしょう。

 

ところがこのたびの地震で、その思考は、今後通用しないことが分りました。

「再度、大きな地震に見舞われるかもしれない」という恐怖を、抱き続けて暮らさなくてはならないなんて。

心の疲弊は、限りないものになってしまいそうです。

 

 

天災地変が襲うたびに、私は思い、慄然となります。

自然の猛威の前では、人が営々として築き上げた文明も、尊い人命すらも、いかにもろいものであるか、と。

 

私が住む地域も、娘たちが幼い頃から、大地震の予兆があると、一番言われ続けてきたところです。

ですから、このたびの天災も、とても他人事とは思えません。

 

熊本地震が起きる数日前にあった友人とのお食事会の席で、私は地震について触れたばかりでした。

「大地震に遭う前に死んでしまいたいわ。

私は地震で命を落としても、さほどの無念さをもう感じないかもしれないけれど・・・・・・。

万一の事があって、若夫婦家族の不幸を見るのは堪えられないから」と。

 

わが家からほど近い所に住む次女のMちゃんとは、東日本大震災後、その対策を、いろいろ話し合ったことがあります。

交通インフラが遮断され、共働きの夫婦が我が子の許にすぐ帰れなかった時の事です。

私が、小学校と保育園で待機している孫たちを迎えに行き、娘のマンションを避難場所として、そこで若夫婦の帰宅を待つ、というものでした。

マンションの庭の隅に、備蓄倉庫まで用意してあるようです。

 

 

その話を聞いたころは、まだ夫の体調はさほど悪くありませんでした。

けれどその後、病がますます重くなり、夫のマンションへの移動は困難に。

そのため、どうしたらよいものかと、わたしは途方に暮れているところがありました。

 

けれど、今は夫がいません。

如何に臆病な私でも、「火事場の馬鹿力」に似たエネルギーを発揮して、余震が続く不安な状況でも、きっと孫を迎えに必死で学校や保育園に向かうことでしょう。

そしてマンションで、娘夫婦の帰宅を待つことになるのかもしれませんけれど。

 

その後、待てど暮らせど若夫婦が戻ってこない。

音信も不通・・・・・・

そんなことを想像するだけで、気持ちが滅入ってしまいそうです。

 

受難続きのわが国を見ていると、もうあまり長生きはしたくないなあ~

早く旦那さまのところに行きたいなあ~

そんな気持ちになることも、時にはあるけれど・・・・・・。

孫たちを守るために、この老体でも役立つときが来るのかもしれません。

そう思って、もう少し頑張りましょう。

 

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