昨日の続編です。
二階の寝室に戻った私は、我が身に起きたいつもより怖かった狭心症の話を、夫にするつもりでした。
その話を簡単にし終わったところ、旦那さまが口にしたことは、全くそれとは関係ない事だったのです。
それを聞き、私のストレスはマックス状態に。
その時、即座に抱いた、複雑な思いがありました。
夫の症状はひとまず落ち着いていたようですから、
「私の事を案ずる一言ぐらい、まずあってもいいのではないかしら?」と。
なんだか悲しくなりましたが、このような態度はいつもの事。
慣れっこのはずなのに、自分の体を心配する余り、夫の無関心さがとてもつらく思えた一瞬でした。
心配しても照れ性なので、表に出せないだけ、と思うことにします。
ムクゲ
夫が私に告げたこととは・・・・・・。
腸の穿孔に通しているドレーンの挿入口から、またかなりの出血があった、というもの。
慌てて、トイレを覗きました。
私は仰天!
至る所に血痕がありました。
昨年末の、まるで刑事事件の現場のような凄さではありませんでしたが、かなりのもの。
私はとっさに救急車が頭をよぎりました。
その時点で、自分の身に朝起きた心配事は、どこかに吹っ飛んで消えてしまった私。
旦那さまが言うには、もう出血が止まっているから大丈夫、とのことでしたが。
「そんなに暢気に構えていることではないわよ。病院に行きましょう」
と、私が言うと、
「病院に行く必要などない」
と答えるだけ。
私は、その返事は無視して、受付が始まる頃、病院に電話をかけました。
先生の返事は、診察を受けるようにとの事。
病人が、ベッドを離れるのが億劫な気持ち、出かけたくない心持ち、私には分かりすぎるくらい、よく理解できます。
私も体調が悪い時、家族に勧められても、近所のクリニックでさえ行くのは、とても嫌になりますもの。
しかし、私は夫の病で、過去に猛省をした苦い経験があります。
一昨年の事。
直腸がんの放射線治療を終え、退院後、初めての外来診察を受けました。
その時は、採血結果もすこぶる良くて、経過は大変良好。
夫の栄養状態を先生からお褒め頂き、私はルンルン気分だったのです。
ところが、その後次第に夫の体調が下り坂となり、熱の上げ下げが日々続くようになりました。
私は心配で、夫に病院に行くことを何度も勧めましたが、「予約日に行けが良い」の一点張り。
夫に内緒で、病院に電話をかけ、先生にご相談しようかと幾度も思いましたが・・・・・・。
その頃は、お仕事の邪魔をするようで、気が引けてできないでいました。
ヒメシャラの小輪の白花
ところがある日、旦那さまの方から言い出しました。
「病院に行った方がいいかもしれない」と。
しかし、その日は、私の美容院の予約日だったのです。
そのために一日だけ延ばしてもらうことにしました。
外見は、いつもと変わりない様子でしたから。
でもそれは、私の勝手な思い込み。
体の内のただ事でない変化を、夫は感じていたのでしょう。
寡黙な人ですから、多くを語らないゆえ、私はそこまで見通すことができなかったのです。
そしてその翌日外来診察を受けたところ、容態はかなり悪化していたらしくて、即入院となりました。
主治医が、「よくここまで我慢したな~」の言葉が私の心にぐさりと突き刺さりました。
それまでの経過を振り返り、夫が嫌がっても、強引に連れ出して早く病院に行くべきであった、と猛省しきりだったのです。
美容院に行きたいがために、1日延ばしたことも。
放射線治療後の対応をもっと賢く振舞っていたなら、腸に穿孔ができるといった最悪の結果は回避できたかもしれない、と悔やまれて仕ありません。
ですから、その後は、心配なことがあれば、遠慮はしないで、すぐ病院に電話。
先生に相談するようになりました。
不安な事態に見舞われても、旦那さまはその後も、相変わらず「病院に行く必要はない」の返事しか返ってきません。
しかし、私は病院に必ず電話をかけます。
医師の指示次第では、無理やりにでも病院に夫を連れていくようにしています。
たとえイライラしようとも、見て見ぬふりをして、毅然とした態度を私は崩しません。
最近は、夫の体の衰弱が以前より進んで、電車ですと一時間かかる病院の往復も、タクシー利用が止むを得ない状況になってきました。
(今は、多少元気を取り戻し、散歩もできるようになり、私は、とても喜んでいます。またいつか、このことについては述べさせていただきますね。)
前の記事で述べたドレーンの挿入口からの出血の際は、行きはタクシーでしたが、帰りは妹が家まで送ってくれました。
最近は、長女が頻繁に病院の送迎で協力してくれています。
病状に異変があり心配な場合は、我慢はしない。
すぐ医師に相談し、指示があれば診察を受け、何らかの処置をして頂く。
これが回復の早道との思いを、過去の苦い経験から、今は強く心に抱いている私です。
ご覧下さいまして有難うございました。
ブログランキングに参加しています。
足跡変わりに、バナーにポチッ!を頂けると励みになり嬉しいです
花のように泉のように