今日が一番素敵

丁寧な暮らしを心がけながら、日々、折々のの心模様を素直に語ります。
今が一番素敵との思いを込めて。

二つの不運な出来事

2016-11-28 07:05:43 | 家族

秋も深まり11月も下旬。

いよいよ、師走が近づいてきました。

夫の命日も、もうすぐです。

 

今年の一年間は、私にとり、去年同様、忘れられない年になることでしょう。

前半は、まだ悲しみから立ち直れなくて、涙を拭ってばかり。

闘病生活で苦しみ抜いていた夫に、妻としてもっともっと遣れることがあったのではないか。

十分とは言えなかった自分の介護と看護の至らなさを思い、夫への申し訳なさで一杯の心情になることもしばしばでした。

そのような反省をするとき、一番涙が溢れました。

 

けれど、人にはそれぞれの体力の限界点がありますよね。

それを見極めて行動しないと、共倒れの悲劇が襲いかねませんから。

体力がない私は、その点には注意を払わざるをえませんでした。

自分なりに精一杯やったと思って、自らをを慰めるしかなかった私です。

ご主人様が医師の友が、

「病人の介護や看護に満足なんてありえないわよ。誰だって後悔するものよ」

と言って慰めてくれました。

 

 

夫が亡くなる前の数か月、私はほとんど連日、遠方の病院には通い詰めでしたが、それでも、私の携帯は昼夜を問わず鳴り続けたものです。

真夜中、明け方も、しょっちゅうのことでした。

「君の声が聞きたかっただけだ」と、Yさんは言いました。

 

その前までは、用事以外、私に電話を掛けてくるような人では全くなかったのです。

自立自尊の性格で、いかなる状況でも、家族や他人に頼ることがない、とても冷静な強い心の持ち主でした。

夫の変わりように驚きましたが、それほど辛かったのでしょう。

 

前の白い携帯は、店員さんに言われるままに、処分をお願いしてしまった私です。
夫が年末に亡くなるなんて、その時、私はまったく想像だにしていませんでしたから。
遺品として、取っておくべきでした。かえすがえす残念です。

 

不運なことに、その簡易携帯が亡くなる少し前に、故障してしまいました。

眼の悪い夫でも操作が簡単、ワンタッチ形式の慣れ親しんだものだったのです。

すぐ修理に出せばよかったのですが・・・・・。

数日でも、私と話せなくなる事が、夫にとってどんなにつらい事か、十分に察しがついた私です。

余りに慌ててしまいました。

すぐに同機種の新型の簡易携帯を買い求めてしまったのです。

ところが、それは別物で、操作方法も全く違っていました。

すっかり弱り、意識ももうろうとしていた夫には、操作不能な携帯だったのです。

 

私の携帯

木製のお人形は、夫がヨーロッパに出張の際のお土産です。
娘達が幼稚園児の頃、テレビ番組のカルピス劇場「アルプスの少女ハイジ」を家族で夢中になって観ていました。
そのころの幸せがいっぱい詰まった、この置物は。
私の宝物

 

それ以来、私の携帯は鳴らなくなりました。

そして、それを契機に、夫の体の衰弱が一気に進んだように思います。

私が昼夜を問わず、ずっと声をかけてあげられていたなら、と思うと、今でも辛くなりますが・・・・・・。

運命のいたずらとしか言いようがない、この不運な事故を、今さら悔やんでも仕方がない事ですね。

 

もう一つ、とてもとても残念に思えたことは、カープのリーグ優勝です。

このカープファンにとっては夢のような慶事が、もう一年早く訪れてほしかった。

夫も私も郷里は同じ広島。

私は子供の頃、家族と時々広島市民球場に出かけ、カープを応援したものでしたが。

夫のカープに寄せる思いは、私よりはるかに強く、カープが勝つと、顔の表情が緩み、そのあと、御機嫌麗しくなるほどの人でした。

 

 

私はテレビをほとんど観ませんが、夫の病状が重くなってからは、スカパーに加入し、カープの試合中継はすべて観られるようにしました。

入院中もラジオを手放さず、電波の悪い病室で、雑音の入る野球中継の放送に、一生懸命耳を傾け応援していた夫です。

もう一年生き長らえることができたなら、カープの活躍が、病床暮らしの夫の慰めと励みにどんなになったことでしょう。

リーグ優勝のお土産をもって、冥土の旅に立たせてあげたかった。

その残念さは、言葉では言い尽くせないほど大きなものがあります。

 

 

けれど、次女はその日、子供を連れて、球場でその優勝を見届けるといった幸運に恵まれました。

或る方から、そのチケットを頂いたのです。

もちろん、パパの遺影を胸に、観戦したMちゃん。

元気だったとしても、夫は、このようなチャンスを掴むことはおそらくできなかったでしょうから。

きっと、Yさんは、大満足だったに違いありません。

その週末、次女宅ではお赤飯を炊き、私も一緒にお祝いをしました。

この時の画像を是非載せたかったのですが、残念ながら、カメラを忘れてしまった私です。

 

 

日本シリーズでカープが二度の満塁ホームランを被弾された時、次女家の子供たちは当分泣き止まなかったとの事。

カープファンの子供たちには、少々残酷なシーンだったかもしれませんね。

夫にとっても、三つ目の不運な出来事ということにしましょう。

 

 

けれど、最近も催された優勝パレードとマツダ球場における祝賀会を観る限り、その後腐れは何もないようでしたね。

良かった!

今更ではありますが 、夫に代わって、心から「優勝おめでとう!」と、私は改めて言いたい気持ちで一杯です。

 

黒田選手、ありがとう!

そして誰よりも、あなた、本当に有難う。

カープ優勝して良かったですね♪

 


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