《河童》の旅メモ

富雄川流域探索

旧街道4・竹ノ内街道「極道者の改心」

2015年07月20日 | Weblog

「さかい神南辺(かんなべ)大道心」とある。竹ノ内峠は明治15~18(1885)年に改修され、その開鑿記念碑と府県境碑が大正9年に建つ。大阪側の十一面観音と役行者の石龕(せきがん)には長谷寺までの里程が刻まれている。造立者は大和・生駒郡神南村出身と言われ、後に堺で名の知れた鋳物職人だったが、素行が乱暴で酒とけんかが好き。彼の子供は早くから仏門に入っており、父の素行に見かねて父を諌めた。彼は発心して蟻のように蓄えた財物を困窮者のために投じるとともに、自ら汗を流し理解者と共に橋を掛けたり、地蔵や道標を建てた。京都三室山八十八ヶ所の標石を再建し天皇より杯と「神南辺大道心」と言う号を賜った。