《河童》の旅メモ

富雄川流域探索

宇治田原探索「禅定寺と鶴の古柿」

2012年07月25日 | Weblog
本堂、客殿の屋根は茅葺でめづらしい。この寺にまつわるお話。「鶴の子」と呼ばれる柿がある。実は小さくとにかく渋い渋柿のことである。年末になると決まって美しい娘が白い干し柿を売りに現れるようになった。「どうしたらこんなに甘くておいしいものができるのか」と村人が尋ねると、娘は丁寧に製法を教えてくれた。村人は驚くとともに、娘がどこから来ているのかと、娘のあとをつける。娘は禅定寺の奥の谷で姿を消した。その後、娘は二度と村に現れなかった。村人は「娘は禅定寺の観音様だった」と考え、干し柿は、孤独そうな娘だったことにちなみ「孤娘(ころ)柿」と名づけたという。「孤娘」が「古老」になった理由も、「古老が作り方を伝えてきたから」「長寿を象徴する鶴の名が付いた柿だから」等など。