月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

キャンプの話 ~越前三国休暇村オートキャンプ場

2018-04-08 | キャンプ
日本海をバックに満開の桜。


昨年4月に行った越前三国のキャンプ場で見たこの景色が忘れられなくて、今年も同じ時期、同じ場所へと向かった。
今年はどこも1週間開花が早かったが、例に漏れずこちらもすでに散りかけていた。その上、雨に強風。

小雨の中、苦労しながらテントを設営し、早めに炭をおこして夕食スタート。
途中で黒龍酒造へ立ち寄り、お酒を3本購入していたので、まずはホタルイカと鰤のお造りと一緒に。


お酒は左から、黒龍純吟、九頭龍純米、黒龍垂れ口。
純吟はすっきりきれいで上品。垂れ口はそこにフレッシュ感や酸味が加わる。
そして、九頭龍は燗酒推奨のシリーズなので、お湯を沸かして燗をつけた。4合瓶で1100円程度のお手頃価格にも関わらず、クオリティの高さに驚いた。
もともと雑味のないきれいなお酒なのだが、それがよりまろやかに膨らむのだ。
至福の時とはこのことか。
底冷えする野外では、この穏やかで優しい燗酒が喉を通るたび、胃の中にぽっとひだまりができるように体中が温まった。

実はここは昨年9月に取材した蔵。
もともと美味しいのだが、1口飲むたびに「もっと美味しい酒を追求する」と杜氏さんが話されていたことを思い出していた。
やはり黒龍はいつ飲んでも「品格」のようなものを感じる。
こういういいお酒に出会えた日は、それだけで幸せな気持ちになれる。

また、それを地元の新鮮なホタルイカと一緒に味わう幸せといったら・・・。
基本は生で酢味噌をつけて。時々炭で軽く炙ってやると、外はやや歯ごたえが出るのだが、中がとろっとして甘味がぐっと増す。
そのギャップを楽しみつつ、お酒をぐいっとやれば、勝手に顔がほころんでくるのだ。
美味しいものを食べながらケンカするのは無理だな、きっと。

このキャンプ場の良いところは、休暇村なので普通の宿泊施設も敷地内にあって、そこの温泉に入れること。
また桜の時期は露天風呂からライトアップされた桜を見ることができる。
世の中、そうそう夜桜を眺めながら露天風呂に入れるところ(それも500円で!)なんてない。
人も少ないうえ、宿泊者は6時~8時が夕食タイムなので、その間に入るとほぼ貸し切り状態。
(広いキャンプ場だが、テントを張っていたのは、うちともう1組だけだったので)

今回も一人で露天風呂に浸かりながら、思う存分夜桜を楽しんだ。
どうしてライトアップされた桜というのは、こんなにも怪しい美しさなのだろうかと思う。
夜の帳に映る桜は、怪しく煌めいて見えた。根元に死体が埋まっていてもおかしくないのは、やはり桜だけだ。
そんなことを考えながら、ゆったりお湯の中で足を伸ばす贅沢。疲れも一気に吹き飛んだ。

テントに戻ると夫はまだ温泉を楽しんでいるようだったので、先に焚き火を始めた。
私はすっかり焚き火マスターで、ほんの少しの火種から大きな薪をあっという間に燃やすことができる。
今回は炭の燃え残りがあったこともあるが、夫が戻るまでに大きな焚き火を作っていた。
そこからまた宴会。第二部のはじまりはじまり・・・。


夜中はものすごい強風で、テントが激しく揺らされたが、倒壊することはなかった。
(昨年は安いテントだったので、このキャンプ場で同じく強風にやられて潰れた)

朝は少し青空も出ていたので、また炭をおこしてピザを焼いて食べた。
新しく買ったピザ釜があるのだが、これで焼くと市販のピザがびっくりするほど美味しくなる。
下はカリッとクリスピーに、上はもちっと、チーズはとろとろ。

撤収中にまた雨が降りだして大変だったが、すべて車に積み込む頃にはまた青空が見えていた。


キャンプ場を後にして車で走っていると、途中でいい場所があったので車を停めてしばし海を眺めた。


きっとここは夏に来ても素敵だろう。波の白さがまぶしかった。


帰りに丸岡城へ寄ると、ちょうど桜まつりが開催されていたが、ここも残念ながら桜はもう散りかけ。
ここは現存する最古の天守閣がある城だ。
私は城が好きなので、全国の有名な城はほとんどまわった。
天守閣から外を眺めて、夫と「あっちの山から兵が押し寄せてもすぐわかるな」なんて言いながら戦国時代に想いを馳せる。


今回も楽しく、食が充実したキャンプだった。
これからいよいよキャンプシーズン。
人が多くなるのでうんざりするけど、なるべく人のいないキャンプ場を探して、のんびり大人キャンプを楽しみたいと思う。