月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

最近読んだ本あれこれ

2012-08-01 | 
昨日もウイスキー蒸留所行ったり飲みに行ったりで、結局酒びたりの1日を過ごしてしまった

いかんな、これでは。
経済的な破産も近いし、何より堕落してしまう。

今朝、二日酔いで気分の悪い胸を押さえながら、もう人生で何度目かわからない更正を決意。
きちんと生きよう。

まずは、ヒマな今のうちにガッツリと本を読んでおくことにした。
伊坂幸太郎の最新書き下ろし「夜の国のクーパー」をさっき読み終えた。

前半は本当にしんどかった!
さっぱり何の話かわからない。おとぎ話?妄想?
ある国の戦争が終わって、敵の国が支配に来る。
その国にいた猫が、その話を「私」なる人物に語る。
猫がしゃべる、鼠がしゃべる。
おかしな国の支配が始まる。
なんのこっちゃ、意味がわからん。
そもそもクーパーって何さ?
杉の木が蛹になって、クーパーが生まれる?

読んでいると頭がおかしくなりそうだし、どこに感情移入していいのかもわからず、非常に読み進めるのが困難だった。
それが、後半から続きが気になりだす。
そして、ラストは伊坂作品らしい「どんでん返し」が!
ああ、そういうことなのね、となる。

そんなわけで、最後まで読めばそこそこ面白い作品なのだが、とにかくその「最後」にたどり着くまでの苦痛が大きすぎる。
もう少し最初から引き込まれたかったなぁ。

オススメ度は★★☆☆☆(星2つ)

その前に、同じく伊坂作品の「PK」を読んだ。
こちらも彼らしい、短編3作の繋がりを楽しむタイプの物語。
なるほどねー、上手いなぁとは思うけれど、私の頭が悪すぎてつながりが途中でわからなくなってきたり
さらに、「あれ?終わり?」という中途半端な読後感。

「ゴールデンスランバー」以降の作品は、どうもピンとこない。
「チルドレン」や「陽気なギャング」シリーズのような登場人物に魅力がある作品や、
「ラッシュライフ」「オーデュボンの祈り」みたいな伊坂幸太郎の真骨頂、つながりミステリー作品や、
「死神の精度」「重力ピエロ」「アヒルと鴨のコインロッカー」「魔王」みたいに、なんかテーマは重いけど面白く読めて、ややメッセージ性のある作品とか、
いっぱい好きな作品はあるけれど、全部初期の頃のばかりだ。

そういうのを読みたくて、新作が出るとしつこく買ってしまうけど、もう自分好みの作品ってないのかな?

ちなみに「PK」のオススメ度は★★★☆☆

そういえば、「PK」のちょっと前に、川上未映子の「すべて真夜中の恋人たち」を読んだ。
この人の作品を読んだのは初めて。
きれいな文章を書く人だなぁとは思ったけれど、小説に出てくる女にイライラした。
主人公のネガティブな感じも、一緒に仕事をしている積極的で気の強い女性も、現実にいたら絶対関わりたくないタイプ。
彼女たちの考え方や生き方が、なんだか「私の現実」からは遠く離れていて、
「マジか?!」って何回か声に出してツッコんだよ・・・(笑)

でも、ストーリー自体は面白かったかな。退屈はしなかった。
久しぶりに恋愛小説を読んだし。

オススメ度は★★★☆☆

なかなか「コレ!」というような面白い本に出会わないねぇ。
「舟を編む」みたいな、読んでよかったと思える本に出会いたい。

最近、奥田英朗が朝日新聞で連載していた「沈黙の町で」が面白いと聞いたので、早く単行本にならないかなーと思っている。
この数年、奥田英朗作品は本屋で見てもスルーしていたが、やっぱり力のある作家だよなぁ。
一時期好きでハマっていたが・・・
また最近の作品も読んでみようかなという気持ちになっている。

今、手元にあるのは吉田修一の「太陽は動かない」という本。スパイ小説らしい。
彼の作品も、だいたい目についたら買うのだが、本の出版スピードが早いので読めていないものもいくつかある。
だけど、まあ、そんなにハズレはない。
それにやっぱり吉田修一がすごいのは、そのジャンルの広さ!
ピュアな恋愛小説から、「悪人」みたいな人間ドラマ、青春ストーリーでもハードボイルドでも何でもありなのだ。
そのうえ、それがすべて一定以上のクオリティ。
これだけ書くスピードが早いのに、人をガッカリさせないということは、才能があるんだろうなぁといつも思う。
アウトプットしたいことで溢れているのかもしれない。

今回は、スパイ小説やし(笑)
新しいジャンルに常に挑戦してるなぁ。
ちょっと読むのが楽しみだ。今晩から読もう。