鴨着く島

大隅の風土と歴史を紹介していきます

台湾が独自にワクチンを開発し接種開始

2021-08-24 19:30:36 | 災害
英米中露に続き、台湾が独自に新型コロナウイルスワクチンを開発し、接種が始まったというショッキングなニュースが入った。

台湾のワクチンメーカーの「メディゲン・ワクチン・バイオロジクス」(高端疫苗研究所)の製品で、アメリカの国立衛生研究所の支援を得て開発したものだという。

中国共産党政府から台湾のワクチン輸入に対して妨害を仕掛けられ、台湾は苦境に陥っていた。日本がそれに対して、日本が輸入したアストラゼネカ社のワクチンを100万人分とか融通したので、台湾から感謝の言葉を貰った――という報道が2週間ほど前にあったばかりだ。

そのニュース性をたちまち覆い隠してしまうような今度のワクチン開発!

このメディゲンワクチンの種類はファイザーやモデルナのようなメッセンジャーRNAによるものではなく、英国のアストラゼネカワクチンと同じ「組み換えタンパク質」を使ったワクチンだそうである。

ただし、メディゲンワクチンは治験のまだ2段階しか経ていないという。

ワクチンの第2段階での承認は普通は有り得ないのだが、アストラゼネカ製と比べてより効果があることが分かり、台湾政府が「緊急承認」したという。

接種第一号は総統の蔡英文だった、と、でかでかと台湾の紙面を飾ったようだ。

このワクチンの効果や副作用はこれからおいおい判明して来るだろうが、とにかく台湾人に与える「安心感」は非常に大きいだろう。

台湾に出来て日本がなぜ出来ないのか――という焦燥感に駆られるのは私だけではあるまい。

台湾で新型コロナウイルスに対するワクチン製造の下地になったのが、コロナウイルスによる感染症「SARS」の流行だったろう。

台湾は、2003年に勃発した中国広州のSARS(重症急性呼吸器症候群)のあおりを受け、国内でも2000人規模の感染者を生み、その内10パーセント以上の死者を出している。おそらくその時のコロナウイルスに関しては相当な知見を得ていたに違いない。

それを基に、今度の新型ウイルスへの対応を科学的にある程度進めることができたのではないか。そこにさらにアメリカの衛生研究所の助力を得て今回のワクチン開発に繋がったのだろう。

日本では塩野義製薬が開発を進めているが、早くて年末か来年早々くらいだと聞いている。そのほかにももう一社が開発を急いでいるそうだが、いずれにしてもこの第5波と言われる緊急事態の期間には全く間に合わない。

この緊急事態に対応できるのは当面米国製のワクチンだが、その供給量は十分ではない。ファイザー社の供給計画に遅れが出て菅総理が電話で直談判をして確保した――などと報道されたが、供給量もだがおそらく対価も向こうの言い成りなのに違いない。

これは防衛力を向上させようという時に、アメリカから調達される兵器の対価が向こうの言い成りなのと同じ構図だろう。


さっき入って来たニュースで、アメリカの保健福祉省の「アメリカ食品医薬局」(FDA)がファイザー社製のワクチンを正式認可したというが、では、それまでのファイザー社製ワクチンは何だったのか。緊急事態宣言に対応する「緊急承認だった」と言われればそれまでだが、正式に認可されたことで、対価がぐんと跳ね上がるのではないだろうな。

その前に、すでに、ファイザー社にしろモデルナ社にしろ株価は鰻登りになっただろうから、しこたま儲けたファンドは笑いが止まらないだろう。

日本でも塩野義製薬のワクチン製造の見通しが立ったという報道があっただけで、塩野義製薬株がぐんと値上がりしているくらいだから、向こうはけた違いの大儲けになったに違いない。

「地獄の沙汰も金次第」というが、こっちは「災害の沙汰でも金儲け」だ。