鴨着く島

大隅の風土と歴史を紹介していきます

南海は大揺れ

2021-04-10 13:03:39 | 災害
今朝はいつものようにウメを散歩に連れ出し、帰ってから新聞を読んでいると民放のテレビ画面に地震のニュース速報が出た。

確かそれは6時50分ごろだったが、7時になって間もなく出た速報にはちょっと驚いた。発生場所はさっきのと同じ鹿児島県十島村のトカラ列島近海で、マグニチュードが5.2、震度4とあった。

マグニチュードもだが、震度が4というのはあの辺りでこれまでにあっただろうか。

そしてまたまた速報、また速報と、7時台に3回も同じ場所で地震が起こったのである。

朝食時にも食後にも、やはり次々に起きる地震。ただ事ではない、という気がして来た。

昼食時にも、その後もあり、スマホで日本気象協会の地震情報を見ると、最初に起きたのが昨夜の23時30分だったようだ。二回目もまだ日付の変わらない時間で、震度3を記録していた。

今これを書いている13時20分現在、日本気象協会の記録では今朝の8時くらいからこの時間まで、日本で起きた震度1以上の地震はすべて十島村近海の地震ばかりだ。もう40回を数えるようになった。震度1がほとんどだが、3と4も二回ずつあった。

俗に言う「群発地震」なのだろうが、ここのは少し危惧すべき状況が背景にある。それは同じトカラ列島中の諏訪之瀬島の火山「御岳(おたけ)」がこの1,2か月毎日のように小爆発を繰り返していることだ。

十島村は吐噶喇(トカラ)列島に散在する10の島からなっており、総人口は800に満たない小さな村である。諏訪之瀬島は列島の中ほどにあり、この島のほかにも2つの火山を持つから、トカラ列島は「火山列島」でもある。

このトカラ列島の最南端の横当島の南は奄美大島の最北端と海上30キロほどを隔てるだけだが、奄美大島には火山は全く存在しないから不思議である。

一口に同じ南西諸島と言っても火山を持たない種子島・屋久島から奄美、沖縄のラインと、薩摩半島から40キロほど南の三島村の薩摩硫黄島から口永良部島、そしてこのトカラ列島のラインは火山だらけの様相とはっきりと色分けされる。

奄美列島から沖縄列島はフィリピン海プレート上の島々であるから親亀に乗っているという安定感があるが、トカラ列島はユーラシアプレートの辺縁にあり、フィリピン海プレートがユーラシアプレートに潜り込もうとしている場所に近いので不安定である。

そのため圧迫を受けたマグマが上昇してガス抜き、もしくはマグマ抜きをしなければ収まらず、煙突が必要である。火山が多いのはそういうわけだが、トカラ列島の火山も鹿児島に多い火山もその存在理由は変わらない。

ただトカラ列島の下に潜り込むプレートと、日本海溝という深海に潜り込む圧力はけた違いなので、後者が動き出すと大変なことになる。「南海トラフ地震」である。

南海トラフ地震が発生すると、おおむね連続して「東南海トラフ地震」という予測もあり、どれだけの被害になるか見当もつかない。

このトカラ列島沖地震がいつまで続くのか、諏訪之瀬島の御岳火山その他の火山群がどれだけ活発化するのか、注視しなければなるまい。南海トラフ地震の予兆でないことを祈るばかりだ。

※追記・・・今日(4月12日)の午後1時現在、トカラ列島沖を震源とする地震は200回に達した。2日前の午後1時の時点では40回ほどだったので、あれから丸2日で160回を数えたことになる。これまでの60時間で200回だから、1時間当たり3回を超える。ただ今朝の6時台からは回数がめっきり減っている。終息の兆しが見えたのかもしれないが、まだ何とも言えない。