雨 台風
台風に道路しずまり雨の音 正子
苧殻白し焚かれず盆にのせ置かれ 正子
台風の来ている夜の扇風機 正子
●台風7号は夜に最も接近し、台風らしい台風。いかにも雨や風に台風の匂いがしている。外の道を行く人が、遠くから一人、角から一人出てくる程度なのだ。雨が急に強くなったり、小止みになったりする。一日家に籠り、主には本を読んで過ごす。
●俳句をしていながら、文学について話したり、聞いたりすることがまったく無い日を過ごしている。これを改善することもできないので、現に、私は孤立(solitude)感をむしろ享受しているが、文学について知るには、本を読むしかないのだ現状だ。
そういったわけで、ヘッセに傾倒しているとは言えないが、彼は内面の葛藤を率直に吐露し、魂の彷徨という意味で詩人的な道を辿っていると思うので、丁寧に読んでいる。それらの本が『ヘッセ 魂の手紙』『ヘッセ詩集』だ。『魂の手紙』からは第1章「少年から青年へ、嵐の時代」、第2章「日々生き抜くこと」を読んだ。
●元が朝のうちにお参りに来てくれた。台所周りの用事は何かないかと言いつつ、水道の浄水器を新しく付け替えてくれた。来てくれた機会にお寺から彼岸法会の案内が来ているので相談し、息子を施主にして、午後彼岸法への出席を申し込んだ。お盆が終われば、すぐお彼岸なのだ。夕方には台風の中の送り火。実際は危ないので送り火は焚かなかったが、このような日の送り火に不条理な思いを抱いた。