俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

5月11日(日)

2014-05-11 07:18:36 | 吟行/鎌倉・大船
★薔薇垣と薔薇のアーチに人の住む  正子
丹精込めて手入れされた薔薇垣と薔薇のアーチなのでしょう。薔薇をこよなく愛する住人はどのような方でしょう。お住まいの方はもちろんのこと、通りすがりの人々にも、季節の豊かな彩りと喜びを分け与えてくれる薔薇の美しさ、芳しさを思います。(藤田洋子)

○今日の俳句
若葉風自転車きらり輪が廻る/藤田洋子
若葉風に吹かれ、自転車の銀輪がきらりと輝いて廻る。初夏の解放感と若々しさの溢れた句。(高橋正子)

○句美子と大船フラワーセンターへ吟行に行った。日吉駅で10時半に待ち合わせ。句美子はフラワーセンターは初めてなので、私が案内。園内は薔薇としゃくやくが咲き誇り、馥郁たる香り。この二つに加え、睡蓮、黄菖蒲がよく咲いていた。ルピナス、矢車草、おだまきなど百花繚乱。アカシヤの花、石楠花、藤がすでに終わっていた。句美子が温室を見たいというので温室に入った。思いがけず、睡蓮の花がとりどり咲いて、ロンドンのキューガーデンを句美子と見学したことを思い出した。睡蓮が咲いていたこと、オーストラリアやその他熱帯の植物があったことなど。赤バナナが成熟中であった。キューガーデンとは、もちろん、規模が全然違うのだけれど、フラワーセンターの意気込みも感じられた。 昼食は持参の助六すしと柏餅などで済ませた。帰りは、大船駅のドトールでアイスティーとミルフィーユで小憩。句美子は翌日、28句作ってメールで送ってくれた。

○睡蓮

[睡蓮/神奈川県立大船植物園]      [睡蓮/横浜都筑・ふじやとのみち]

★睡蓮の花沈み今日のこと終へず/臼田亜浪
★睡蓮に日影とて見ぬ尼一人/飯田蛇笏
★睡蓮や鬢に手をあてて水鏡/杉田久女
★睡蓮の明暗たつきのピアノ打つ/中村草田男
★睡蓮に雨意あり胸の釦嵌む/中村草田男
★睡蓮の汀に睫長き子よ/星野立子
★睡蓮やまづ暮のいろ石にあり/加藤楸邨
★睡蓮のひかりを絵の具盛り描く/宮津昭彦

睡蓮(学名:Nymphaea)は、スイレン目スイレン属の植物の一つで、水生多年草。単にスイレン(睡蓮)と呼ぶことが多い。日本にはヒツジグサ(未草)の1種類のみ自生する。日本全国の池や沼に広く分布している。白い花を午後、未の刻ごろに咲かせる事からその名が付いたと言われる。水位が安定している池などに生息し、地下茎から長い茎を伸ばし、水面に葉や花を浮かべる。葉は円形から広楕円形で円の中心付近に葉柄が着き、その部分に深い切れ込みが入る。葉の表面に強い撥水性はない。多くの植物では気孔は葉の裏側にあるが、スイレンでは葉の表側に分布する。根茎から直接伸びる花柄の先端に直径5-10cmほどの花をつける。産地で大まかに分けると、熱帯産と温帯産に分けられる。温帯産は水面のすぐ上に花を付けるが、熱帯産は水面から高く突き出た茎の先端に花をつけるので、区別は容易である。また、熱帯産には夜や早朝にしか花を咲かせない種もある。

○生活する花たち「西洋おだまき・卯の花・錦木の花」(東京深川・芭蕉記念館とその近辺)
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4月27日(日)

2014-04-27 07:23:54 | 吟行/鎌倉・大船
★いちはつの花の豊かに学問す  正子
学問とは何か、学問に携わる心構えは確かか。年度を新たにするこの季節、いちはつの花に自問させられます。茅葺屋根の天辺に植えられたから、或いは、一番先に咲くアヤメだから、という謂われの「一初(イチハツ)」の名。その「豊か」な姿、そして「学問す」に、身の引き締まる心地がいたします(川名ますみ)

○今日の俳句
花ふぶき車に触るる音うれし/川名ますみ
花ふぶきが車に、走っている車にだろうが、触れるとき音がする。その音が聞こえるほど敏感な作者でもあるし、すざましい花ふぶきであることが知れる。そういった花ふぶきに出会った嬉しさは一入だろう。(高橋正子)

○神奈川県立フラワーセンター大船植物園
昼前から信之先生と大船植物園に出かけた。見ごろは牡丹。藤。そのほか、ハンカチの木の花、睡蓮、もっこう薔薇、いちはつ、あやめ、西洋おだまき、おおでまり、矢車草、えびねなど。石楠花は終わって、残っている花はわずかだが、天城石楠花を見た。五月十日ごろには芍薬園の芍薬が咲き揃い、二十日ごろには、薔薇園の薔薇が見ごろとなるだろう。桜が終わり、晩春から初夏への花が咲きだす。花を見逃せない季節だ。

 大船植物園10句
白牡丹吹かるるときはいきいきと
牡丹の丈にかがめば牡丹の香
いちはつのみずみずしきときを共にあり
蔓ばらの空に咲きたる聖五月
ふり仰ぐハンカチの木の白き花
芍薬の蕾を日焼けというなるほど
矢車草の青に憩いて独りならず
風ふいと睡蓮の花流れたり
牡丹園日表の花日裏の花
くれいないの牡丹はつやを重ねたり

○母子草(ははこぐさ)

[母子草/東京・深川芭蕉記念館裏の隅田川土手] 

★老いて尚なつかしき名の母子草/高浜虚子
★語らいは遠き日のこと母子草/古市あさ子
★拔け道にしつかり根付く母子草/植木里水
★ほんわりと子を抱くかたち母子草/高橋正子
★ほうこ草ほうこ草と呼びし祖母/高橋正子

 ハハコグサ(母子草、学名: Gnaphalium affine)は、キク科ハハコグサ属の越年草である。春の七草の1つ、「御形(ごぎょう、おぎょう)」でもあり、茎葉の若いものを食用にする。冬は根出葉がややロゼットの状態で育ち、春になると茎を伸ばして花をつける。成長した際の高さは10〜30cm。葉と茎には白い綿毛を生やす。花期は4〜6月で、茎の先端に頭状花序の黄色の花を多数つける。
 中国からインドシナ、マレーシア、インドにまで分布する。日本では全国に見られるが、古い時代に朝鮮半島から伝わったものとも言われる。人里の道端などに普通に見られ、冬の水田にもよく出現する。
 かつては草餅に用いられていた草であった。しかし、「母と子を臼と杵でつくのは縁起が良くない」として、平安時代ごろから蓬に代わったともされているが、実際には、出羽国秋田や丹後国峯山など、地方によっては19世紀でも草餅の材料として用いられている。もっとも、古名はオギョウ、またはホウコである。新芽がやや這うことから「這う子」からなまったのではとの説もある。ハハコグサの全草を採取し細かく裁断して日干しし、お茶にする。咳止めや内臓などに良い健康茶ができる。これには鼠麹草(そきくそう)という生薬名があるが、伝統的な漢方方剤では使わない。

○生活する花たち(新緑の東京隅田川)
「スカイツリー(浅草水上バス乗り場より)・日本橋(水上バス船上より)・清洲橋(水上バス船上より)」
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