俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

12月31日(日)

2016-12-31 19:34:45 | 日記
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12月31日(土)

2016-12-31 19:31:57 | ネット句会
 横浜日吉本町・金蔵寺
★除夜の鐘鳴りはじめなる一の音  正子
年越しの準備も整い、家族がくつろいで新しい年を迎えようとするとき、近くのお寺から除夜の鐘がかすかに聞こえてきます。その一の音。すると家の外も中も、いっそうの静寂に包まれます。年を送り新たな年を迎え、また今あることの意味合いをしみじみと思います。(小西 宏)

○今日の俳句
乗り換えの国ざかい駅雪深し/福田ひろし
乗り換えで立ち降りた駅は国ざかい。思わぬ雪の深さに、国を境に、こんなにも雪の降りようが違うものかと感慨も深む。(高橋正子)

○ユズリハ

[ユズリハ/横浜日吉本町]

★楪のしきりに殖ゆる古葉かな/原石鼎
★楪の日本の家明るき日/高島茂
★父とかはす年賀短かし共に主/高島茂
★枯れ落ちた楪の葉は一年目 琴姫
★楪の葉のいれかはり新成人 征夫
★楪の赤きところが見ゆる庭/高橋正子

ユズリハ(楪、交譲木または譲葉、学名:Daphniphyllum macropodum)は、ユズリハ科ユズリハ属の常緑高木。古名はユズルハ。雌雄異株。高さは10mほど。葉は長さ20cmほどで枝先にらせん状につく。花には花被がなく、葉腋から総状花序を出す。花の形態がトウダイグサ科に似るので古くはトウダイグサ科に含められたが、心皮が2個(トウダイグサ科は3個)などの違いから独立のユズリハ科(Daphniphyllaceae)とされた。APG分類体系ではユキノシタ目に入れられている。ユズリハの名は、春に枝先に若葉が出たあと、前年の葉がそれに譲るように落葉することから。その様子を、親が子を育てて家が代々続いていくように見立てて縁起物とされ、正月の飾りや庭木に使われる。クマリン系アルカロイドのダフニクマリンを含み、中毒の原因となる。日本では、本州の福島県以西、四国、九州、沖縄に、アジアでは、韓国、中国中部まで分布し、暖地の山地に自生する。


◇生活する花たち「柊・茶の花・錦木紅葉」(横浜日吉本町)
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12月30日(金)

2016-12-30 19:31:10 | ネット句会
★年逝かす蘭の華やぐ丈見上げ  正子

○今日の俳句
年の瀬の遮断機上り街動く/藤田洋子
遮断機が上ると一斉に車が忙しく動き出す。年の瀬の街の風景をよい視点でとらえた。(高橋正子)

○フランス柊

[フランス柊/横浜日吉本町]

★落つことも降ることもなき赤き実は/高橋信之
★赤き実の一と日しっかと木に付ける/高橋信之
★雪冠るフランス柊我が庭に/高橋正子

 ヒイラギモドキは、モチノキ科モチノキ属、別名 シナヒイラギ ヒイラギモチという。
たまたま訪れた県林業技術センターでシナヒイラギ、また延岡植物園でフランスヒイラギと標示されている木を見かけました。ちょうど真っ赤に熟した美しい実がついていましたので、園芸種と思いますが、載せることにしました。両方ともヒイラギモドキ 別名シナヒイラギと思います。セイヨウヒイラギは、葉が普通の楕円形で縁全体に鋭い鋸歯が取り囲んでいますが、ヒイラギモドキの葉は、葉の形そのものが大きな不整形の鋸歯を形成するような特殊なかたちをしています。
 ヒイラギモドキも、セイヨウヒイラギも、ヒイラギの名がついていますが、モクセイ科モクセイ属のヒイラギとは無縁のモチノキ科モチノキ属です。モクセイ科のヒイラギには、赤い実をつけるものはないと思います。鋭くとがった歯牙のある硬い葉と赤い実をクリスマスの飾りとするお馴染みの植物で、欧米では、クリスマスホーリーと呼ばれているようです。欧米ヨーロッパ中南部からアジア西部の原産だそうです。多くの品種があり、果実を観賞するために庭に植えられる常緑高木です。モクセイ科のヒイラギに似た葉を持つモチノキの意で、ヒイラギモチともいわれています。なお、セイヨウヒイラギとヒイラギモチを別種としているもの、ヒイラギモチを別名シナヒイラギとしているもの、また、クリスマスに使うのはアメリカヒイラギとしているものなど、いろいろ名前については、扱いが一定していないようです。(HP「みやざきの植物散策」より)


◇生活する花たち「アリストロメリア・サンタンカ・ユリオプスデージー」(横浜・綱島)
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12月29日(木)

2016-12-29 13:00:50 | 日記
 横浜日吉本町金蔵寺
★侘助へ寺の障子の白き張り  正子
お寺参りをされたのでしょう。張り詰めた寒さの部屋に、只一つの侘助が挿されている。障子の白さが花を引き立てているようです。(祝 恵子)

○今日の俳句
庭師らは寺に冬苗運び入れ/祝恵子
何の苗か。正月を迎える葉牡丹などであろうか、あるいは苗木か。庭師が入って寺の庭が年末新たになる。(高橋正子)

○さるとりいばらの実

[さるとりいばらの実/東京白金台・自然教育園]

★炉なごりの小柴にまじる山帰来/石原八束
★やすらひてさるとりの花杖にあぐ/中村若沙
★何の実といふこともなく実を結び/山下由理子
★赤い実に猿近づきて山の秋 芝滋
★色染めて路傍の秋やサンキライ/夢夢ばあさん

★さるとりの実があかあかと平和なる/高橋信之
★さるとりいばら実は幼き日とおなじ/高橋正子

 西日本ではサルトリイバラ(猿捕茨)の若葉で餡餅(あんもち)を包み、端午の節句の柏餅のカシワの代わりに用いられます。関東では一般的な柏の葉だが、柏の葉が手に入り難い関西で、いばらの葉を代用した事が始まりとの事でした。俳人の私には「いばら」と云うと野茨を思いますが、「いばら餅」に使う葉はサルトリイバラ(猿捕茨)の葉だそうです。サルトリイバラ(猿捕茨)を図鑑で引いてみると『西日本では柏餅のカシワの代用とする』とやはり書いてあります。またこの葉をサンキラ葉と言うらしく、「いばら餅」をサンキラ餅とも呼ぶとの事です。サンキラ? 聞きなれない言葉なのでこれも調べてみました。正確にはサンキライと言い、山帰来と書くそうです。 サルトルイバラの別称でした。山帰来の名の由来について 『昔は毒消しの実として使われていた。 山野に多く自生しているため栽培をおこなうことはせず、毒消しの必要がある時に山に入り実を食べて帰ってくるという利用をされていた事から』と環境gooの植物図鑑に載っていました。中部地方も柏の葉が入手し難かったようで、昔は専ら「いばら餅」だったとの記事も散見しました。 三重県も同様ですが、三重県在住の方々のブログには「いばら餅」が三重県独自のお餅のように思っておられる記述が幾つか見られました。確かにネットで「いばら餅・いばら饅頭」を検索してみるとブログや和菓子店のHPは三重県発信のものが殆どでしたから、現今でいまだ一般的に親しまれているのは三重県だけなのかも知れませんね。(「≪‘のぶ`のフォト俳句≫~from伊勢」より)

 サルトリイバラ(猿捕茨、学名 Smilax china)は、サルトリイバラ科(またはユリ科)に分類される多年生植物(半低木)。漢語で菝葜と書く。東アジア(中国、朝鮮半島、日本)に分布する。日本では北海道から九州までの山野や丘陵の林縁などに自生し、日が当たり水はけのよい場所を好む。草丈 70〜350cm ほどで這うように伸び、茎は硬く緑色で棘が所々に生える。葉は互生し、円形または広楕円形で先端が尖り、基部は円く、硬く表面には光沢があり、3〜5 本の葉脈がある。雌雄異株で、4〜5月になると葉腋より散形花序を伸ばし多数の花を付ける。 花は淡黄で、6枚の花被片は先端が反り返る。雄花には雄蘂が 6本、雌花には子房が 3室・柱頭が 3本ある。果実は直径 7mm 程度の球形の液果で、秋に熟すと赤くなる。ルリタテハの幼虫が食草とする。
 根茎は薬用に使われる。四国地方などの関西圏以南では、葉を柏餅を包むのに用いる。園芸用では、庭園の添景木や、赤く熟す果実は生花にも用いられる。繁殖は 3月頃に播種する。サルトリイバラの別称はサンキライ、がめの木、かから、がんだちいばら、からたちいばら、等

 サンキライはサルトリイバラ(学名 Smilax china)の俗称だが、正確には別種(学名 S. glabra) で、本来、サンキライ(山帰来)は日本に自生しない。俳句ではサルトリイバラをサンキライと呼ぶ事が多い。 
 山帰来(サンキライ)は中国に産するユリ科のつる性木本である土伏苓(ドブクリョウ)を指す俗称とされてきたが、これによく似た同じくユリ科のつる性木本であるサルトリイバラの俗称ともなっている。しかし、山帰来の名前の由来に関するさまざまなパターンのストーリーを見かけるが、山帰来の名前の起源がどこにあるのかわからない。


◇生活する花たち「アッサムチヤ・グランサム椿・からたちの実」(東京・小石川植物園)
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12月28日(水)

2016-12-28 11:24:08 | 日記
★南天の実も水音もかがやかに  正子
水音のするほとりにある赤い南天の実が目にうかびます。寒さの中にも、新しい年を迎えるよろこびが、かがやかしく、清々しく伝わってくるようです。(小川和子)

○今日の俳句
冬椿蕾結べりきっぱりと/小川和子
冬椿の蕾の固さが凛とした空気に「きっぱりと」した姿を特に印象付けている。(高橋正子)

●宅急便が行方不明に。再配達をネットで依頼すると配達が済んでいる、となる。運転手に電話すると、ご主人に渡したという。しかし、もらったという、なんの痕跡もない。再度しらべてくれるように、サービスセンターに依頼。

○ひいらぎ南天の花

[ひいらぎ南天の花/横浜日吉本町]

★天辺に花咲かせたり柊南天 遊雀
★朝日受く柊南天の花と 照れまん

★子ら遊ばせ柊南天逞しき/高橋信之
★柊南天花はミモザのような黄に/高橋正子

ヒイラギナンテン(柊南天、学名:Mahonia japonica)は、メギ科ヒイラギナンテン属の常緑広葉低木。中国南部、台湾、ヒマラヤ原産で、庭や公園などに栽培される。葉は、奇数羽状複葉で互生して付き、厚く皮質で光沢があり、葉縁には深い鋸歯がある。冬~初春、房状花序に沿って黄色い小花を咲かす。秋に黒熟する果実の表面には白い粉状のものが付着する。別名:トウナンテン(唐南天)。同属には約70種あり中国から北米・中米にかけて分布する。小葉の細長いホソバヒイラギナンテン M. fortunei もよく栽培されている。

◇生活する花たち「十両(やぶこうじ)・百両(たちばな)・冬紅葉」(東京白金台・国立自然教育園)
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12月27日(火)

2016-12-27 10:34:43 | 日記
★水仙の香を吸いながら活けており  正子

○今日の俳句
猪狩を外れし犬と出会いけり/多田有花
猪狩をしてきた犬と山道で出会った。「外れし」が犬をうまく言いえている。猪を追い、山中を駆け回った犬と、今は静かに山を下る犬との対比が読み取れるのである。(高橋正子)

●今朝は時雨。
コープでお任せ買いして植えたパンジーがしっかりと根付いたようだ。ベランダが元気になった。

数え日の道うっすらと濡れており  正子

○ローズマリー

[ローズマリー/横浜日吉本町]

★文届くローズマリーの咲く朝/四ツ谷 龍
★残り香やローズマリーの胸にあり 華了
★ローズマリー日永の句座の眠くなる 暢一
★秋うららローズマリーの優しき香 チー
★わが街に花多しローズマリーも/高橋信之

★寒き日もローズマリーの花淡し/高橋正子
「ローズマリーの花」は、年に数回、冬の厳寒期を除いていつでも咲く。12月の「寒き日」にも咲く。それが「花淡し」なのであり、詩情のある句だ。(高橋信之)

ローズマリー(学名:Lamiaceae Rosmarinus R. officinalis)は、地中海沿岸地方原産で、シソ科マンネンロウ属の常緑性低木。生葉もしくは乾燥葉を香辛料として用いる。また精油は薬にも用いられる。花も可食。属名Rosmarinusは「海のしずく」を意味する。愛や貞節の象徴とされる。様々な品種があり、立性と匍匐(ほふく)性種に分かれる。花の色は、青から紫色のものがほとんどだが、白や桃色のものもある。和名マンネンロウの漢字表記は「迷迭香」であるが、これは中国語表記と同一である。

◇生活する花たち「蝋梅・冬桜・さんしゅゆの実」(横横浜・四季の森公園)

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12月26日(月)

2016-12-26 16:08:14 | 日記
★ようやくに伸びし丈なる田芹買う   正子

○今日の俳句
冬晴れて登ることなき山のぞむ/川名ますみ
冬晴れに高い山が望める。その山に自分は決して登ることはできないが、その山の姿のすばらしさに、登ることはかなわないが、せめて心だけでも登ってみたい思いや憧れがある。(高橋正子)

○きちじょうそうの実

[きちじょうそうの実/東京白金台・自然教育園]_[きちじょうそうの実と花/東京白金台・自然教育園]

★解夏草を持ちて僧来る海女の家/石原八束
★吉祥草咲き出でて世をおそるるや/青柳志解樹
★吉祥草日暮は早くなりにけり/佐久間耕

キチジョウソウ(吉祥草、学名:Reineckea carnea)は、百合(ゆり)科キチジョウソウ属の常緑多年草。日本国内では関東から九州、また中国の林内に自生し、栽培されることもある。地下茎が長くのびて広がり、細長い葉が根元から出る。花は11月頃に咲く。ヤブランにやや似た穂状花序で茎は紫色、花は白い花被が基部で合生し筒状となっている。果実は赤紫色の液果。花が咲くことが少なく、たまに花が咲くときにはよいこと(吉事)があると言われたため、吉祥草の名が付いた。実際には毎年秋に花を咲かせるのだが、生い茂った葉に隠され、葉をかき分けなければ目に付かないことが原因のようだ。解夏草はキチジョウソウの別称。


◇生活する花たち「冬椿①・冬椿②・山帰来の紅葉」(横浜・綱島)
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12月25日(日)

2016-12-25 12:49:29 | ネット句会
★冬の雨窓打つ音のついに暮れ 正子
止みそうでなかなかやまない冬の雨。止んだら外出しようと思いながら向かう机だがついに止むこともなく夕暮れてしまった。「ついに暮れ」に雨上がりを待っていた気持ちがよく表現されていると思いました。 (古田敬二)

○今日の俳句
冠雪の富士山遠く旅の空/古田敬二
冠雪の富士山を遠くに見て、いよいよ日本を離れる旅の空にいる。海外の旅に出るとき、富士山を目に収めたいのは大方の人であろう。(高橋正子)

●『鬣』という俳句雑誌で「・・水が咲く」という表現に出会った。目からうろこで唸った。すごいと、2,3週間は気になっていろんな場面を想像していた。しかし、やっぱり、自分の世界とは別の世界の言葉だと悟った。思いつかなかったのも無理もない。

○ミモザの花蕾

[ミモザの蕾/横浜日吉本町]  [ミモザの花と蕾/横浜日吉本町]

★邂逅やミモザ咲く坂上りつつ/草間時彦
★教会の仰げばミモザの花たわわ/戸田菜穂
★狭くなく広くもなき庭ミモザ咲く/竹酔郎
★教会へ続く坂道ミモザ咲く/浜元さざ波

葉に刺激を与えると古代ギリシアの身振り劇ミモス"mimos"(マイム、パントマイムの前身)のように動くことからこの名がついた。ラテン語本来の発音はミモサ、英語発音はマモゥサあるいはマイモゥサとなり、日本語のミモザはフランス語発音に由来する。ここから以下のような転用により語義が広がっている。
オジギソウ(本来のミモザ)。 フサアカシア(ミモザ)は、マメ科オジギソウ属の植物の総称(オジギソウ属のラテン語名およびそれに由来する学名がMimosa)。フサアカシア、ギンヨウアカシアなどのマメ科アカシア属花卉の俗称。イギリスで、南フランスから輸入されるフサアカシアの切花を"mimosa"と呼んだ事から。アカシア属の葉は、オジギソウ属の葉によく似るが、触れても動かない。しかし花はオジギソウ属の花と類似したポンポン状の形態であることから誤用された。今日の日本ではこの用例がむしろ主流である。


◇生活する花たち「椿・野葡萄・くこ」(横浜市都筑区東山田)
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12月24日(土)

2016-12-24 11:27:23 | 日記
 鎌倉・報国寺
★竹林の千幹二千幹が冬  正子

○今日の俳句
寒林を突き抜けてくる鳥の声/河野啓一
木の葉を落としたり、黄葉もからからと枯れ、常緑樹も真冬の色となった寒林には、引き締まる空気がある。その林を抜けてくる鳥の声も鋭く耳に届く。冬も鳥らは元気である。(高橋正子)

●信之先生が『WHO'S WHO?』に招待される。ここ10年間の活動に対してその先覚者的功績とのこと。以前にも別のWHO'S WHO?に掲載されたので、そのときの人名録を開けてみると、16年前の日付になっていた。松山市に住んで、「水煙」だったころ。それほど面倒でないので、サブミッション・フォームに書き込んで今日送信した。宮中の叙勲も数年前に辞退した信之先生だが。突然の招待に少し驚いた。

年賀状の原稿を作る。印刷すれば出来上がり。

イッツコムに保守点検の予約を入れる。来年1月5日(木)。夕方から冷え込んでくる。

○クリスマスローズ

[クリスマスローズ/ネットより]

★クリスマスローズ咲かせる窪の家/松崎鉄之介
★クリスマスローズ仰向くことのなく/椋本一子
★クリスマスローズかかへて友を訪ふ/坂本知子
★また一つクリスマスローズの鉢殖やす/渡邉紅華
★クリスマス来るたび母の誕生日/品川鈴子
★船上を人かげ歩むクリスマス/鷹羽狩行
★昇降機に英語満ち充つクリスマス/林翔

★牡蠣を焼きピザを頼みてクリスマス/高橋正子
★風邪に臥し一日清しクリスマス/高橋正子

 「クリスマスローズ」という呼称はクリスマスのころに開花する「ヘレボルス・ニゲル」だけを指した呼称であるが、日本の園芸市場では「レンテン・ローズ」と呼ばれる「ヘレボルス・オリエンタリス」なども「クリスマス・ローズ」の名前で出回る。多くの品種は、クリスマスのころではなく春に開花する。
 ヘレボルス(Helleborus)はキンポウゲ科のクリスマスローズ属に分類される植物の総称。ヘレボラスともいう。「チベタヌス」が中国の四川省から雲南省にかけて自生しているのを除けば、15の原種の全てが、東ヨーロッパからバルカン半島からトルコ、シリアに自生している。20世紀後半の品種改良は主にイギリスでヘレン・バラードや、エリザベス・ストラングマンによって進められた。「クリスマスローズ」という呼称も「イギリスのクリスマス」に開花するという意味である。夏は休眠状態となり根は活動を休止し、呼吸しているだけの状態となる。花に見える部分は植物学上では「花」ではなく「がく片」という部分である。そのため「鑑賞期間」が比較的長い。 ただし本来の花弁も蜜腺として残り、これが大きく発達したものを選別した品種もある。


◇生活する花たち「茶の花・花八つ手・木瓜」(横浜下田町・松の川緑道)
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12月23日(金)

2016-12-23 19:25:25 | ネット句会
★桜冬芽空にもっともたくましき  正子
冷たい風の中に桜の枝を見上げると、すでに紅色に輝く冬芽が青空に膨らみ立っているのを見ることが出来ます。桜は花、青葉、紅葉、などと四季折々に美しい姿を見せてくれますが、冬芽もまた桜の魅力の一つです。先生は桜冬芽を「空にもっともたくましき」と詠われました。それは厳しさの中にある冬空の美しさを讃える言葉にもなっているのだと思います。(小西 宏)

○今日の俳句
機首上げてプロペラ高し冬木立//小西 宏
句意がはっきりして、軽快な句。機首を上げているプロペラ機に対して、冬木立と空が明るい。(高橋正子)

●孫の元希に劇団飛行船の「ピーターパン」の券をプレゼントしたので、家族で今日は楽しんでくれただろうか。子供たちが小さいころよく飛行船のマスクプレイによく連れて行っていたが、今も健在の劇団だ。

○むさしあぶみの実/東京白金台・自然教育園

[むさしあぶみの実/2012年12月20日]_[むさしあぶみの花/2012年5月10日]

  武蔵鐙(むさしあぶみ)
★草の実の赤の数多の逞しき/高橋信之

 パーフェクトな赤!こんなの初めてムサシアブミの実@植物多様性センター
 ムサシアブミの実は野川公園でも見られますが、こんなに粒と色のそろったのは初めてです。普通は虫食いがあったり、熟しすぎた粒があったりするんですが、全部が均一に赤く染まってる。あっ、植物多様性センターと言っても分かりませんね。神代植物公園の分園です。無料です。各ゾーンの中は、保護のために先日までは入れなかった。植生も落ち着いて通れるようになったんです。冬の曇り空だし、野の花も終わってる。期待しないでひと回り。でも、こんな収穫があった。あきらめないで歩いてみるもんです。ただし名札は「種類不明」となっていた。果実だけで葉がないので即断はできない。植物公園だから慎重です。サトイモ科テンナンショウ属の別の植物なんでしょうか。マムシグサも同じような赤い実をつけるからね(ブログ「多摩と入間の雑学的な散歩」より)
 武蔵鐙(むさしあぶみ、学名:Arisaema ringens)は、里芋(さといも)科テンナンショウ属。海岸近くの林中などに自生。大きな葉が2枚(さらに小葉は3枚)、その間から、「鐙」(あぶみ。馬具の一つで、鞍の両側に垂らし、乗る人が足をかけるもの。)のように丸まった形の仏焔苞(ぶつえんほう)が出てくる(うす緑色)。耳型。花は、この仏焔苞の中にあり、ふつうは見えない。この「鐙」のうち、武蔵の国で作られたタイプの「鐙」に特によく似ていたため、 この名前になった。ボクシングのグローブ、のようにも見える。


◇生活する花たち「柊・茶の花・錦木紅葉」(横浜日吉本町)

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12月22日(木)

2016-12-22 10:48:54 | 日記
★柚子の香に頬のほのかに温まる  正子
12月22日と言えば冬至の日ですね?この日に柚子湯に入れば、身体がよく温もり風邪をひかないと云われていますが、我が家では冬至でなくても柚子が手に入れば、いつでも冬は柚子湯をします。ほんのり頬がポカポカとする感覚が想われ、心が温まります。(桑本栄太郎)

○今日の俳句
切干の笊に日溜まる窓辺かな/桑本栄太郎
面白いところに目を付けた。笊に干された切干大根。乾いて小さくなったものは、笊の目に詰まっている。窓辺の日あたりが嬉しい。(高橋正子)

○銀杏黄葉(いちょうもみじ)

[銀杏黄葉/横浜日吉本町]         [銀杏黄葉/東海道53次藤沢宿・遊行寺大銀杏]

★赤を掃き黄を掃き桜もみぢ掃く/後藤比奈夫
★黄葉は今年最後の祭りかな/kudou
★空青し銀杏黄葉を輝かす/高橋信之

 対象とする植物を全体として眺めたときに、その葉の色が大部分紅(黄)色系統の色に変わり、緑色系統の色がほとんど認められなくなった最初の日を、その植物の紅(黄)葉日とする。
 カエデの紅葉やイチョウの黄葉は、秋になって気温がある値を下回ると色づきはじめ、一定期間ののち全体が紅(黄)葉する。したがって、気温が高ければ色づきが遅れ、低ければ早くなる。
 イチョウは中国が原産地といわれる落葉高木で、社寺の境内や街路に多く植えられ、食用のぎんなんが実ることからもよく知られた植物である。雌雄異株で春に新葉が出るとともに、雄株は 2 cm 内外の房状の雄花を下垂してつけるが、雌株の花は目立たない。
 気象庁が観測・統計を開始した 1953 年以降の気温とイチョウ黄葉との関係を見る。50 年間に約 11 日イチョウの黄葉が遅くなったことを示した。なお、カエデの紅葉についても同様に50 年間に約 16 日遅くなっている。(国立天文台が編纂する「理科年表オフィシャルサイト」より)

○東海道五十三次を歩く(戸塚宿~藤沢宿)/2011年12月15日の日記より
 2011年の12月15日は、戸塚から藤沢宿まで約10キロほどの東海道を信之先生のお伴で歩いた。靴は、踵から着地できるよう設計されたウォーキングシューズ。この靴が頼りとなる。手袋と帽子、自分で編んだモヘアの小さいマフラー、いつものポーターの革リュックという出で立ち。朝8時過ぎに家を出て、グリーンライン・ブルーラインを乗り継いで、戸塚まで。結構乗っている時間がながいので、「東海道492キロ」という歩き方の本を読む。
 戸塚の駅に降り立って、吉田茂を怒らせた「開かずの踏切」を渡る。わかりにくいのだが、右手にいって、家康の側室のお万の方が建てた清源院長林寺へ。奥のほうに芭蕉の句碑があったので、写真にとる。万両は、人の背丈ほどありそうなのがある。黄色い千両と赤い千両も。水仙は、冠のようなところも白い水仙があった。純白の水仙である。
 観るほどのものはなく、15分ほどいて東海道となる道を行く。写真に収められる花があれば撮るつもりである。道端に、案内標識が出ていて、澤辺本陣跡とか、上方見附跡、お軽勘平の碑、松並木跡などがあった。
 藤沢宿に近づくと、遊行寺がある。遊行寺は通称で、清浄光寺(しょうじょうこうじ)といい、時宗総本山の寺院。境内には、樹齢660年、樹高31メートルの大銀杏があった。一遍上人の念仏する姿の像もある。
 遊行寺を過ぎて、藤沢宿の本陣跡あたりを見て、藤沢宿の町並みを見る。紙問屋らしい古い造りの家が残っていたり、老舗の豊島屋という「松露羊羹」で知られる店もある。お茶屋には、古い茶壷などもあった。昔ながらの商いの店がこじんまりと並んでいる通りである。
 この通りが藤沢本町通りで、その端にある小田急の藤沢本町近くの喫茶店で、遅い昼食をとり、きょうの東海道の歩き旅の終わりとした。

[戸塚]
 清源院長林寺
水仙のまだ咲かぬ花芭蕉句碑

[大坂・原宿]
冬晴れの長き坂なり上りけり
栴檀の実に藤沢の白き雲
徒歩旅にはやも椿の赤い花
富士山はあちらかここに枯すすき

[遊行寺]
遊行寺坂落葉たまるも切りもなし
遊行寺坂日に透けいたる冬黄葉

[藤沢宿]
 境川
本陣跡と札のみありて十二月
旧き家開かずの窓に冬日照り
山茶花の一樹咲き添う古き壁
ひとすじの門前町の十二月


◇生活する花たち「柊・茶の花・錦木紅葉」(横浜日吉本町)
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12月21日(水)

2016-12-21 09:40:24 | 日記
★木賊生う地より突き立つ濃き緑  正子
木賊は北地に多く生え、木の下の谷間などに茂っているが、鑑賞のため、人家にも植えますね。茎が直立して、60~90センチばかり突き立ち、中空の円柱型で、枝を分かたず、深緑色で美しいですね。(小口泰與)

○今日の俳句
枯れかれてなお鶏頭の紅かりし/小口泰與
鶏頭の紅さは個性的と言える。枯れてもその紅い色が衰えず残る。色に生命が通う。(高橋正子)

○蒲の穂絮

[蒲の穂絮/東京白金台・自然教育園]   [空を飛ぶ蒲の穂絮/東京白金台・自然教育園]

★天をとび樋の水をゆく蒲の絮/飯田蛇笏
★浄水の放流蒲の絮も翔(か)く/品川鈴子
★蒲の絮飛び立つ風のありにけり/石平周蛙

★蒲の穂絮ひっきりなしに吹かれ飛ぶ/高橋正子

○2013年
20日、良い天気。白金台の国立自然教育園へ信之先生と出掛けた。この時期は、花はほとんどなく、実物と呼ばれるものが多かった。冬紅葉も四季の森、綱島市民の森とまた違った趣があった。ハリギリ、イヌクワ、こなら、あぶらちゃん、ごんずい、いろはもみじ、おおもみじなどが黄葉していた。実は、浦島草、むさしあぶみのサトイモ科の珍しい実も見つけた。多いのは、万両、千両、藪柑子。からたちばなの実は、ようやく一つついていた。きちじょうそうという藪蘭に似た植物も、薄紫の藪蘭のような小花と南天ほどの赤い実がついていた。きちじょうそうは、葉を触ると、やわらかく、しなやかだ。水生植物園では、蒲の穂絮が蒲の穂を離れ、ひっきりなしに飛んでいた。水に落ちたものは、水に浮いている。蒲や葦のなかに小鳥が良く鳴いていたが、名前がわからない。水生植物園の出口では、サルトリイバラの実も見つけた。また、さね葛も随分大きな赤く熟れた実を付けていた。水生植物園を出て、武蔵野植物園へ回ると、藤袴、おとこえしなどは、名札のみが立って、葉や茎など見分けがつかなかった。ただ、竜胆は、蕾のまま立枯れて、わずかに薄紫が残っていた。この植物園は、こならが多いのかもしれない。どんぐりがおびただしく落ちて、踏まれてか、土にめり込んでいた。結構いろいろな植物を見た年末であった。

 ガマ(蒲、香蒲、学名:Typha latifolia L.)は、ガマ科ガマ属の多年草の抽水植物である。円柱状の穂は蒲の穂と呼ばれる。北半球の温暖な地域やオーストラリアと日本の北海道から九州の広範囲に分布する。池や沼などの水辺に生える。葉は高さ1-2 mで、水中の泥の中に地下茎をのばす。夏に茎を伸ばし、円柱形の穂をつける。穂の下部は赤褐色で太く、雌花の集まりでありソーセージに似た形状である。穂の上半分は細く、雄花が集まり、開花時には黄色い葯が一面に出る。風媒花である。雄花も雌花も花びらなどはなく、ごく単純な構造になっている。雌花は結実後は、綿クズのような冠毛を持つ微小な果実になる。
 蒲の穂絮は、ガマの果穂のことで、多数の小さい果実の集まりである。長い白い毛をもった実が風に乗って舞うようになる。この果実は風によって飛散し、水面に落ちると速やかに種子が実から放出されて水底に沈み、そこで発芽する。 また、強い衝撃によって、種が飛び散ることもある。


◇生活する花たち「蝋梅・冬桜・さんしゅゆの実」(横横浜・四季の森公園)
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12月20日(火)

2016-12-20 09:36:30 | 日記
  藤沢
★栴檀の実に藤沢の白き雲  正子

○今日の俳句
一しきり霰の音を硝子戸に/藤田洋子
急な冷え込みに、霰が一しきり降り、硝子戸を叩く。家居の静かさを驚かす天気の荒れに、冬の緊張がある。「一しきり」が詩情を生んだ。(高橋正子)

○枇杷の花

[枇杷の花/横浜日吉本町]

★枇杷の花咲くや揚屋の蔵の前 太祇
★枇杷の花鳥もすさめず日くれたり 蕪村
★輪番にさびしき僧やびはの花 召波
★職業の分らぬ家や枇杷の花/正岡子規
★人住んで売屋敷なり枇杷の花/高浜虚子
★枇杷の花しくしく氷雨下りけり/臼楕亞浪
★枇杷咲いて長き留守なる館かな/松本たかし
★誰か来さうな空が曇つている枇杷の花/種田山頭火
★忘れゐし花よ真白き枇杷五瓣/橋本多佳子
★枇杷が咲く金の指輪の指細り/三橋鷹女
★人影のあとの供華清し枇杷の花/中村汀女
★かたまれることは倖せ枇杷の花/神蔵器
★ほころびてあたたかさうな枇杷の花/片山由美子

 ビワ(枇杷、学名: Eriobotrya japonica)は、バラ科の常緑高木およびその果実。冬、枝先に帯黄白色の五弁の小花をつける。目立たない花ではあるが芳香があり、この季節に咲く花としては趣がある。
 中国南西部原産。英語の「loquat」は広東語「蘆橘」(ロウクワッ)に由来する。日本には古代に持ち込まれたと考えられている。またインドなどにも広がり、ビワを用いた様々な療法が生まれた。中国系移民がハワイに持ち込んだ他、日本からイスラエルやブラジルに広まった。トルコ、レバノン、ギリシャ、イタリア南部、スペイン、フランス南部、アフリカ北部などでも栽培される。
 葉は互生し、葉柄は短い。葉の形は20cm前後の長楕円形で厚くて堅く、表面が葉脈ごとに波打つ。縁には波状の鋸歯がある。枝葉は春・夏・秋と年に3度伸長する。花芽は主に春枝の先端に着く。花芽は純正花芽。花期は11~2月、白い地味な花をつける。花弁は5枚。葯には毛が密に生えている。自家受粉が可能で、初夏に卵形をした黄橙色の実をつける。果実は花たくが肥厚した偽果で、全体が薄い産毛に覆われている。


◇生活する花たち「十両(やぶこうじ)・百両(たちばな)・冬紅葉」(東京白金台・国立自然教育園)
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12月19日(月)

2016-12-19 03:04:36 | 日記
★木賊生う地より突き立つ濃き緑  正子
庭園などで緑の茎が真っ直ぐに立ち揃っているのを時折り見かけます。木賊はつくしの親戚と聞きましたが確かにつくしと同じ姿に生えているなと改めて知ることが出来ました。「地より突き立つ」の表現がぴったりで地下茎から活き活きと生えている木賊の力強さを感じます。(佃 康水)

○今日の俳句
出漁や妻に焚き火の温み置き/佃 康水
出漁まで夫婦で焚火をして体を温めていたのだが、体も温もって、妻を残して船音もかるく漁に出て行った。漁師夫婦の情愛が焚火をとおして温かく詠まれている。(高橋正子)

○太藺(ふとい)

[太藺/東京白金台・自然教育園]

 フトイ(Scirpus tabernaemontani C. C. Gmelin)とはイグサに近い姿のカヤツリグサ科の植物である。「フトイ」という名前は「太い」ではなく「太藺」、つまり「太い藺草」の意味である。実際にはイグサ科ではなく、カヤツリグサ科ホタルイ属に属する。ただし、その姿はさほどイグサに似ている訳ではない。
 湿地や浅い池などに生育する大柄な多年草で、高さは2m近くにもなる個体もある。地下茎は太くて横に這い、全体としてはまばらに花茎を立てて大きな群落を作る。地下茎の節から花茎を直立させる。花茎の基部には鞘があって、その先端は少しだけ葉の形になる。しかし花茎の長さに比べるとあまりに小さく、目立たない。花茎の断面はややいびつな円形。
 花茎の先端には花序がつく。いくつか枝が出てその先端には小穂がつき、小穂の基部からさらに枝が出るようにして多数の小穂が散房状につく。花序の基部には苞が一つあるが、花序より短くて目立たない。そのためイグサのようには見えず、花序が花茎の先端に上を向いてついているように見える。日本全土に分布する。
 日本では、時に庭園の池などで観賞用に栽培される。フトイの変種であるシマフトイは花茎に白い横縞模様があり、鑑賞価値が高いものとして栽培されている。国外では、チチカカ湖に自生するフトイの一種・トトラ(スペイン語: totora; S. clifornicus subsp. totora T. Koyama)がよく知られている。トトラは、湖上の民・ウル族の暮らしを全面的に支えている。 ウル族はトトラを刈り取って乾燥させ、その束を水面上に大量に積み重ねることによって浮島を作り、トトラで葺いた家をその上に建てて、水上の暮らしを営む。家の傍らに畑をもつ際にはトトラの根がその肥料にもなる。漁に用いる舟や移動用のボートもトトラから作るほか、食材、お茶、燃料、薬、身装品(帽子など)など、生活のあらゆる場面でトトラが用いられている。観光客相手にはトトラ細工が欠かせない土産品となっている。


◇生活する花たち「柊・茶の花・錦木紅葉」(横浜日吉本町)
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12月18日(日)

2016-12-18 03:03:15 | 日記
★青空の光りを弾き辛夷花芽/高橋正子

○今日の俳句
石蕗の花はや日輪の傾きぬ/多田有花
句の姿が整っている。暮れ急ぐ日にしずかに灯る石蕗の黄色い花が印象に残る。(高橋正子)

○冬椿

[冬椿/横浜西綱島]

★火のけなき家つんとして冬椿/小林一茶
★海の日に少し焦げたる冬椿/高浜虚子
★鶴とほく翔けて返らず冬椿/水原秋桜子
★まだ明日の逢はむ日のこる冬椿/中村汀女

★冬椿蕾ゆるきは肥後らしき/高橋正子
★誰からも見えぬ方向き冬椿/高橋正子
★冬椿鉄条網を隠しあり/高橋正子
★冬椿小さき白には青空を/高橋正子

 冬に咲く早咲きのツバキ。寒椿(かんつばき)。[季]冬。
 椿は、花が美しく利用価値も高いので万葉集の頃からよく知られたが、特に近世に茶花として好まれ多くの園芸品種が作られた。美術や音楽の作品にもしばしば取り上げられている。18世紀にイエズス会の助修士で植物学に造詣の深かったゲオルク・ジョセフ・カメルはフィリピンでこの花の種を入手してヨーロッパに紹介した。その後有名なカール・フォン・リンネがこのカメルにちなんで、椿にカメルという名前をつけた。19世紀には園芸植物として流行し、『椿姫』(アレクサンドル・デュマ・フィスの小説、またそれを原作とするジュゼッペ・ヴェルディのオペラ)にも主人公の好きな花として登場する。和名の「つばき」は、厚葉樹(あつばき)、または艶葉樹(つやばき)が訛った物とされている。「椿」の字の音読みは「チン」で、椿山荘などの固有名詞に使われたりする。なお「椿」はツバキとは無関係のセンダン科の植物チャンチン(香椿)の意味で使われることもある。
 ツバキの花は花弁が個々に散るのではなく、多くは花弁が基部でつながっていて萼を残して丸ごと落ちる。それが首が落ちる様子を連想させるために入院している人間などのお見舞いに持っていくことはタブーとされている。この様は古来より落椿とも表現され、俳句においては春の季語である。なお「五色八重散椿」のように、ヤブツバキ系でありながら花弁がばらばらに散る園芸品種もある。


◇生活する花たち「椿・野葡萄・くこ」(横浜市都筑区東山田)
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