俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

4月30日(金)

2010-04-30 13:01:43 | Weblog
俳句
聖書繰る野の青麦を思いつつ  正子

○『60歳からの楽しい俳句入門』(鴇田智哉著/実業之日本社/1400円)を読む。
こういったことを知っていれば、俳句の免許皆伝かと思う。知っていて益となるか、知っていて損となるかは、賽の目の出方のようなものか。

○今日の俳句
影の来て蝶の来ていることを知る/祝恵子
蝶は、やわらかに、気配もなく飛んで来る。ふと見やるところに蝶の影があり、蝶のいることに気づかされる。物があって、影が生まれるのだが、その逆のような世界の不思議。(高橋正子)
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4月29日(木)

2010-04-29 13:00:52 | Weblog
俳句
近寄れば真実リラの匂いける  正子

○今日の俳句
春の沖へ沖へとヨットのきらめく帆/多田有花
ヨットの観察をよくすべきなので、添削。春の沖へ出てゆくヨットの帆がきらめいて、沖にはもう夏が近づいている感じがする。(高橋正子)
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4月28日(水)

2010-04-28 12:59:08 | Weblog
俳句
 「正岡子規」観劇
青麦を来て劇中の子規と虚子  正子

○今日の俳句
つばめ来る瀬戸の海光ひるがえし/柳原美知子
南からのつばめが来ることは、あたらしい季節の到来。「海光ひるがえし」に、瀬戸を颯爽とぶつばめの生き生きした姿ががある。(高橋正子)

◇生活する花たち「モッコウバラ・藤・こでまり」(横浜日吉本町3丁目)

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4月27日(火)

2010-04-27 13:28:17 | Weblog
俳句
囀りに子の片言の鳥を呼び  正子

○今日の俳句
柿若葉吹き出す窓の明るさよ/安藤智久
桜が終ると、柿若葉が「吹き出す」ように燃え出てくる。柿若葉の明るい輝きに、窓は明るい季節へと変身する。(高橋正子)

◇生活する花たち「花水木a・花水木b・花菱草」(横浜日吉本町3丁目)

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4月26日(月)

2010-04-26 13:14:40 | Weblog
俳句
牡丹の百花に寺の午(ひる)しじま  正子

○今日の俳句
リラ冷えのひと日テーブルクロス編む/後藤あゆみ
リラ冷えとう美しい言葉と、繊細なレースを一心に編む幸せな時とがよくマッチしています。(高橋正子)

◇生活する花たち「つつじ・チューリップ・欅若葉」(表参道)

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4月25日(日)

2010-04-25 13:13:34 | Weblog
俳句
明け初めし空の丸さよ柿若葉  正子
ほのぼのと明るくなり始めた柔らかな空のもと、清浄な夜明けの大気に包まれて、萌え出た柿の新葉の初々しさ、みずみずしさをより感じさせていただきました。(藤田洋子)

○今日の俳句
春光につつまれし身のときめきよ/藤田洋子
この句を読むと、もの静かで明るい若い母親の姿が浮かぶ。うす紫の丸いヨークのセーターが、春光の中で、肩までの黒髪に映えていた。(高橋正子)

○明治神宮とその杜を信之先生と訪ねる。日本人の原点は、鎮守の杜にあるとする信之先生の考えで出かけた。明治神宮の杜は、当時の首相大隈重信の反対を学者が押し切り、杉ではなく、全国の、主には広葉樹が17万本植樹され、50年経って、自然の森に還ったそうである。今日は久しぶりの晴天に恵まれ、外国人が特に多いように思えた。もちろん若い人たちも多い。参拝後は、ブランドのブティックが並ぶ表参道を歩き、表参道駅から帰途についた。お土産は、コロンバンの原宿ロール。

▼明治神宮の自然・みどころ(公式サイト)
http://www.meijijingu.or.jp/midokoro/index.html

◇生活する花たち「杜の木立①・杜の木立②・クサイチゴの花」(明治神宮)


○現代俳句一日一句鑑賞
http://blog.goo.ne.jp/kakan109/
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4月24日(土)

2010-04-24 16:25:46 | Weblog
俳句
 小石川植物園
たんぽぽの草の平らに散らばりぬ  正子

○久しぶりの晴れ。実感としてはそれほどでもないが、天候不順で、野菜の高値が続く。

○花冠5月号校了。

○俳句界6月号の結社広告の校正。

○俳句界5月号が到着。正子の作品6句が掲載される。驚いたことに、掲載者の年齢は若い方から2番目。俳人としては若いのです。信之先生は、平成俳人300人に選ばれ代表句一句が、プロの写真家の写真とコラボで掲載される。

○今日の俳句
八重桜色を沈めて街ふけぬ/成川寿美代
八重桜は桜の中では、もっとも遅く咲く。ぽったりと重い花は、街がふけ、色を沈めたころに抒情がある。(高橋正子)
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4月23日(金)

2010-04-23 15:52:49 | Weblog
俳句
 小石川植物園
やわらかに足裏に踏んで桜蘂  正子

○今日の俳句
花主と見上げふさふさ藤の房/祝恵子
「花主」は、風流。原句は、「見上げておりぬ」であったが、藤の房の観察をもう一歩進めて、「ふさふさ」と添削した。ふさふさとした藤房の豊かさが感じられる。(高橋正子)
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4月22日(木)

2010-04-22 16:17:01 | Weblog
俳句
 隅田川
都鳥春の空より羽音させ  正子

○花冠6月号の初校がメールで届く。表紙色は、紫系のM80C60。
○午前中は、比較的暖かかったが、午後から冷え込む。今夜はたけのこご飯。

○今日の俳句
青空を透かしてほぐれ楓の芽/多田有花
楓の芽のみどりの間から青い空が透けて見える。「透かして」の把握が生きていて、ほぐれたばかりの楓の芽の様子がよく見て取れる。(高橋正子)

○現代俳句一日一句鑑賞
http://blog.goo.ne.jp/kakan109/
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4月21日(水)

2010-04-21 16:15:27 | Weblog
俳句
春月の光りにも触る午前二時  正子
ふと目覚めると午前二時、あまりにも美しい春月が手の届きそうに高階の窓に映っています。思わずその光りに触れるかのように少し窓をあけて仰ぎ見ます。女性ならではの感覚の美しい句ですね。(柳原美知子)

○今日の俳句
鶯の声に澄みゆく引き潮よ/柳原美知子
静かに引いてゆく潮が、鶯の声によって、ますます澄む。のどけく、透明感のある鶯の鳴き音と、瀬戸の引き潮が相呼応して、澄明な世界が詠まれた。(高橋正子)

○現代俳句一日一句鑑賞
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◇生活する花たち「ツツジ・黄花ジャスミン・キンレンカ」(横浜日吉本町)

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4月20日(火)

2010-04-20 16:13:34 | Weblog
俳句
独活放つガラスボールが水の玉  正子

○今日の俳句
花林檎咲き満ち空をかがやかす/矢野文彦
ほのかなピンク色の混じる林檎の花が咲き満ちると、空が一度に明るく感じられる。明るいどころか、空はかがやいている。林檎の花によって輝く空があることに心膨らむ。(高橋正子)

○現代俳句一日一句鑑賞
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◇生活する花たち「ツツジ・蒲公英・ペチュニアとパンジー」(横浜日吉鯛ヶ崎公園)

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4月19日(月)

2010-04-17 19:12:41 | Weblog
俳句
濃きお茶に春の灯しを入れて飲む  正子

○今日の俳句
蒲公英の花せめぎあい光りあい/小西 宏
蒲公英が明るい日差しの中に、びっしりの咲いている様子。一つ一つの花は可憐でありながら、せめぎあうほどの花の力。せめぐだけでなく、また、互いに光りあっている。確かな目である。(高橋正子)
[自句自解] ちょうど二年前の今ごろになりますが、退職記念に妻と二人でヨーロッパ旅行に出かけた折に作ったものです。バスの窓からライン川の岸沿いに見たタンポポの揺れや、ユングフラウの麓の宿から散歩に出かけて出会ったタンポポの原などが重なり合って思い出されます。(小西 宏)

○現代俳句一日一句鑑賞
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◇生活する花たち「ツツジ・ペチュニア・蒲公英」(横浜日吉本町)

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4月18日(日)

2010-04-17 19:10:30 | Weblog
俳句
春ほのぼの棚にあげたる書の紙も  正子

○今日の俳句
群青の湖までの土手花菜風/黒谷光子
土手伝いに菜の花の風を受けながら湖まで歩くと、湖は群青の色に。その色への驚きがある。菜の花の黄色をイメージさせる花菜風と、湖の群青のコントラストが美しい。(高橋正子)

○現代俳句一日一句鑑賞
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4月17日(土)

2010-04-17 09:10:50 | Weblog
俳句
雉啼くや子二人育てつつ暮らす  正子

○今日の俳句
時はいまゆっくり流れ蝶の昼/多田有花
蝶の飛ぶ真昼。蝶の飛ぶ辺りは蝶の空間と時間となって、ゆっくりと時が過ぎている。春昼の気だるく長閑な時間が詠まれている。(高橋正子)

○現代俳句一日一句鑑賞
http://blog.goo.ne.jp/kakan109/
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4月16日(金)

2010-04-16 09:03:01 | Weblog


俳句
 ディズニーランド・シンデレラ城
うすみずいろという水あって春の城  正子

○今日の俳句
菖蒲の芽尖り出でくる水の中/祝恵子
菖蒲の葉は剣にも例えられる。柔らかな水に、「尖り出でくる」芽の鋭さがよく詠まれている。(高橋正子)

○現代俳句一日一句鑑賞
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