晴れ、どきどき曇り
初秋の空の眺めのうすねずみ 正子
つゆ草につづき草々露まとう 正子
ベランダに葉の影重なる秋はじめ 正子
●気温は下がってきているが、台風10号のせいで、蒸し暑く、疲労感。俳句を読んでいるより、『ヘッセ詩集』(高橋健二訳/小沢書店)を読んでいるほうが、よほど慰みになる。ヘッセは西洋の詩人にしては、自然への親しみが違う。そこが慰みになっている。
●吉田晃さんの『俳句の杜2024』が今日本阿弥書店から届いたと電話。お盆前に本阿弥書店から私用に1冊贈呈されている。近く、会員の皆さんに送っていただけるだろう。
●『ヘッセ 魂の手紙』が最終章に近づいた。終わりに近づくと、この本は「読み切らないといけない」と義務感のような思いになった。
「平和を願って」の章で、第1次大戦中の1915年音楽家で歯科医アルフレート・シュレンカー宛の手紙が興味を引いた。
<(・・・)戦争を理性的に見ている人々は、今ではもうドイツだけのことではなく、だんだんヨーロッパの未来について語るようになっている。それは僕にとってまったく好ましいことではあるのだが、それでも僕は、統一したヨーロッパというものを人類の歴史の前段階としてしか見ていない。方法論を駆使して物を考えるヨーロッパ精神がまず世界を支配するだろう。だが、魂の文化はもっと深い宗教的な価値はロシア人やアジア人にあり、われわれはそれを時とともに再び求めてゆくようになるだろう。>
(ここで私が思うのに、ヘッセがロシア人として想定していたのは、ドストエフスキーなどの作家ではないかと思う。)