俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

10月17日(水)

2018-10-17 10:17:32 | 日記
★林檎手に送られ来しが赤ほのと  正子
送り届けられた林檎を手にして、胸の内までがぽっと明るく灯されたような、「赤ほのと」のあたたかさです。新鮮な季節の実りをいただく喜び、送り手への感謝の気持ちが感じとれます。 (藤田洋子)

○今日の俳句
真珠筏浸し秋の海澄めり/藤田洋子
「浸し」が秋海の澄んだ水をよく感じさせてくれる。秋海の澄んだ水に浸され殻を育てている真珠は、美しく輝く珠となることであろう。(高橋正子)

●夕べは知らぬ間に熟睡。それもラジオで上手な眠り方の放送を聞いていて、と思う。冬は掛け布団を足すよりも、綿毛布など敷くとよい。羽毛蒲団は肌に直に。羽毛というより、鳥の羽にくるまれて・・のほうが面白そう。
月例ネット句会のコメントを貼り付ける。

ふっと紫苑のことが思い浮かんだ。家の庭先などに結構あったのだが、こちらでは、鎌倉の東慶寺でしかみ見ていない。そういえば、前に座ったことのある東慶寺のお茶席がある。申し込めば3千円ぐらいで参加できる。名残りのお茶などいいだろうなあと。

○孔雀草(くじゃくそう)

[孔雀草/横浜日吉本町]

★開ききり咲き重なって孔雀草/高橋正子
 
 孔雀草(くじゃくそう、学名:Aster hybridus 英名:Frost aster)は、キク科シオン属の多年草。Aster : シオン属、hybridus : 雑種の、Aster(アスター)は、ギリシャ語の「aster(星)」から。花のつき方のようすに由来。北アメリカ原産で、わが国には昭和30年代に導入された。花壇や切り花によく用いられている。よく分枝して株立ちし、高さは40~120センチになる。葉は披針形から倒披針形で互生し、7月から9月ごろ、白色から淡紫色の花をいっぱい咲かす。別名で孔雀アスター、キダチコンギク(木立紺菊とも呼ばれます。9月5日、11月23日の誕生花(孔雀草)。花言葉は 「いつも愉快、ひとめぼれ」。似ている花は、都忘れ、紫苑、紺菊、関東嫁菜。


◇生活する花たち「十月桜・白ほととぎす・野葡萄」(横浜・東慶寺)

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10月16日(火)

2018-10-16 09:28:54 | 日記
★色ようやく見えてくれない菊蕾   正子
 垣根や畑の隅に乱れ咲くものをはじめ、菊作りに栽培された豊麗な大輪の花など、その種類は数千、色も形もさまざまだが、ようやく菊のつぼみがふふみて紅色の菊が咲く予感を感じさせてくれる。楽しみな時期です。(小口泰與)

○今日の俳句
★直立の日矢や藁塚一列に/小口泰與
朝早くだろう。山里などでは日が高く昇り、日矢は真上近くから差し込んでくる。それを「直立の日矢」といった。その日矢が一列に並ぶ藁塚に差し、山里は神々しいまでの朝だ。(高橋正子)

●曇り。10月月例ネット句会、信之先生の選がもらえたので、最終入賞発表。
元希の七五三のお祝。七五三の写真は写真館で撮ったのをもってきてくれた。
今年の「つがる」のりんごジュースが販売になった。さっぱりと美味しい。元、句美子、妹に送る。


○零余子(むかご)

[零余子/横浜日吉本町]           [零余子/ネットより]

むかご(零余子,珠芽[1])とは植物の栄養繁殖器官のひとつ。主として地上部に生じるものをいい、葉腋や花序に形成され、離脱後に新たな植物体となる。葉が肉質となることにより形成される鱗芽と、茎が肥大化して形成された肉芽とに分けられ、前者はオニユリなど、後者はヤマノイモ科などに見られる。両者の働きは似ているが、形態的には大きく異なり、前者は小さな球根のような形、後者は芋の形になる。いずれにせよ根茎の形になる。ヤマノイモなどで栽培に利用される。
食材として単に「むかご」と呼ぶ場合、一般にはヤマノイモ・ナガイモなど山芋類のむかごを指す。灰色で球形から楕円形、表面に少数の突起があり、葉腋につく。塩ゆでする、煎る、米と一緒に炊き込むなどの調理法がある。また零余子飯(むかごめし)は晩秋・生活の季語である。

◇生活する花たち「十月桜・白ほととぎす・野葡萄」(横浜・東慶寺)
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10月15日(月)

2018-10-15 10:30:54 | 日記
  横浜北八朔・梨園
★梨の実に白雲の空広がれる   正子
梨は春に白い桐か雲のように見える白い花を咲かせ、秋に結実します。今頃果樹園には、秋空の下、二十世紀、長十郎、豊水、幸水など、濃淡いろいろな大きな果実が実っている頃でしょう。季節の移り変わりと、実りの豊かさを実感させられる伸びやかな詠みが素敵です。(河野啓一)

○今日の俳句
苅田広き明日香村なる棚田かな/河野啓一
奈良、明日香村も稲刈りがほとんど済んで刈田が広がっている。棚田のある村に古代より繋いできた人々のゆかしい暮らしが見える。(高橋正子)

●10月月例ネット句会入賞発表。不完全なまま発表。これまでは一度もなかったこと。
夕べ、急にフラフラな感じになって、とにかく蒲団に入ってN響を聞きながら休む。今朝は、何事もなかったようにすっかり回復。銅賞、入選句を残し、入賞句の選とコメントを書く。

○烏瓜

[烏瓜の実/横浜日吉本町]      [烏瓜の花/ネットより]

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10月14日(日)

2018-10-14 07:46:44 | 日記
★秋宵宮星に声あぐ子の行列  正子
秋宵宮の祭りは全国の神社で行われる祭りで、神楽の奉納など神社によって違いはあるようです。法被を着た子供たちも行列をになって参加、夜空の星を見上げて、美しい星に声をあげている。都市部の宵宮でなく祭りの提灯の灯と小さな街灯しかない美しい星空の見える山間部の宵宮を想像しました。(古田敬二)

○今日の俳句
ひそと鳴る秋播き種はポケットに/古田敬二
秋播きの種をポケットに入れて、これから畑に出かけるのか。「ひそと鳴る」には、種の小ささもあるが、その音を一人聴きとめた作者の種への愛おしみがある。軽やかながら味わいがある句。(高橋正子)

●曇り。今朝地面が濡れていた。夕べ雨が降ったようだ。去年は14日に置炬燵を用意。
月例10月ネット句会。

○力芝(チカラシバ)

[力芝/横浜・横浜市港北区松の川緑道] [力芝/横浜・四季の森公園]

★力芝ひかりまみれの昼下がり/高橋正子
★畦道の力づよさに力芝/高橋正子
★理科教師力芝をまず教え/高橋正子

 チカラシバ(力芝、学名:Pennisetum alopecuroides)は、単子葉植物イネ科チカラシバ属の多年草。道端によく見かける雑草のひとつで、ブラシのような穂が特徴的である。地下茎はごく短く、大きな株を作る、根元から多数の葉を出す。葉は細長く、根元から立ち上がる。葉はやや丸まる。花茎は夏以降に出て、真っすぐに立つ。花軸は枝分かれせず、先端近くの軸に多数の針状の毛に包まれた小穂がつく。小穂は最初は軸から斜め上に向けて出るが、果実が熟するにつれて軸から大きい角度をもつようになり、つまり開出して、全体としてビン洗いのブラシや、試験管洗いのような姿になる。果実が熟してしまうと、果実は小穂の柄の部分から外れるので、あとには軸だけが残る。小穂は短い軸の先に一つだけつく。小穂の基部の軸から針状の毛が多数伸びる。小穂は披針形で長さ7mmほど、二つの小花を含むが、一つ目は果実をつけず、雄花となることも多い。第一護頴はほとんど退化、第二護頴は小穂の長さの半分。果実は先端の毛と共に外れ、これが引っ掛かりとなって大型動物の毛皮に引っ掛かるようになっている。いわゆるひっつき虫で、毛糸などの目の粗い衣服によく引っ掛かる。果実の先端から潜り込むようにして引っ掛かることが多い。
 日本、朝鮮半島、中国からフィリピン、マレー半島からインドまで分布する。日本国内では北海道南西部以南のほとんど全土で見られる。道端にはえる雑草で、大きな株になる。非常にしっかりした草で、引き抜くにも刈り取るにもやっかいである。和名の「力芝」もひきちぎるのに力がいることに由来する。穂から多数の毛が伸びてブラシ状になるものとしては、他にエノコログサ類があるが、たいていは穂の先がたれる。また、他にも穂に多数の毛や芒を出すものはあるが、このようなブラシ状のものはあまりない。


◇生活する花たち「十月桜・白ほととぎす・野葡萄」(横浜・東慶寺)
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10月13日(土)

2018-10-13 09:16:34 | 梅林
★パソコンを消して露散る夜となりぬ  正子
パソコンを消すのは、夜も更けた時刻なのでしょう。気が付けば露散る夜となっているほど、真剣になっていたと思われます。(高橋秀之)

○今日の俳句
朝霧が包む港に汽笛鳴る/高橋秀之
素直な句で、朝霧に鳴る汽笛がのびやかに聞こえる。朝霧に包まれた港がこれから動き出そうとしているのであろう。(高橋正子)

●今朝は肌寒い。もう、晩秋の感じ。
朝起きると、朝顔と帚木に目が行く。錆朱色の朝顔。みどりに紅を刷いた帚木。

○葛の実

[葛の実/横浜・四季の森公園(2011年10月20日)]_[葛の花/横浜日吉本町(2012年8月9日)]

 クズ (Pueraria lobata) は、マメ科のつる性の多年草。根を用食品の葛粉や漢方薬が作られ、花は、万葉の昔から秋の七草の一つに数えられる。漢字は葛を当てる。
 葉は三出複葉、小葉は草質で幅広く、とても大きい。葉の裏面は白い毛を密生して白色を帯びている。地面を這うつるは他のものに巻きついて10メートル以上にも伸び、全体に褐色の細かい毛が生えている。根もとは木質化し、地下では肥大した長芋状の塊根となり、長さは1.5メートル、径は20センチにも達する。花は8-9月の秋に咲き、穂状花序が立ち上がり、濃紺紫色の甘い芳香を発する花を咲かせる。花後に剛毛に被われた枝豆に似ている扁平な果実を結ぶ。花色には変異がみられ、白いものをシロバナクズ、淡桃色のものをトキイロクズと呼ぶ。和名は、かつて大和国(現:奈良県)の国栖(くず)が葛粉の産地であったことに由来する。
 葛の実は、8月から9月にかけて咲く花の後、すぐに緑の豆の莢となって鈴生りにぶら下がる。その後に時間をかけて成熟してきた実は、くすんだ焦げ茶色に変色し、枯れた葉と共に舞い落ちる。落ちてくるときは、たいてい一莢ずつになっているが、たまにはいくつかつながったままのこともある。莢の幅は1cm弱ほど、長さは3~6cmほど、厚みも重さもほとんど感じられない。莢の表面は茶色の毛で覆われている。莢を開いてみると、莢の内側は光沢があり、そして、長さ2mm、幅1mm強ほどの小さな豆が出てくる。


◇生活する花たち「秋海棠・銀木犀・金木犀」(横浜日吉本町)
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10月12日(金)

2018-10-12 10:29:47 | 梅林
★りんどうに日矢が斜めに差し来たり  正子
お日さまがりんどうに当たりだし、濃青色の花を周囲に見せてくれだしました。(祝恵子)

○今日の俳句
秋夕焼け飛行機雲も包まれて/祝恵子
夕焼けの中に延びる飛行機雲。その飛行機雲までも夕焼けにすっぽり包まれて茜色に染まっている。秋夕焼けに染まる空を見れば、温かい思いになる。(高橋正子)

●角川年鑑の広告ゲラが送られてきた。訂正が一か所。「年鑑」を「年間」に訂正し、ファックス。
角川賀詞交換会(31年1月21日)に欠席の返事。
毎日なしかしら、締め切りがある。これってなんで?
お礼のつもりで「俳句はがき」を書く。全然進歩しない。

○柚子(ゆず)

[本柚子/横浜・四季の森公園]            [鬼柚子/横浜日吉本町]

★子籠の柚の葉にのりし匂ひ哉 其角
★柚の色に心もとりぬ魚の店 多代女
★精進日や厨きよらに柚の匂ひ 梧堂
★荒壁や柚子に梯子す武者屋敷/正岡子規
★鬼柚子をもらひそこねし手ぶらかな/川崎展宏
★柚子打の出てゐる愛宕日和かな/長谷川櫂
★柚子ジャムの煮ゆる日風の窓打つ日/川上久美
★青柚子の香りの中の夕餉かな/加藤みき
★柚子黄なり峡に朝日の射しわたり/阿部ひろし
★俎板に切り置く柚子の黄のかけら/高橋正子

 ユズ(柚子、学名:Citrus junos)は、ミカン科の常緑小高木。柑橘類の1つ。ホンユズとも呼ばれ、果実は比較的大きく、果皮の表面はでこぼこしている。果実が小形で早熟性のハナユズ(ハナユ、一才ユズ、Citrus hanayu)とは別種である。日本では両方をユズと言い、混同している場合が多い。タネの多いものが多い。また獅子柚子(鬼柚子)は果実の形状からユズの仲間として扱われることがあるが分類上はザボンや文旦の仲間であり別品種である。
 消費・生産ともに日本が最大である。柑橘類の中では耐寒性が強く、極東でも自生出来る数少ない種である。酸味は強く香りもある。日本では東北以南で広く栽培されている常緑小高木である。花言葉は"健康美"と言われる。また、柑橘類に多いそうか病、かいよう病への耐久があるためほとんど消毒の必要がなく、他の柑橘類より手が掛からない事、無農薬栽培が比較的簡単にできる事も特徴のひとつである。なお、収穫時にその実をすべて収穫しないカキノキの「木守柿」の風習と同様に、ユズにも「木守柚」という風習がある地方もある。成長が遅いことでも知られ、「ユズの大馬鹿18年」などと呼ばれることがある。このため、栽培に当たっては種から育てる実生栽培では結実まで10数年掛かってしまうため、結実までの期間を短縮する為、カラタチに接木することにより数年で収穫可能にすることが多い。
 本ユズは、中華人民共和国中央および西域、揚子江上流の原産であると言われる。日本への伝播については直接ないし朝鮮半島を経由してきたと言われるが、どちらであるかは定かではない。日本の歴史書に飛鳥時代・奈良時代に栽培していたという記載があるのみである。花ユズは日本原産とも言われるが、詳しいことは判らない。柚子の語源は中国語の「柚(yòu)」である。しかしながら、現代中国語ではこの言葉は「文旦」を指してしまう。現在は「香橙(xiāngchéng)」が柚子を指す言葉であり、なぜその語彙が変化したのかは不明である。日本で「柚」が「柚子」になったのは、古来の食酢としての利用によるところが大きいといわれる。「柚酢」が「柚子」になったと言われているが、確かなことは不明である。韓国語でも漢字表記をする場合は「柚子(yuja)」と書くが、その語源については正確な記録が一切無いため全くの不明である。
 日本国内産地としては、京都市右京区の水尾、高知県馬路村や北川村など高知県東部地方の山間部が有名である他、山梨県富士川町や栃木県茂木町、最も古い産地の埼玉県毛呂山町等、全国各地に産地がある。海外では、韓国最南部の済州島や全羅南道高興郡など、中華人民共和国の一部地域で栽培されている。


◇生活する花たち「いぬたで・金木犀・やぶまめの花」(四季の森公園)
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10月11日(木)

2018-10-11 08:42:17 | 日記
★鵙の声青空あればどこからも  正子
深まりゆく秋を象徴するかのような鵙の鳴き声は、キチキチとも、又、チュンチュンとも鳴き、見上げる青空の深さを一層覚えます。まさに青空の何処からも聞こえてくるようです。(桑本栄太郎)

○今日の俳句
青空のあおに木魂す鵙の声/桑本栄太郎
「キチキチキチ」と鋭い鵙が声がするが、その正体はどこかと思うことがある。青空のあおに抜けて行く声であるが、よく聞けば「木魂」している。その声がはね返って、また耳に入るような。(高橋正子)

●曇り。今日は25度くらいだが、明日からは10月下旬の冷え込みに、の予報。
片付けようと思うが片付けられない床積み本。取り出してはぱらぱら読む。これ、大掃除のとき畳の下に敷いてある新聞を読むにも似る。

秋冷が至る三崎歌集の白秋に     正子
『雲母集』沖ゆく船は秋の船     正子
白秋の一書は白し秋灯下       正子
八一句集まことに錆びて秋灯下    正子


○榠樝(カリン)・木瓜(ぼけ)

[榠樝の実/横浜日吉本町]           [木瓜の花/横浜日吉本町]

★くらがりに傷つき匂ふかりんの実/橋本多佳子
★かりんの実しばらくかぎて手に返す/細見綾子
★にこにことかりん甲乙つけがたし/堀米秋良
★枝撓むほどになりたる花梨かな/瀬島洒望
★売り家の庭に花梨が熟れている/川上杜平
★花梨の実たわわ果実酒思いたつ/島崎冨志子
★テーブルに置いて花梨の実が匂う/高橋正子
★花梨の実祭り幟がはためくに/高橋正子

 カリン(榠樝、学名:Chaenomeles sinensis)は、バラ科ボケ属の落葉高木である。その果実はカリン酒などの原料になる。マメ科のカリン(花梨)とは全くの別種である。ボケ属(Chaenomeles)としての表記が多いが,C. K. Schneider はカリン属(Pseudocydonia)として一属一種説を発表している。マルメロ属(Cydonia)の果実も「かりん」と称されることがあるが,正しくはマルメロである。別名、安蘭樹(アンランジュ)。中国では「木瓜」と書く。ボケ属の学名は,ギリシャ語の「chaino(開ける)+melon(リンゴ)」が語源で、「裂けたリンゴ」の意味。果実は生薬名を和木瓜(わもっか)という(但し和木瓜をボケやクサボケとする人もあるし、カリンを木瓜(もっか)とする人もいる。これらカリン、ボケ、クサボケは互いに近縁の植物である)。 なお,日本薬局方外生薬規格においてカリンの果実を木瓜として規定していることから,日本の市場で木瓜として流通しているのは実はカリン(榠樝)である。
 原産は中国東部で、日本への伝来時期は不明。花期は3月〜5月頃で、5枚の花弁からなる白やピンク色の花を咲かせる。葉は互生し倒卵形ないし楕円状卵形、長さ3〜8cm、先は尖り基部は円く、縁に細鋸歯がある。未熟な実は表面に褐色の綿状の毛が密生する。成熟した果実は楕円形をしており黄色で大型、トリテルペン化合物による芳しい香りがする。10〜11月に収穫される。実には果糖、ビタミンC、リンゴ酸、クエン酸、タンニン、アミグダリンなどを含む。適湿地でよく育ち、耐寒性がある。
 花・果実とも楽しめ、さらに新緑・紅葉が非常に美しいため家庭果樹として最適である。語呂合わせで「金は貸すが借りない」の縁起を担ぎ庭の表にカリンを植え、裏にカシノキを植えると商売繁盛に良いとも言われる。カリンの果実に含まれる成分は咳や痰など喉の炎症に効くとされ、のど飴に配合されていることが多い。渋く石細胞が多く堅いため生食には適さず、砂糖漬けや果実酒に加工される。加熱すると渋みは消える。


◇生活する花たち「ノダケ・シロバナサクラタデ・ユウガギク」(東京白金台・国立自然教育園)
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10月10日(水)

2018-10-10 09:27:41 | 日記
★辻に出て通う秋風身にまとう  正子
十字形に交わった道路に出ると四方よりの秋風が爽やかに通り抜けている。その風を総身にまとった一時の心地よさと「もう秋も深まって来たな」との季節の移ろいに寂しさをも感じられる御句です。(佃 康水)

○今日の俳句
満月や瀬戸の潮騒高まりぬ/佃 康水
月に左右される潮の干満。満月が昇ると、おだやかな瀬戸もざわざわと潮騒が高まる。潮騒の高まりに、ますます輝く満月となって、臨場感のある句となった。(高橋正子)

●来年の結社広告は、「俳句界」は休載。角川に年鑑と奇数月に掲載することに。角川の新年会の欠席の返事を出す。

小さいスライド本棚のスライド部分が外れる。それを嵌めるため、天板だけを外せば済むと思ったが、そうはいかない。天板をとると、棚板がばらばら落ちる。本が崩れ落ちる。やむなく本を取りだしたら、、6畳間の半分ほどに積み重なった。忘れていた本が出てきた。『日本的霊性』(鈴木大拙)、『心より心に伝ふる花』(観世寿夫)など。

昼の虫小さく鳴いて柿熟れる    正子
大地のその小さき草むら鉦叩    正子
秋空のクレーンの中の青三角    正子

○犬升麻(イヌショウマ)

[犬升麻/横浜・四季の森公園]

★秋の野の不思議の花にイヌショウマ/高橋正子
★釣舟草の隣に咲いてイヌショウマ/高橋正子

イヌショウマ(学名:Cimicifuga japonica)は、キンポウゲ科サラシナショウマ属のひとつで、山地の林内に生える高さ60~80センチの多年草。地下茎が発達し横にのびる。根生葉は1~2回3出複葉。小葉はやや硬く掌状に裂け、裂片のふちに不ぞろいのするどい鋸歯がある。葉の両面とも脈に短毛がある。つぼみは紅梅色のような色で、花は白色で穂状に多数つく。つぼみが開くと花弁と萼は落ちてしまい、白色の雄しべが花のように見える。よく似た種類にサラシナショウマがあるが、サラシナショウマは花柄(有柄の白い花)が、はっきりとわかるが、イヌショウマは花に柄がないので違いがよく分かる。花期は7~9月。名前のイヌショウマは、サラシナショウマが薬用(茎葉が枯れてから根を日干しにして用いる。)として用いられるのに対し、薬用にならないためつけられている。分布は、本州(関東から近畿地方)


◇生活する花たち「十月桜・白ほととぎす・野葡萄」(横浜・東慶寺)

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10月9日(火)

2018-10-09 10:35:48 | 日記
★朝はまだ木犀の香のつめたかり  正子
いよいよ秋の深まってくるころ、木犀は花を開く。先ず気づくのはその香りかもしれない。いつの間にか冷たさの感じられるようになった朝の空気に、清らかに漂ってくる。白く小粒な花の姿が更なる秋を伝えてくれる。(小西 宏 )

○今日の俳句
西空の大きや秋の夕映えて/小西 宏
秋空を染める夕焼けの大きさ、美しさに人は言い知れず感動する。それが「西空の大きや」の率直な感嘆となっているのがよい。(高橋正子)

●本当の秋日和。
「俳句添削教室」。10月1日から、昨日8日まで、13人の若い人らしい句が投句された。自分たちだけでやっているのか、自分の言葉で作っているのがいいと思う。俳句グループがあるのかもしれないが、若い社会人のような感じで、いまどきマスコミで流行りの句ではない。流行にとらわれない若者も不思議だなと思う。

今日は朝日の朝刊が休み。夕刊に「むのたけじをたどって⑥」にむのたけじの言葉として、「生きることは、たたかうこと。たたかうとは、つづけること。」が紹介されていた。「たたかうとは、つづけること。」これは、私も常日頃感じていること。私の場合は、「つづけるとは、たたかうこと。」に近いかもしれない。「たたかうとは、冷静であること。」とも言えそう。「戦いすんで、日が暮れて」になりそうでもあるが。

俳句の言葉は、やはり、詩の言葉で、芭蕉が「俗語をただす。」という意味が問われるのではないか。俳句の言葉も、日常の言葉も日本語として同じだと思う人が結構いる。それが分からず、突っ込みを入れてくるが、これは分からせようがないから、今はこちらが引いている。引かないで忍耐しないで済むようになりたいものだ。

また、後日書こうと思うが、「俗語をただす」が今、誤解されて広まっているのではないかという危惧がある。

一昨日は、元が、昨日は句美子が来た。
  元
子の車が連れゆく道に秋祭      正子
生まれたときから車好きの元は車をベンツCクラスに替えたと言って乗ってきた。ベンツも安くなってだれでも買えるとのこと。

  句美子
わが留守の子の家事秋刀魚焼かれあり  正子

帚木と朝顔ますます秋深む       正子
秋風のベランダ充分日が差して     正子
帚木の一枝ガラス瓶に差し       正子
秋澄みて首都円盤の灰褐色       正子

○野牡丹

[野牡丹/横浜日吉本町]

★紫紺とは野牡丹の色ささやきに/松田ひろむ
★野牡丹を夢見顔して捧げきし/澁谷道
★野牡丹の美(うまし)風湧くひとところ 一葉
★野牡丹の濃ひ紫に惹かれおり 文子


 ノボタン科 (Melastomataceae) は、双子葉植物に属し、約180属4400種の大きい科であるが、ほとんどが熱帯・亜熱帯にのみ分布する。ブラジル地方原産。 日本ではノボタン(野牡丹)などの4属7種が南西諸島や小笠原諸島に(ヒメノボタンは紀伊半島まで)分布する。中南米原産のシコンノボタン(紫紺野牡丹)は紫色の大輪の花が美しいのでよく栽培される。おもな属にノボタン属 Melastoma・シコンノボタン属 ibouchina・ヒメノボタン属 Bertolonia・ミヤマハシカンボク属 Blastus・ハシカンボク属 Bredia・ メキシコノボタン属 Heterocentron・オオバノボタン属 Miconia・ヒメノボタン属 Osbeckiaがある。
 草本または木本、つる性のものもある。葉は対生。花は子房下位で放射相称、萼片と花弁は普通4または5枚、雄蕊はその2倍ある。果実はさく果または液果。夏から11月頃まで長いあいだ開花。紫色がきれいな花。牡丹のように美しいのでこの名になった。牡丹には似ていない。 紫のものをよく見かけるが、紫の他、赤、白がある。ふつうの「野牡丹は、まんなかのしべの一部が黄色いが、よく栽培される紫紺野牡丹(しこんのぼたん)は、しべは全て紫色である。11月16日の誕生花は紫紺野牡丹で、その花言葉は「平静」。


◇生活する花たち「藻の花・萩・藪蘭」(鎌倉・宝戒寺)
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10月8日(月)

2018-10-08 09:01:26 | 梅林
★朝はまだ木犀の香のつめたかり  正子
キンモクセイが香るころともなれば、秋はそろそろ後半に入ってきます。朝夕は肌寒さをおぼえるようにもなるころです。「木犀の香のつめたかり」にこのころの季節の感覚が鋭くとらえられています。 (多田有花)


●雲り。体育の日。
帚木の紅葉のことが、、昨日の朝日の天声人語にあった。我が家の帚木も紅色になり始めたが、よそもそうみたいだ。柔らかそうに見えるが、手でさわると、茎が固い。これなら箒になりそうだ。

二階のIさんが9月30日の台風が来そうなとき隣駅の町に引っ越した。引っ越しのときは、我が家は留守にして会えなかったのかもしれないが、昨日、留守の間、玄関に「獺祭」のお酒を置いて行かれた。台風の被害に遭って、一時製造が出来なくなっていた山口の酒造メーカーの酒。それも珍しかったが、Iさんも珍しく丁寧な方だ。海外青年協力隊でアフリカにも行ったことがあるそうだ。Iさんの小さいお子さんも、電車で会えば、手を繋いでくれる。親戚と思っているのかも。

○野牡丹

[野牡丹/横浜日吉本町]

★紫紺とは野牡丹の色ささやきに/松田ひろむ
★野牡丹を夢見顔して捧げきし/澁谷道
★野牡丹の美(うまし)風湧くひとところ 一葉
★野牡丹の濃ひ紫に惹かれおり 文子

 ノボタン科 (Melastomataceae) は、双子葉植物に属し、約180属4400種の大きい科であるが、ほとんどが熱帯・亜熱帯にのみ分布する。ブラジル地方原産。 日本ではノボタン(野牡丹)などの4属7種が南西諸島や小笠原諸島に(ヒメノボタンは紀伊半島まで)分布する。中南米原産のシコンノボタン(紫紺野牡丹)は紫色の大輪の花が美しいのでよく栽培される。おもな属にノボタン属 Melastoma・シコンノボタン属 ibouchina・ヒメノボタン属 Bertolonia・ミヤマハシカンボク属 Blastus・ハシカンボク属 Bredia・ メキシコノボタン属 Heterocentron・オオバノボタン属 Miconia・ヒメノボタン属 Osbeckiaがある。
 草本または木本、つる性のものもある。葉は対生。花は子房下位で放射相称、萼片と花弁は普通4または5枚、雄蕊はその2倍ある。果実はさく果または液果。夏から11月頃まで長いあいだ開花。紫色がきれいな花。牡丹のように美しいのでこの名になった。牡丹には似ていない。 紫のものをよく見かけるが、紫の他、赤、白がある。ふつうの「野牡丹は、まんなかのしべの一部が黄色いが、よく栽培される紫紺野牡丹(しこんのぼたん)は、しべは全て紫色である。11月16日の誕生花は紫紺野牡丹で、その花言葉は「平静」。


◇生活する花たち「藻の花・萩・藪蘭」(鎌倉・宝戒寺)
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10月7日(日)

2018-10-07 09:03:22 | 梅林
font size="3">★みずひきの朱が試験期の図書館に  正子
 みずひき草は、俳句を作るようになって、自然に知った花だと思う。上のみずひきの句は、大学生のときの句だが、図書館にさりげなく活けてあった。大学構内のどこかにあるのを司書の方が摘んできたのかもしれない。砥部の家の庭にも植えたのか、自然に生えたのかわからない形で、初秋のころから赤い糸を引くように咲いた。みずひき草が咲くと、やはり活けたくなって、切り取って玄関に活けた。みずひき草は、「澄んだ空気」とよく似合う。だから、空気と似合うように活けて自己満足する。
 みずひき草には赤だけでなく、白い「銀みずひき」というのもある。蕾のときは、白さがよくわからないが、先日は、買い物の途中で、あの細いみずひきが満開になっているのを見た。それだけで済ますにはもったいないので、家に帰りカメラを持って出掛けた。小さな泡の粒粒が空気に浮かんでいるように見えたが、これもきれいだ。(自句自解)

○今日の俳句
★水滴に秋の日かがやきミント摘む/高橋句美子
ミントの葉に如露の水か、水滴が付いて、それを静かな秋の日が輝かせている。そのきれいな水滴の付いたミントの葉を摘むゆっくりとそして爽やかな時間が若々しく詠まれている。(高橋正子)

●晴れ。台風25号の影響で、真夏日。しかし、風は爽やか。

帚木の紅に染まれり台風後      正子
秋灯にメロン熟らして今日三日    正子
安売りの茗荷紅色うすきかな     正子
 生家
爪先も指も濡れたり茗荷摘む     正子
秋灯の畳に本を積み重ね       正子

○桜蓼(さくらたで)

[さくらたで/東京・向島百花園]

★食べてゐる牛の口より蓼の花/高野素十
★一枚の洗ひ障子や蓼の中/瀧春一
★寺門出てそこが畦道蓼の花/稲畑汀子

 桜蓼(さくらたで、学名:Polygonum conspicuum)は、タデ科タデ属の多年草。
 北海道~九州の水辺に生える。根茎は地中で長くのび、枝を分けてふえる。茎は直立し、高さは50~100cmになる。葉は披針形で長さ7~13cm、短い葉柄がある。両端はとがり、両面に短い毛がある。鞘状の托葉は短い筒形で、ふちに長く堅い毛がある。秋に、うすピンク色のきれいな小花が咲く。花序は1~3本に分枝し、花穂は細長く、やや密に花をつけ、上部は垂れ下がる。花被は深く5裂し、長さ5~6mmで淡紅色を帯びる。花は直径約8mm。花には長花柱花と短花柱花との2型がある。雄しべは通常8個、雌しべは1個で柱頭は3岐する。果実はそう果で、長さ3~3.5mmの3稜形、黒色で光沢がない。 花期は8~10月。
 よく似た「白花桜蓼(しろばなさくらたで)」もある。花色が白く、花被が長さ3~4mmと小さい。蓼の花には、犬蓼・桜蓼・御蓼・岩蓼・穂蓼がある。

◇生活する花たち「いぬたで・金木犀・やぶまめの花」(四季の森公園)
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10月6日(土)

2018-10-06 08:39:50 | 日記
★いっせいに月を待つべく曼珠沙華  正子

○今日の俳句
早朝の山懐の霧深し/井上治代
大洲盆地らしい私の好きな風景だ。早朝でなくても、松山から峠を越えるあたりから、道は流れるような霧に包まれることもあった。(高橋正子)

●曇り。今日から駒林神社の祭り。今朝は、肌寒い。祭りと言えば、昼間は神輿について回れば汗ばむほどだが、夜神楽を見るときは箪笥から毛糸のベストを出して着た記憶がある。
みずほ銀行のATM今日から3連休。


○藪豆(やぶまめ)

[やぶまめの花/横浜・四季の森公園]

★藪豆の花と実を見る快活に/高橋信之
★秋の茂りやぶまめの花絡みつき/高橋正子

 ヤブマメは、マメ科ヤブマメ属のツル性一年生草本で、学名は、Amphicarpaea edgeworthii var japonica。北海道から九州、朝鮮から中国に見られ、林縁や草原などに生育する。夏から秋にかけて花を咲かせ、実をつけるが、地中にも閉鎖花を付ける。茎の一部から地中に枝が伸び、土の中で果実を稔らせる。この果実の中には種子は1つしかなく、地上部に形成される種子よりも大きい。地上部の種子は有性生殖であるので多様な性質を持っており、新たな場所へと散布されることを期待している。地下に形成した種子は、単為生殖であるので自らと同じ遺伝子を持っており、まずは来年への存続を確保するという戦略である。このような戦略は、来年もヤブマメが生育可能な立地条件であることがかなりの確度で予想される場合に成り立つ。ヤブマメの生育地は、そのような、来年も一年性のツル植物が生育可能な立地である。 茎は細く,下向きの細い毛がある。葉は3小葉に分かれた複葉で,基部に托葉がある。頂小葉は広卵形または卵形で,長さ3~6cm。2型花をつける。開花する花は8~10月に葉腋(ようえき)から出る短い総状花序に2~8個がつき,紫色の蝶形花で,長さ15~20mm。閉鎖花は花弁がなく,葉腋に1個だけつく。果実は多くは閉鎖花から熟し,地上と地中とにできる。
 北海道では山菜として食され、栽培化も試みられた比較的身近な植物になっている。特にアイヌの人たち好まれ、味は"甘栗"のようで炊き込みご飯や煮物にした『アイヌ民族博物館だより』。栄養成分分析によるとカリウムが多く含まれ、ついでリン、マグネシウムほかとなっている『伝承有用植物』。アイヌの人たちがいつ頃から食用にしていたのか分からないが、万葉集(4252)では別れがたい防人の想いをノイバラに絡みつくマメの姿に重ねて歌っており、このマメはヤブマメとされ、昔からその存在は知られていたようだ。


◇生活する花たち「ノダケ・シロバナサクラタデ・ユウガギク」(東京白金台・国立自然教育園)
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10月5日(金)

2018-10-05 10:00:15 | 日記
★秋の潮満ち来る波の触れあいて  正子
穏やかな秋の日に、潮波の触れ合う音が聞こえてくるようです。(祝恵子)

○今日の俳句
寄りし娘に持たす枝豆ゆでたてを/祝恵子
ゆでたてのほっくりした枝豆に母のさりげない愛情が読み取れる。立ち寄る娘のさりげなさも、自然体で美しい。(高橋正子)

●小雨。大型台風25号が沖縄から、西日本、日本海を湾曲して北日本へ。三連休も台風に。
電話あり。声ですぐ圭泉さんとわかる。圭泉さんは退会されてはいるけれど花冠のファン。「俳句四季10月号」を送る。

幾たびも台風受けて秋桜      正子
コスモスの苗が花屋に育ちけり   正子
秋冷の青き葡萄の見舞い籠     正子
秋冷の駅の灯りを山頂より     正子
箒草今朝紅らみて割れ鉢に     正子

○現の証拠(げんのしょうこ)

[げんのしょうこ/横浜・四季の森公園]   [げんのしょうこ/東京・向島百花園]

★うちかヾみげんのしょうこの花を見る/高浜虚子
★山の日がげんのしょうこの花に倦む/長谷川素逝
★手にしたるげんのしょうこを萎れしめ/加藤楸邨
★草掻き分けてげんのしょうこの花がある/高橋信之

 ゲンノショウコ(現の証拠 Geranium thunbergii)は、フウロソウ科の多年草。日本では北海道の草地や本州~九州の山野、また朝鮮半島、中国大陸などに自生する。生薬のひとつであり、植物名は「(胃腸に)実際に効く証拠」を意味する。玄草(げんそう)ともいう。茎は約30-40cmに伸び、葉は掌状に分かれる。紅紫色または白紫色の花は夏に開花し、花弁は5枚(紅紫花種は西日本に、白紫花種は東日本に多く見られる)。秋に種子を飛散させた後で果柄を立てた様が神輿のように見える事から、ミコシグサとも呼ばれる。近い仲間にアメリカフウロ、老鶴草などがある。
 ゲンノショウコはドクダミ、センブリなどと共に、日本の民間薬の代表格である。江戸時代から民間薬として用いられるようになり、『本草綱目啓蒙』(1803年)にも取り上げられた。現代の日本薬局方にも「ゲンノショウコ」として見える。但し、伝統的な漢方方剤(漢方薬)では用いない。有効成分はタンニン。根・茎・葉・花などを干し煎じて下痢止めや胃薬とし、また茶としても飲用する。飲み過ぎても便秘を引き起こしたりせず、優秀な整腸生薬であることからイシャイラズ(医者いらず)、タチマチグサ(たちまち草)などの異名も持つ。

生活する花たち「現の証拠・藤袴・萩」(東京・向島百花園)
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10月4日(木)

2018-10-04 10:07:39 | 日記

★十五夜の箱根山道踏みおりぬ  正子
ドライブウエィーでなく細い山道かと思います。十五夜の頃であれば道の両側には薄も穂を出し月光に耀いていたことでしょう。それにしましても又とない体験をされたものと思います。 (黒谷光子)

○今日の俳句
十五夜の光り差し込む青畳/黒谷光子
藺草の匂いもすがすがしい青畳に十五夜の月の光が差しむと、畳の上はきよらかな月光の世界。畳に踏む月光のすがすがしさと美しさを簡潔な句にまとめた。(高橋正子)

●曇り。台風25号沖縄に近づく。


○現の証拠(げんのしょうこ)

[げんのしょうこ/横浜・四季の森公園]   [げんのしょうこ/東京・向島百花園]

★うちかヾみげんのしょうこの花を見る/高浜虚子
★山の日がげんのしょうこの花に倦む/長谷川素逝
★手にしたるげんのしょうこを萎れしめ/加藤楸邨
★草掻き分けてげんのしょうこの花がある/高橋信之

★十月のげんのしょうこは可愛ゆしと/高橋正子
げんのしょうこは、ドクダミ、センブリなどの日本の3大民間薬として用いられる。戦後の四国に居たときのことだが、げんのしょうこを近くの空地などで採取、乾燥し、煎じて飲んだ。下痢の症状に効果があって、これも60年以上も昔の懐かしい思い出なのだが、その美しい花を見た記憶がない。げんのしょうこを「可愛ゆし」と見た率直な実感がいい。(高橋信之)

 げんのしょうこは、季語では夏。昨日10月5日、四季の森公園へ信之先生と行った。野外に出かけるときの服装は、家を出るとき少し薄着をして、涼しいくらい、寒いくらいで出かけるのが私の常。それに調整のきく服や手袋、マフラー、スカーフなどを持つ。それに山行きの服装を好んでいる。それ向きに繊維も新素材を使っているせいか、何年たっても痛みも少なく重宝している。
 四季の森には、いろいろ珍しいものも、そうでないものも咲いていた。げんのしょうこを林縁の落葉が積む中で見つけた。草丈10センチほどで、花も8ミリほど。小さかった。もう終わりなのだ。関東には白花が多いときくが、昨日も白花であった。民間薬として下痢止めに飲まれているそうだが、私は飲んだことはない。紅色にしろ、白色にしろ、可愛い花だ。
 昨日の四季の森公園は秋の花がいろいろと。吾亦紅、山とりかぶと、ノダケ、ヤブマメ、イヌショウマ、釣船草、黄釣船草、溝そば、水引草、ヒヨドリ草、彼岸花、白彼岸花、野菊(おもにはヨメナ)、葦の花、薄コスモス、キツネノマゴ(なぜマゴなのでしょう?)、アメリカセンダングサ、サンシュの実、それに林縁の縁の日陰にはきのこ類など。
 マユタテアカネという緋色のしっぽの赤とんぼ、馬追いが、ロープに止まって、カメラを近づけても飛び立たない。キリギリスがよく鳴き、つくつく法師が遠くから聞こえた。野鳥、これがなにかわかないが森に2,3種鳴くのが聞こえた。幸い昨日は、四季の森のスタッフのかたにし草の名前をいろいろ聞くことができた。山とりかぶとはこの山にたくさんあるとのこと。紫式部は見つけることができなかった。カワセミの飛翔も見た。

★かわせみ飛ぶ青の速さというべくに/高橋正子

 ゲンノショウコ(現の証拠 Geranium thunbergii)は、フウロソウ科の多年草。日本では北海道の草地や本州~九州の山野、また朝鮮半島、中国大陸などに自生する。生薬のひとつであり、植物名は「(胃腸に)実際に効く証拠」を意味する。玄草(げんそう)ともいう。茎は約30-40cmに伸び、葉は掌状に分かれる。紅紫色または白紫色の花は夏に開花し、花弁は5枚(紅紫花種は西日本に、白紫花種は東日本に多く見られる)。秋に種子を飛散させた後で果柄を立てた様が神輿のように見える事から、ミコシグサとも呼ばれる。近い仲間にアメリカフウロ、老鶴草などがある。
 ゲンノショウコはドクダミ、センブリなどと共に、日本の民間薬の代表格である。江戸時代から民間薬として用いられるようになり、『本草綱目啓蒙』(1803年)にも取り上げられた。現代の日本薬局方にも「ゲンノショウコ」として見える。但し、伝統的な漢方方剤(漢方薬)では用いない。有効成分はタンニン。根・茎・葉・花などを干し煎じて下痢止めや胃薬とし、また茶としても飲用する。飲み過ぎても便秘を引き起こしたりせず、優秀な整腸生薬であることからイシャイラズ(医者いらず)、タチマチグサ(たちまち草)などの異名も持つ。

生活する花たち「野菊・藤袴・萩」(東京・向島百花園)
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10月3日(水)

2018-10-03 09:51:30 | 日記
★秋の潮満ち来る波の触れあいて  正子
穏やかな秋の日に、潮波の触れ合う音が聞こえてくるようです。(祝恵子)

○今日の俳句
寄りし娘に持たす枝豆ゆでたてを/祝恵子
ゆでたてのほっくりした枝豆に母のさりげない愛情が読み取れる。立ち寄る娘のさりげなさも、自然体で美しい。(高橋正子)

●曇り。
『朝吹秀和句集』恵送のお礼を投函。
【句集感想】
第一句集の『青いサーベル』の印象が今でもとても強く残っておりますが、
その時は、朝吹さんが磯貝碧諦館氏の弟子であることをあまりに重く考えな
いで、拝読したように思います。今回の句集に収められました「論考・草田
男の詩精神継承を目指して」を拝読し、朝吹さんの句は、草田男ー碧諦館と
繋がる師系のなかで生まれたのであろうと思うと、俳句の構造に随分納得し
て鑑賞できました。高みのある御句にいつもながら姿勢を正される思いです。
二十年ぐらい前になりますけれども、上野で「ケルト美術展」が日本で初
めて開催されて、それを偶々見ました。そのケルトの印象が未だに強く自分
の内に残っていて、何かそういった印象のものに出会うと、それを思い出し
ます。勝手な読みですが、朝吹さんの俳句の何句かに、そのケルト的なもの
を感じました。

『夏の鏃』以後の句から好きな句を選ばせていただきます。

末枯やゴッホの燃やす日の沈む
「末枯」と「日の沈む」のもつイメージにゴッホの色やうねるような筆遣
いが様々思い浮かびました。

枯野より眠れるチェロを抱き起こす
こんな感じで始まるチェロの弦の響きが耳の底から聞こえて来るようです。
蕭条とした中の温かみのある音色。読み手に音楽を聞かせてくれて、いつも
ながら、さすがと思います。

角材の切り口香る年の暮
年の暮に木材の切り口が、よく香るのに出合った経験はしばしばあります。
冬の空気に匂う木材のかぐわしさに、新鮮さと明るさを感じます。

酢海鼠や死者と一献交わしける
一献交わすとき死者はそこに来ているのでしょう。斎藤 史の「ひつそり
と死者の來てゐる雪の夜熱い紅茶をいれましようね」を思い出しておりまし
た。

追悼 磯貝碧諦館
握る手の永遠の温もり花月夜
かたく握った手の温もりはそこに静止し、永遠に続く。最期の時は永遠の時であって、
それにふさわしい美しい花月夜です。

海鳴りの彼方の母やかき氷
「かき氷」とあるから、少年の日ころの母を思い出されたのでしょうか。「海鳴りの彼
方」の切なさが、なんともいいと思います。

○現の証拠(げんのしょうこ)

[げんのしょうこ/横浜・四季の森公園]   [げんのしょうこ/東京・向島百花園]

★うちかヾみげんのしょうこの花を見る/高浜虚子
★山の日がげんのしょうこの花に倦む/長谷川素逝
★手にしたるげんのしょうこを萎れしめ/加藤楸邨
★草掻き分けてげんのしょうこの花がある/高橋信之

 ゲンノショウコ(現の証拠 Geranium thunbergii)は、フウロソウ科の多年草。日本では北海道の草地や本州~九州の山野、また朝鮮半島、中国大陸などに自生する。生薬のひとつであり、植物名は「(胃腸に)実際に効く証拠」を意味する。玄草(げんそう)ともいう。茎は約30-40cmに伸び、葉は掌状に分かれる。紅紫色または白紫色の花は夏に開花し、花弁は5枚(紅紫花種は西日本に、白紫花種は東日本に多く見られる)。秋に種子を飛散させた後で果柄を立てた様が神輿のように見える事から、ミコシグサとも呼ばれる。近い仲間にアメリカフウロ、老鶴草などがある。
 ゲンノショウコはドクダミ、センブリなどと共に、日本の民間薬の代表格である。江戸時代から民間薬として用いられるようになり、『本草綱目啓蒙』(1803年)にも取り上げられた。現代の日本薬局方にも「ゲンノショウコ」として見える。但し、伝統的な漢方方剤(漢方薬)では用いない。有効成分はタンニン。根・茎・葉・花などを干し煎じて下痢止めや胃薬とし、また茶としても飲用する。飲み過ぎても便秘を引き起こしたりせず、優秀な整腸生薬であることからイシャイラズ(医者いらず)、タチマチグサ(たちまち草)などの異名も持つ。

生活する花たち「野菊・藤袴・萩」(東京・向島百花園)
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