俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

1月31日(日)

2016-01-31 13:04:47 | 日記
 鎌倉・報国寺
★竹林に踏み入るところ冬椿   正子
冬の竹林は冷え切っている。そんな中へ入った時見つけた椿の紅。そういえば田舎の竹やぶにもあった風景。なんだか近づいてくる春の足音を聴くような句である。(古田敬二)

○今日の俳句
やや白く割れて万朶の梅つぼみ/古田敬二
寒中の寒さに堪えて咲く梅であるが、咲く兆しが見えると非常に嬉しい。白梅の蕾に白が認められる。しかも万朶の蕾に。待春の気持ちが明るくてよい。(高橋正子)

○寒牡丹

[寒牡丹/鎌倉・鶴岡八幡宮]
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1月30日(土)

2016-01-30 11:31:38 | 日記
★竹林に踏み入るところ冬椿  正子
鎌倉の竹寺ともいわれる報国寺。見事な孟宗竹の竹林に入ろうとした時、凛と咲く冬椿との嬉しい出会い。寺苑の澄んだ空気の中、竹林との対比も鮮やかに、心洗われるような美しさの冬椿です。思いがけない冬椿の彩りは、深閑とした竹林を前に、ふと心和らぐあたたかさも感じられます。(藤田洋子)

○今日の俳句
葦原の枯れ尽くしても水の上/藤田洋子
「枯れ尽くしても水の上」は、意表をついて、新しい発見。蓮や菖蒲などは、枯れると茎や葉が折れて水に浸かってしまう。葦原の葦は、枯れながらもまっすぐに立ち、水には影を落とすのみ。なるほど、枯れ尽くしても水の上ある。(高橋正子)

○飯桐の実(いいぎりの実)

[飯桐の実/東京白金台・国立自然教育園]

★いゝぎりの実もて真赤な空ありぬ/飴山 実
★飯桐の実やどこまでも青き空/819maker

 イイギリ(飯桐、学名:Idesia polycarpa)は、ヤナギ科(Salicaceae)イイギリ属(Idesia)の落葉高木。和名の由来は、昔、葉で飯を包んだため飯桐といわれる。果実がナンテンに似るためナンテンギリ(南天桐)ともいう。イイギリ属の唯一の種。
 日本(本州以南)、朝鮮、中国、台湾に分布する。秋から冬に熟す多数の赤い果実が美しいので、栽培もされ、生け花や装飾にも使われる。雌雄異株。高さは15-20m。葉は互生、枝先に束性し、キリやアカメガシワに似て幅広い。葉柄は長く、先の方に1対の蜜腺がある(アカメガシワもこの点似ているが、蜜腺は葉身の付け根にある)。雄花も雌花も同じように黄緑色で3-5月頃咲き、円錐花序となり垂れ下がる。花弁はなく、萼片の数は5枚前後で一定しない。雄花には多数の雄蕊がある。雌花にも退化した雄蕊があり、子房上位。果実はブドウの房のように垂れ下がる。液果で直径1cmほど。熟すと真っ赤になり、多数の細かい種子を含む。果実は落葉後も長く残り、遠目にも良く目立つ。白実の品種もある。

▼朝日カルチャーセンター「カフェきごさい」より:
 明るい朱色の房になって垂れ下がるいいぎりの実は、ひときわ華やかな晩秋を演出します。いいぎり(飯桐)と呼ばれるのは、昔その大きめの葉にご飯を包んだり、盛ったりしたからといわれています。日本の中でも西では(いとぎり)ともよばれるそうです。
 南天桐という別名は、艶やかな丸い実が南天の実の色と形に似ているからでしょう。この実をつけている季節は、木が10数メートルに達する高さであることもあって一段と目立つのですが、それは人間だけでなく鳥とて同じ。遠くから実をながめて楽しもうと思っていた矢先、そこにあったはずの実が下がっていない!
 ―――花材として綺麗なままをとろうとすれば、そりゃできる限りの高さに鳥よけの網をかけて、実を守るしかないからねーーーいけばなの枝をたくさん扱っている花屋さんの話です。長ければ20センチ近くの房になり、実は秋が深くなるまで枝に残っています。大きな葉がなくなってしまえば、元の枝から切り取って水につけなくても、実は急に落ちたり、表面の皮がすぐにはしおれる事は少ないでしょう。こんな理由もあって、この時期の花展には花材としてよく見かけられます。
 木肌は確かに桐に似ています。桐から下駄やたんすが作られるのは他の木と比べると軽めだからといわれますが、この南天桐も実がついているわりに、持ってみると想像していたより軽く感じられます。実に充分に陽が当たるように、という植物本来の持っている知恵でしょうか、枝は真っ直ぐ羽を広げたように伸びています。そこに下がる房の間隔は隣の房にあまり邪魔にならないよう、絡む事のないよう、うまく配置されているかのように見えてくるのです。
 夏も終りのころのいいぎりを見た事があります。その緑の実からは、秋も深まったころの豪華に垂れ下がった姿はあまり想像できません。熟していないため実の形もほっそりとしています。でもこれはこれで面白く、魅力があります。朱赤ではなく白い実をつけた(いいぎり)もあるということですが 私はまだ見たことはありません。もしもこの時期、いいぎり南天を幸運にも見かけることができたら色と形をじっくり観察してみてください。毎日の散歩の途中、すこし首を伸ばして上をみて探してみてください。都会の真ん中でもいいぎりは意外と回りに見つかるかもしれません。鳥たちに先を越されなければ、ですが。(光加)


◇生活する花たち「蝋梅①・蝋梅②・芽柳」(横浜・四季の森公園)
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1月29日(金)

2016-01-29 11:30:04 | 日記
★あたらしき薪を傍積み暖炉燃ゆ   正子
暖炉の中の薪の炎がゆらゆらと燃え盛り、ほっこりとした優しい暖かさに包まれています。傍には新しく用意された薪も積まれ、一層何とも心豊かな安らぎを感じます。 (佃 康水)

○今日の俳句
満潮へ鴨の二陣の広く浮く/佃 康水
満ちて来る潮に向かって、二陣の鴨の群れが広がり浮かんでいる。豊かな潮と浮き広がる鴨の群れが色彩的にもよい風景である。(高橋正子)

○笑顔(はるさざんか)

[笑顔/大船フラワーセンター]

★山茶花のこゝを書斎と定めたり/正岡子規
★山茶花は咲く花よりも散つてゐる/細見綾子
★山茶花の明るき日和たまはりぬ/稲畑汀子

「笑顔」という名前に思わず頬が緩む。「春山茶花」と呼ばれるものだが、花弁がひらひら砕けて、いかにも山茶花に系を引く花らしい。ピンク色で幼子の笑顔のような花だ。言葉として「笑顔」はあまりに俗すぎるが、幼子の笑顔ならば、許されよう。

▼大人のためのツバキ情報とホームページの作り方 by SeiSuzuk「つばきノート」より:
 昔は、冬になると園芸雑誌に冬のツバキの特集があったが、現在ではツバキの記事はほとんど雑誌からなくなった。しかし、冬に大型の花が咲く花木はほとんどないので、ツバキが冬に咲く貴重な花木であることは変わりがない筈である。恐らくは、ツバキ園芸関係のオピニオン・リーダーがそうした熱意を失ったのかもしれない。
 冬のツバキといえば、カンツバキの勘次郎が有名であるが、勘次郎の花期は12月から1月初旬であり、1月下旬には終わってしまう。冬に一番花が長い品種は笑顔である。笑顔はハルサザンカである。ツバキ愛好家はサザンカをやや別種扱いするが、ハルサザンカは、サザンカとツバキの交雑種とされ、広い意味ではツバキの品種となる。ツバキの多くの品種を発表している米国のヌチオ社も、また多くのサザンカ品種を販売しており、ユーレタイドは有名な品種である。ユーレタイドは花も多く優れた品種であるが、サザンカであるので花期は初冬までである。
 庭に早春咲の花は多くは必要がないので、1本か2本あれば、冬の庭はにぎわうのである。笑顔は1月初旬から3月まで咲く、優れた品種であり、お奨めの品種である。他のハルサザンカより多花性で、大輪のピンクの鮮やかな花色は見事である。寒さで花弁が痛むことも少なく、花は咲き終わると落花するので、咲き終わった花が茶色く残ることはない。
 ハルサザンカ類は、冬季の花木として再認識されてよいと思われる品種である。
▼旅行のクチコミサイト フォートラベル「あんみつ姫さん」より:
大船フラワーセンターの椿園に行ってみました。たくさんの椿・サザンカが花開いている中、「笑顔」という名前の、可愛らしい花がたくさん咲いていました。はるさざんか「笑顔」 ピンク色した大輪の花。その名のとおり、笑顔いっぱいで迎えてくれた気がします。そのほか、藪椿・侘び助・大輪の椿など、いつもはひっそりとした椿のブースですが、この時期だけは、紅やピンク・白などの花々を咲かせ、園内を歩く人をここに招き入れているようでした。


◇生活する花たち「獅子頭(寒椿)・素心蝋梅・老鴉柿(ロウヤガキ)」(東京・小石川植物園)
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1月28日(木)

2016-01-28 16:48:50 | 吟行
★クロッカス塊り咲けば日が集う   正子

○今日の俳句
汽笛鳴るフェリーの後にゆりかもめ/高橋秀之
フェリーが汽笛を鳴らし港を出てゆく、その後を追って、真白なゆりかもめが飛んでゆく。ゆっくりとした明るい景色がよい。(高橋正子)

○楓の実(楓の種)

[楓の実(冬枯れ)/横浜・四季の森公園(2012年1月26日)]_[楓の花/横浜日吉(2011年4月13日)]

★花楓こまかこぼるる又こまか/皆吉爽雨
★苔あをし更に影置く若楓/水原秋櫻子
★沼楓色さす水の古りにけり/臼田亜浪
★花楓日の行く所はなやかに/小野房子
★通行手形持たずに通る花楓/御崎敏江
★池の面に梢ひろごる楓の実/加藤暢一
★楓の実みどりの風に乗る構へ/桐一葉
★楓の実寒禽の胸見えており/高橋正子

楓の実は、楓の花が咲くからこそ付けるものであるが、楓の花も、楓の実も見過ごされがちではないだろうか。若葉の色の中に紅暗色の小さな花をつける。若葉と花の色の対比が美しい。その実は、プロペラのようで、これもまた可愛らしい。落ちるときを目撃したことはないが、くるくる回りながら落ちるなら、まるで竹とんぼではないか。

カエデ(槭、槭樹、楓)とはカエデ科カエデ属 (Acer) の木の総称。モミジ(紅葉、椛)とも呼ばれるが、その場合は様々な樹木の紅葉を総称している場合もある。主に童、謡などで愛でられるものはそれである。赤・黄・緑など様々な色合いを持つ為、童謡では色を錦と表現している。日本のカエデとして代表されるのは、イロハモミジ (A. palmatum) である。福島県以南の山野に自生しているほか、古くから栽培も行われている。園芸種として複数の栽培品種があり、葉が緑色から赤に紅葉するものや最初から紫色に近い葉を持ったものもある。一般に高木になる。落葉樹が多く落葉広葉樹林の主要構成種であるが、沖縄に自生するクスノハカエデのように常緑樹もある。葉は対生し、葉の形は掌状に切れ込んだものが多く、カエデの名称もこれに由来する。しかし、三出複葉(メグスリノキ)や単葉(ヒトツバカエデ、チドリノキ、クスノハカエデ)のものもある。花は風媒花で、花弁は目立たなく小さい。果実は二つの種子が密着した姿で、それぞれから翼が伸びる翼果である。脱落するときは翼があるので、風に乗ってくるくる回って落ちる。


◇生活する花たち「寒牡丹」(鎌倉・鶴岡八幡宮)
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1月27日(水)

2016-01-27 16:47:58 | 日記
 早稲田大学
★枝打ちの銀杏冬芽が地に弾み  正子
一種の間引きなのでしょうか。春に備えて梢を揃え、強く育つようにと枝打ちするのでしょう。落とされた枝にも冬芽が並んでいます。みな将に春の芽に育たんと密かに力を溜めていました。そんな姿を「地に弾み」とあえて明るく詠われました。頭上には未来を託された芽が空に輝いています。(小西 宏)

○今日の俳句
波近き風自在なり冬鴎/小西 宏
鴎が波に低く飛ぶ。風は自在に波をあそばせ 鴎をあそばせている。こんな渚の風景は屈託がなく楽しい。(高橋正子)

○栴檀の実(せんだんのみ)

[栴檀の実/横浜日吉本町]

★海荒れに栴檀の実の落ちやまず 山口誓子
★橋白く栴檀の実の多きところ 中村草田男
★城址去る栴檀の実の坂下りて 星野立子
★栴檀の実を喰いこぼす鴉かな 河東碧梧桐
★栴檀の万の実揺るる戦没碑 大立しづ

 センダン(栴檀、学名: Melia azedarach)は、センダン科センダン属の落葉高木。別名としてオウチ(楝)、アミノキなどがある。「栴檀は双葉より芳(かんば)し」のことわざでよく知られるが、これはセンダンではなくビャクダン(白檀)を指す。
 樹高は5-15 mほどで、成長が早い。若い樹皮は紫褐色で楕円形の小さな横斑が点在するが、太い幹の樹皮は縦に裂け、顕著な凹凸ができる。夏の日の午後は梢にクマゼミが多数止まり、樹液を吸う様子が見られる。葉は奇数2-3回羽状複葉で互生し、一枚の葉全体の長さは50 cm以上ある。小葉は草質で薄い。楕円形で浅い鋸歯がある。5-6月頃に、若枝の葉腋に淡紫色の5弁の花を多数、円錐状につける。花にはアゲハチョウ類がよく訪れる。なお、南方熊楠が死の直前に「紫の花が見える」と言ったのはセンダンのことと言われている。
 果実は長径1.5-2 cmほどの楕円形の核果で、10-12月頃に黄褐色に熟す。秋が深まり落葉してもしばらくは梢に果実が残る。果実は果肉が少なく核が大きい。たまにヒヨドリなどが食べに訪れる。しかしサポニンを多く含むため、人、犬が食べると中毒を起こし摂取量が多いと死に至る。

▼ヒヨドリとセンダン(栴檀)の実 (気楽に山歩き、バードウォチング[2009/12/11]より転載)
 今年の1月10日に石神井公園にオオハクチョウが来ているという情報がTVで報道されていたので見てきました。
残念ながらその日はどこかにお出かけ中で出会ませんでしたが、ハシビロガモやゴイサギ等を見たので茶店でお茶を飲んでから帰ろうとした時ヒヨドリたちが賑やかに集まっている木がありました。それがセンダンの木でした。ヒヨドリたちが競うようにしてその実を食べたり、急いで嘴にくわえて飛び去ったりしていました。これはヒヨドリの大好物と思いました。
 青空をバックにセンダンの実を食べようとヒヨドリたちがホバリングをしたり、イナバウアースタイルをしたり、パクついたりする姿は初めて見る楽しい光景でした。
 この日の人出は多く、撮影を始めるとカメラをぶら下げた人たちが「何を撮影しているのですか?」と口々に聞いてきます。「センダンの実を食べるヒヨドリは見たことがなかったので撮影してます。」「珍しいのですか?」「そう思います。」「それじゃ。私も」と次々に集まってきて、10数人の撮影部隊が出来上がってしまいました。ヒヨドリもこれには驚いた様子ですっかり警戒しだし、どこかに姿を隠して、隙を見て飛んで来ては実を盗むようにして飛び去ります。後からの皆さんは一寸、タイミングを外してしまったようです。

◇生活する花たち「蝋梅・冬菊・さんしゅゆの実」(横横浜・四季の森公園)
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1月26日(火)

2016-01-26 12:55:34 | 日記
★大寒の水道水の真すぐ落つ   正子

○今日の俳句
瀬戸海を区切りて冬の牡蠣筏/迫田和代
穏やかな瀬戸内海ではあるが、冬は寒々として黒く浮かぶ牡蠣筏が力強く印象的である。その様子が、瀬戸海を「区切りて」となる。もとの句は、「区切るか」と疑問の「か」を用いているが、俳句では、率直に自分の気持ちを述べるのがよい。(高橋正子)

○つつじの冬芽

[さくらつつじの冬芽/東京・小石川植物園]  [つつじの冬芽/横浜・四季の森公園]

★冬芽無数に明日を信じる素朴な目/高島茂
★風呂の蓋立てかけ干して冬芽垣/岡本眸
★全山の冬芽のちから落暉前 能村研三
★火事近しつつじの冬芽呼びおこす/久保東海司

▼冬芽(ふゆめ、とうが)
秋になって葉の落とした落葉樹は、翌年の春の芽吹きのために早くも準備を始めている。近づいて枝の先っぽをよく観察してみると小さな芽を見つけることができるが、これが「冬芽」。(ちなみに、常緑樹にも「冬芽」は見られる。)そして、硬い鱗片で覆われているものを「鱗芽(りんが)」、芽がむき出しで毛などで覆われているものを「裸芽(らが)」といって、それぞれの方法で冬の寒さや乾燥から芽を守っている。(「冬芽図鑑 by 吉野・大峰フィールドノート」より)
▼ドウダンツツジ(ツツジ科)の冬芽
8~10枚の芽鱗に包まれた卵形の冬芽が互生します。側芽は発達せず頂芽だけが大きくなります。
▼さつきとつつじの違い
いわゆる「さつき」は、花もですが葉も小さいです。つつじは種類も多いですが、道路の歩道の植え込みなどに使われている普通の「つつじ」「さつき」で比較しても、葉についてはつつじの葉は長さ5~7cm、巾約1.5cm、光沢がなく、葉の裏側は服などに付着し易いく、子供がワッペンの替わりにして遊びます。一方[サツキツツジ]の所謂[皐月:サツキ]の葉は、長さ2~3cm、巾も6mm程度、表側の光沢はつつじとは別種かと思うほどです。一般に「つつじ」と言われる方は落葉性で、「さつき」と言われる方には常緑樹が多いようです。ツツジは4~5月頃紅色、ピンク、絞りなどの花をつけ、俳句の季語は[春]なのに対し、さつきの季語は[夏]なのです。サツキの名前は陰暦五月皐月に咲くところからきていますが、こちらはツツジよりやや遅く5~6月頃、真紅、淡い紅色、ピンク、絞りなど多様な花をつけ、小さい花で特に真紅の色はサツキらしい色だと思います。ツツジ・サツキとも低い植え込みや他の樹種と一緒に[大刈り込み]などにします。(「教えて!goo」より)


◇生活する花たち「寒桜・房咲き水仙・鈴懸の実」(神奈川・大船植物園)
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1月25日(月)

2016-01-25 12:54:24 | 日記
★寒厨卵も餅も白ほのと  正子
寒中の空気には冷たさと同時に清浄さがあります。冷えた台所にあるお餅の白さにそうした清らかさを感じておられる様子がうかがえます。(多田有花)

○今日の俳句
大寒の薄き日差しのなか歩く/多田有花
「薄き日差し」は、大寒でなくても経験することだが、大寒であることで、清浄な日差しを感じる。(高橋正子)

○ミモザの花蕾

[ミモザの蕾/横浜日吉本町]  [ミモザの花と蕾/横浜日吉本町]

★邂逅やミモザ咲く坂上りつつ/草間時彦
★教会の仰げばミモザの花たわわ/戸田菜穂
★狭くなく広くもなき庭ミモザ咲く/竹酔郎
★教会へ続く坂道ミモザ咲く/浜元さざ波

葉に刺激を与えると古代ギリシアの身振り劇ミモス"mimos"(マイム、パントマイムの前身)のように動くことからこの名がついた。ラテン語本来の発音はミモサ、英語発音はマモゥサあるいはマイモゥサとなり、日本語のミモザはフランス語発音に由来する。ここから以下のような転用により語義が広がっている。
オジギソウ(本来のミモザ)。 フサアカシア(ミモザ)は、マメ科オジギソウ属の植物の総称(オジギソウ属のラテン語名およびそれに由来する学名がMimosa)。フサアカシア、ギンヨウアカシアなどのマメ科アカシア属花卉の俗称。イギリスで、南フランスから輸入されるフサアカシアの切花を"mimosa"と呼んだ事から。アカシア属の葉は、オジギソウ属の葉によく似るが、触れても動かない。しかし花はオジギソウ属の花と類似したポンポン状の形態であることから誤用された。今日の日本ではこの用例がむしろ主流である。


◇生活する花たち「冬椿・冬の梨園・冬田」(横浜市緑区北八朔)
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1月24日(日)

2016-01-24 12:45:41 | 日記
★雲刷かれ梅の冬芽の枝真すぐ/高橋正子

○今日の俳句
富士山と冬夕焼の中に居る/川名ますみ
富士山はいつもしっかりと座っている。さびしさもあるけれど、あたたかさのある冬夕焼けに包まれて過ごすとき、大きく、偉大なものといる安心感がある。(高橋正子)

○寒木瓜

[寒木瓜/横浜日吉本町(2013年1月23日)]_[寒木瓜/横浜日吉本町(2012年12月5日)]

★近江路や茶店茶店の木瓜の花/正岡子規
★木瓜咲くや漱石拙を守るべく/夏目漱石
★木瓜の花こぼれし如く低う咲く/大谷句仏
★寒木瓜の蕊のぞきたる花一つ/阿部ひろし
★寒木瓜の刺の鋭き女坂/増田栄子
★寒木瓜を見つけし後の足軽し/819maker(ブログ俳句の風景)

★丘晴れていて寒木瓜の赤の濃し/高橋信之
★今青空に冬木瓜の実の確とあり/高橋信之
★寒木瓜の紅色深きをいぶかしむ/高橋正子

 ボケ(木瓜)は、バラ科の落葉低木。学名Chaenomeles speciosa(シノニムC. lagenaria)。花:3~4月に葉よりも先に開く。短枝の脇に数個つき径2.5~3.5cm。色は基本的に淡紅、緋紅。白と紅の斑、白などがある。実は花梨のように大きな黄色い実がつく。樹高:1~2m。枝:若枝は褐色の毛があり、古くなると灰黒色。幹:樹皮は縦に浅く裂け、小枝は刺となっている。葉:長楕円形・楕円形。長さ 5~9cmで鋭頭でまれに鈍頭。基部はくさび形で細鋭鋸歯縁。
 寒木瓜と木瓜と同じ品種だが、ふつうは3月から4月に咲くのに対して、11月頃から咲き出す花は、春に開花するものと区別するため「寒木瓜(かんぼけ)」と呼ばれることがある。木瓜と同属の植物にクサボケ(草木瓜、Chaenomeles japonica 英名Japanese quince)がある。50cmほど。実や枝も小振り。本州や四国の日当たりの良い斜面などに分布。シドミ、ジナシとも呼ばれる。花は朱赤色だが、白い花のものを白花草ボケと呼ぶ場合もある。日本に自生するボケはクサボケといわれる同属の植物。果実はボケやカリン同様に良い香りを放ち、果実酒の材料として人気がある。減少傾向にある。
 花言葉は「先駆者」「指導者」「妖精の輝き」「平凡」。原産地:中国大陸。日本に自生するボケはクサボケといわれる同属の植物。


◇生活する花たち「獅子頭(寒椿)・藤冬芽・老鴉柿(ロウヤガキ)」(東京・小石川植物園)

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1月23日(土)

2016-01-23 19:50:28 | 日記
★寒椿そよげる竹の葉にふれて  正子
年が明け少しづつ日が長くなるなるにつれ、寒椿も咲き初めます。寒椿と竹の葉のふれる景色は、冬ざれの寒くて荒涼とした中にも、ほのかな春の予感を想わせて風情を覚えます。(桑本栄太郎)

○今日の俳句
<鴨川・四条大橋>
曇り来る遙か鞍馬や雪もよい/桑本栄太郎
四条大橋からの眺め。空が掻き曇る思えば遥か鞍馬は雪催いのようだ。鞍馬へと思いが馳せ、動きのある句となった。(高橋正子)

○梅開花

[紅梅/横浜日吉本町(2014年1月11日)]  [白梅/横浜日吉本町(2014年1月22日)]

★竹柵の青き香りに梅開花/偕楽園好文亭
★梅開花一輪晴れのうれしさに/高橋信之
★開きたる梅一輪のかく尊とし/高橋正子

この寒中、花を探すが花はなく、何もかもが皆蕾。カメラを持って、蕾ばかりを撮っている。しかし、日脚も伸びた実感がするきのう今日、梅の蕾が白くなったのが、ちらっと見える。明日か、今日かと、花の開くのを期待して出掛ける。大方は、まだまだであろうと。ある日は、雨の降る前は、錯覚かもしれないが、蕾の梅を取り巻く空気が匂っていた。その後は、さっぱり匂わないが。けれども、期待はするものだ。一月二十七日、遠目に一輪梅が開いているのに気付く。横浜の梅の開花としては早い。梅一輪が咲いた場所は、後ろにお屋敷があり、民家に囲まれてはいるが、日当たりのよい風のさほど当たらない場所だ。南紀の温かさが保障されているのかもしれない。たった一輪の梅を方向をいろいろ変えたり、爪立ちしたりて映した。

 梅の開花前線
 和歌山県南部に位置する月向農園では、1月下旬~2月に梅が開花します。南北になが~い日本列島!あなたの処ではいつ頃かな?梅は百花に先駆けて咲き、桜などに比べ休眠が浅いために開花時期が天候によって大きく左右されます。
 高温・適湿・多照の年は開花時期が早まり、乾燥の激しい年や気温の低い年はやや遅くなります。また、品種によって多少差があります。寒い中、いち早く春の訪れを知らせる梅の花は、1月下旬~5月上旬まで、約3ヶ月間かけて、ゆっくりと日本列島を北上します。


◇生活する花たち「烏瓜・いいぎりの実・蒲の穂絮」(東京白金台・国立自然教育園)

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1月22日(金)

2016-01-22 13:35:39 | 日記
★手袋に手を入れ五指を広げみる   正子
礼装としても用いるが、冬季手や指を寒さから防ぐために愛用される手袋に手を通し、五本の指を力いっぱい広げてみる作者。今年の冬もこの手袋があれば寒さもものともせず、外出できると安堵している作者を見ることが出来ます。(小口泰與)

○今日の俳句
夕映えの湖へ着水大白鳥/小口泰與
夕映えの湖に大白鳥が羽を広げて、シルエットのように着水する。着水の水しぶきがきらめく。大白鳥の存在感に固唾を呑むような素晴らしい光景だ。(高橋正子)

○毬栗

[実の落ちた栗の毬/横浜四季の森公園(2012年1月26日)]_[青栗の毬/横浜市緑区北八朔(2011年8月7日)]

★誰も手に触れざる栗の毬置かれ 稲畑汀子
★毬栗を蹴つて日暮れの村となる/小澤克己
★毬栗や祖母に優しく叱られし/大串章
★毬栗に袋かぶせてありにけり/高橋将夫
★栗の毬そだちはじめし小ささよ/阿部ひろし
★毬栗の落ちてすとんと暗くなる/杉浦典子
★栗の毬心の毬と踏みしだく/中尾廣美
★峡の子の足もてさがす栗の毬/江頭信子
★栗の毬掌に水平にのせにけり/大東由美子
★毬栗を剥くに大事や鎌と足/田中英子

 クリの雌花の集まりは雄花の穂の基部につきます。雌花は普通3個集まって鱗片のある総ほうに包まれています。受精が済むと総ほうが発達し雌花全体を包み込んだ、いわゆる「いが」になります。実が熟する頃になると四裂し実が現れます。“いがより栗”“いがも中から割れる”といった「いが」に関したことわざもあります。前者は“痛い「いが」より中のおいしい栗が良い”ということから、ガミガミ怒る人よりもご馳走してくれる人(甘いことを言う人)の方が良い、という意に、後者は実を固く包んでいる棘のある「いが」も秋になると自然に割れることから、人も年頃になると自然に色気が出て熟れることを意味しています。以前は栗の「いが」を天井に播いてネズミ除けにしていましたが、現在は「いが」に含まれるタンニンを利用した草木染めに使われるだけになりました。 


◇生活する花たち「寒桜・房咲き水仙・鈴懸の実」(神奈川・大船植物園)
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1月21日(木)

2016-01-21 19:41:44 | 日記
 早稲田大学
★学生喫茶ジャズと会話と暖房と  正子
楽しくなってきます。早稲田大学には 喫茶室があるのですね。、暖房の中で、ジャズを聴きながら、学生たちの話がはずんでいる様子が伺えます。 (祝 恵子)

○今日の俳句
ラディッシュの水を通せばなお美し/祝 恵子
ラディッシュの紅色はそれ自体で美しいが、水に放てば、さらに紅色がみずみずしく美しくなる。小さなことだが、これも生活の楽しさ。(高橋正子)

○寒菊

[寒菊/横浜日吉本町] 

★寒菊や粉糠のかかる臼の端 芭蕉
★寒菊や古風ののこる硯箱 其角
★霜の菊杖がなければおきふしも 嵐雪
★寒菊やしづがもとなる冬座敷 土芳
★寒菊や村あたたかき南受 子規
★寒菊の小菊を抱いて今日ありぬ 亞浪
★寒菊やつながれあるく鴨一つ 水巴
★寒菊にいぢけて居ればきりもなし みどり女
★寒菊は白き一輪狸汁 青邨
★わが手向け冬菊の朱を地に点ず 多佳子
★寒菊に憐みよりて剪りにけり 虚子
★冬菊のまとふはおのがひかりのみ 秋櫻子
★我に返り見直す隅に寒菊赤し 汀女
★弱りつつ当りゐる日や冬の菊 草城
★寒菊にふれし箒をかるく引き 立子
★寒菊に文字生きしまま灰の紙 静塔
★寒菊の臙脂は海の紺に勝つ 風生
★寒菊の雪をはらふも別かな 犀星

 大辞林 第三版の解説では、寒菊は、冬に咲く菊の総称。霜に強く,花は小輪で観賞用に栽培される。冬菊。
 デジタル大辞泉の解説では、寒菊は、菊の一品種。花も葉も小形。霜に強く、12月から翌年1月にかけて黄色い花を咲かせる。こがねめぬき。しもみぐさ。
 web茶花歳時記の解説では、キク科の多年草。菊の一品種。中国原産。開花期によって春菊、夏菊、秋菊、寒菊とわけ、一般的に12月から1月に咲くものを寒菊と呼ぶ。花期が他のキクの仲間に比べて遅く、寒くなってから咲くので寒菊の名があり、秋咲きのコギクを改良したもので、丈も低く、花つきも少ない。霜にあって葉が色づいたものを照葉(てりは)といい、葉が紅葉した寒菊を、照寒菊(てりかんぎく)といい、風情があるのでその時を好んで使われる。 ただ、永禄7年(1564)に堺の茶人 直松斎春渓が筆録した 『分類草人木』 には 「花ニ不生花アリ、太山樒ナドノ様ナル盛リ久シキ花嫌也。花柘榴モ不入。寒菊ノ葉ノ紅葉シタル不入。」、貝原益軒の元禄7年(1694)『花譜』に「寒菊 葉も花も常の菊より細なり。十月に黄花を開きて、臘月に至る。花なきときひらく故、花賞するに堪たり。京都は寒き故、其葉もみぢして、葉もみるに堪たり。菊と同類なれども、花の時節かはる故に、別に記す。」とある。


◇生活する花たち「蝋梅・冬菊・さんしゅゆの実」(横横浜・四季の森公園)
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1月20日(水)

2016-01-20 19:35:43 | 日記
 石鎚山
★雪嶺の座りし空のまだ余る  正子
かなり大きな山塊と見受けられます。雪を被ってその山塊がさらに大きさを増し、晴れた青空の下に座っています。空の大きさと山の大きさ、姿の大きな御句です。(多田有花)

○今日の俳句
強霜のなか登校の児童たち/多田有花
児童たちは、雨の日も、風の日も、寒さ極まる日も、登校するのだが、強霜の朝も例外ではない。霜で道路も厳しい硬さ。その上をなにか浮いたように体も硬くなって歩く。(高橋正子)

○冬の梨園

[冬の梨園/横浜市緑区北八朔]        [花の梨園/横浜市緑区北八朔]

★梨園の今寒中の静けさに/高橋信之
★梨棚に白とも言えぬ花咲けり/高橋正子

 梨の花と林檎の花が同時くらいに咲いた。これは、瀬戸内にある生家の庭と竹藪の話である。梨は、多分鑑賞用に、長十郎が庭に、林檎は竹藪の端に、何のためかあった。梨は実を付けたが、林檎は花を咲かせるだけだった。冬はそれぞれ、雪が降る日も、氷雨の日も、木枯らしが吹く日も、枝ばかりであった。それでも冬の終わりを告げる節分のあと、子どもながら、これらの花が咲くまだまだ先の日を思って暮らした。私が冬が好きなのは、こういう春のことを思えることも一つである。

 冬はもっぱら剪定です。剪定とは、古くなった枝を取り、来年実をならせる枝、樹が力をつけるための枝など、一本一本の樹の状態を見て決め、配置していくのです。みなさんもお気づきかと思いますが、梨園の天井には格子状に針金が設置されています。梨の樹は本来、上へ上へと伸びていくのですが、作業がしやすいように、針金の棚に縛っていくのです。剪定の手順としては、まず、電動の剪定ハサミとノコギリで、いらない枝を切り落とします。
あまりにも量が多いので、機械を使わないと疲れますし、腱鞘炎になってしまいます。そのあと、間隔を空けて枝を配置する場所を決め、棚に縛っていきます。使うひもは、植物性繊維の土に還るものを使用しています。縛った後は、樹の切り口に薬を塗っていきます。これは、菌が入らないようにし、癒合を早めるためです。剪定は時間がかかり、一日に5,6本できたらいい方です。梨の樹は400本…。これを3月いっぱいで終わらせなければいけません。冬の間も忙しいのです。こうして3月後半になると、花芽が開き始めます。(web「下田梨園*冬の梨園のお仕事*」より)
 しょうぶの梨100年記念園(しょうぶのなし ひゃくねんきねんえん)は、埼玉県久喜市が設置、管理・運営する公園である。このしょうぶの梨100年記念園は1994年(平成6年)3月に完成した公園である。この公園は「菖蒲の梨」が歩んできた歴史を記念すると同時に、五十嵐八五郎の功績をたたえて整備されたものである。園内には旧南埼玉郡菖蒲町(現:久喜市菖蒲区域)の梨の歴史が彫刻された碑文や、俳句の碑・短歌の碑などが彫刻された石碑が所在している。このほかあずまやが所在しており、小規模な梨園も整備されている。(ウィキペディア)


◇生活する花たち「辛夷の花芽・水仙・千両」(横浜日吉本町)

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1月19日(火)

2016-01-19 19:33:57 | 日記
★日は燦と冬芽の辛夷生かしめて  正子
陽の光りを浴びて、冬を越す辛夷の芽のいのちが生き生きと輝いています。やがて春にほころぶ辛夷を思い、未来への希望を明るく抱かせてくれる御句です。(藤田洋子)

○今日の俳句
一路澄み石鎚見ゆる寒の晴/藤田洋子
行く手の一路の道が澄んで、その先に雪を冠った石鎚山が見える。寒晴れがくれたすっきりと、晴れやかな景色。(高橋正子)

○冬桜

[冬桜/横浜日吉本町]

★冬櫻飛ぶ鳥の影当りけり 宮津昭彦
★冬桜日当りて花増えてきし/大串章
★一葉の晩年日記冬桜/深見けん二
★冬桜咲いては空を曇らしむ/有働亨
★咲きつづくほかなき白さ冬桜/山田弘子
★冬ざくら朝日しづかに射しわたる/阿部ひろし
★陵や静もる朝の冬桜/青木政江
★冬桜日差せば母と在るごとし/松田雄姿
★汲みたての水ほのめくや冬桜/三橋迪子
★この深き空の青さよ冬桜/西山美枝子

★冬桜咲きいて空の美しき/高橋信之
★冬桜風受けやすき丘に咲く/高橋信之
★冬桜見ている眼を風が過ぐ/高橋正子
★冬桜どれも高くて雲に見る/高橋正子

 冬桜は、元日桜、寒緋桜などの別名がある。桜にはめずらしく緋色をしているが、一般には、冬にさく桜を冬桜と呼んでいる。
 冬桜として印象が深いのが、鎌倉報国寺にあるもので、緋色ではなく、桜色をしたもの。外国人が、枝にほちほちと咲いた小さな桜をいとおしそうに、目を近づけて見ていた。そのあと、私も近づいて眺めたが、消え入りそうに、でも確かに咲いている。あまり多く花をつけないのが見どころであろう。背景に青い空があると、いかにも、儚く美しい。
 冬桜は、バラ科サクラ属の落葉高木で、学名は Prunus x parvifolia cv.Parvifolia。「オオシマザクラ(P. speciosa)」と「マメザクラ(P. incisa)」との種間交雑種と考えられている。江戸時代の後期から栽培され、「コバザクラ(小葉桜)」とも呼ばれている。冬桜と同様に、秋から冬にかけて咲く桜に「十月桜」がある。冬桜と同じバラ科サクラ属。秋や冬に、「季節はずれに桜が咲いてるな」というときは、この十月桜であることが多い。十月桜も含めて、秋から冬にかけて咲く桜のことを総称して「冬桜」と呼ぶこともある。


◇生活する花たち「十両(やぶこうじ)・百両(からたち)・千両」(東京白金台・国立自然教育園)
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1月18日(月)

2016-01-18 18:26:58 | 吟行
★冬桜どれも高くて雲に見る/高橋正子
寒空に冬桜が咲いている。見上げれば、ほつほつと咲く花はどれも雲と同化しているようにみえ、心は温まります。 (祝恵子)

○今日の俳句
ラディッシュの水を通せばなお美し/祝恵子
ラディッシュの紅色はそれ自体で美しいが、水に放てば、さらに紅色がみずみずしく美しくなる。小さなことだが、これも生活の楽しさ。(高橋正子)

○辛夷の花芽

[辛夷の花芽/横浜日吉本町(2013年1月12日)][辛夷の花蕾/横浜日吉本町(2012年3月25日)]


★晴ればれと亡きひとはいま辛夷の芽/友岡子郷
★風の日の白の際立ち花辛夷/鷹羽狩行
★朝空のすでにおほぞら花辛夷/林誠司
★墓のみとなりしふるさと辛夷咲く/山田暢子
★夕空にさざなみたちぬ花こぶし/貞吉直子
★こぶし咲く坂登りゆくバスの数/辻のぶ子
★花辛夷やまびこゆきてかへるかな/坂田和嘉子
★花辛夷朝の光りにふるへ咲く/勝又寿ゞ子
★人を待つ辛夷の光見上げつつ/高橋正子

 コブシ(辛夷)の花芽(広島市植物公園2月14日)
 辛夷の花芽が柔らかくひかっていた。開花期は地域の気候に左右され3~5月と幅がある。自分の住む広島県西部の山に自生しているのは、「コブシ(辛夷)」ではなく「タムシバ(匂辛夷)」だから、これは植栽されたものである。両者にほとんど違いはないが、辛夷は花の付け根に小さな葉が一つついているのに対し、タムシバの場合は葉がつかない。この地方では4月上旬に開花することが多い。いっせいに咲いて咲き終わり、また山に紛れてしまう。(ブログ「山野草、植物めぐり」より)

 コブシ(辛夷、学名:Magnolia kobus)は、モクレン科モクレン属の落葉広葉樹の高木。早春に他の木々に先駆けて白い花を梢いっぱいに咲かせる。別名「田打ち桜」。


◇生活する花たち「蝋梅・冬桜・さんしゅゆの実」(横横浜・四季の森公園)


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1月17日(日)

2016-01-17 17:53:40 | 日記
 早稲田大学
★学生喫茶ジャズと会話と暖房と  正子
最近の様子はよく知らないが、寒いこの季節暖房のよく聞いた喫茶店に学生たちが大勢やってきておしゃべりに興じている。店内に流れるジャズのりずむが若者たちの熱気を投影しているようだ。平易な詠みでこの季節の風物がたくみに表現されている。共感を呼ぶ御句と思います。 (河野啓一)

○今日の俳句
寒晴れの朝日に鵯のやって来て/河野啓一
「朝日に鵯がやって来る」というのがいい。力強く鳴く鵯の声と朝日の明るさが生気に満ちている。(高橋正子)

○寒林

[寒林/横浜・四季の森公園]          [寒禽/横浜・四季の森公園]

★冬木立いかめしや山のたたずまひ 才磨 
★斧入れて香におどろくや冬木立 蕪村 
★郊外に酒屋の蔵や冬木だち 召波 
★冬木だち月骨髄に入る夜かな 几董 
★冬木立烏くひきるかづらかな 闌更 
★寒林の日すぢ争ふ羽虫かな/杉田久女 
★学園の寒林の中牧師棲む/松本たかし 
★牛乳の噴きこぼれをり冬木立/長谷川櫂 
★野の入日燃えて寒林の道をはる/水原秋桜子

★寒禽となり了んぬる鵙一羽/竹下しづの女
★寒禽の叫び古墳の揺るるほど/大串章
★寒禽の声の飛び交ふ雨の中/片山由美子
★寒禽の声はお隣かも知れぬ/稲畑汀子
★影と来て影一点となる寒禽/豊田都峰  
★寒禽の嘴をひらきて声のなき/長谷川櫂

★寒林を行けばしんしん胸が充つ/高橋正子
★寒禽の止まりし枝の丸見えに/高橋正子

寒林とは、冬枯れの、寒々とした林。(デジタル大辞泉の解説)
「寒いですね」というと「寒中だから」という。そう云われれば、冬であり、寒中だから寒さも厳しくて当り前なのでしょう。これで気温が35℃もあったりしたら「どうなってっの」と気候変動を心配しなければなりません、寒くていいのでしょうね。寒林、冬木立が寒に入った状態だそうですが、あえて説明するならば「葉を落とし尽くしてしまった落葉樹の冬の林の蕭条(しょうじょう)したさま」ということになるようです。木だって寒いでしょうから(?)、寒くないように家の中に入れてあげました。すこしでも温かくなるようにというささやかな気持ちなのですが「小さな親切大きなお世話」なのかもしれませんね。やはり、冬木立、冬木群(ふゆこむれ)は自然のままがいいようです。(ブログ「as time goes by」より)


◇生活する花たち「獅子頭(寒椿)・藤冬芽・老鴉柿(ロウヤガキ)」(東京・小石川植物園)
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