雨のち曇り。
二の酉の熊手の稲穂まだ匂い 正子
二の酉の熊手にありぬ小さき絵馬 正子
二の酉の熊手に稲穂ぐいと差し 正子
句美子が酉の市で熊手を買って来てくれた。二の酉で、目黒の大鳥神社に参ったとのこと。熊手には稲穂がさしてあるが、もひとつおまけに稲穂を差してもらっている。大きな熊手は、4,50万円もしているとのこと。大鳥神社は小さい神社で、赤ん坊や幼児などは、人につぶされそうだったという。縁起物を売る店や屋台は参道に並んで、境内は狭くて店が入れないそうだ。
句美子によると、私は祭り好きとのこと。婿さんは、そうは見えないがと言っているが。
私が祭り好きかどうかは疑問だが、祭りを見たり、屋台をぶらぶらして、アセチレンガスや裸電球の下の風船だの金魚だの、綿菓子や、アイスクリンなど見たり食べたりするのがすきなので、する側ではない。田舎では、祭りは東から順番にやってくる。親戚が違う村にあれば、そこへ出かけてまた祭り見物やごちそうになる。山車や神輿、神楽、神社のある場所もそれぞれで、面白いのだ。子供のころ、これと言って楽しいことが田舎になかったから祭りが面白かっただけのように思える。