俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

7月31日(日)

2011-07-31 06:49:16 | Weblog
★冬瓜にさくっという音のみありぬ  正子
大きく武骨でユーモラスな形の冬瓜、包丁を入れるとさくっという音がします。冬瓜そのものは無味無臭でまさしく「さくっという音のみありぬ」です。しかし、料理次第でどんな風にもなるところが冬瓜の大物たるところでしょうか。 (後藤あゆみ)

○今日の俳句
弧を描く夜汽車の灯り大夏野/後藤あゆみ
平野の果を走る夜汽車の灯が弧を描いてみえるのは、さすが「大夏野」。(高橋正子)

○向日葵
 わが家から東へ数軒先に毎年決まって向日葵を咲かせる家がある。小さな用事の外出に通りすがりに見上げて楽しむ。この家には、2年ほど続けて2メートル以上になる「木立ダリア」が咲いていたが、何の花だろうと、これも見上げて楽しんだ。背丈の高い花がお好きなようだ。

最近大輪の向日葵を見ることが少なくなった。子どものころの向日葵は大輪だった。種が実ると重くて頭を垂れた。この大輪が「ロシア向日葵」だということを、はるか昔、たぶん中学生のころだろうが、知った。ロシアンケーキ、マ-マレードを入れる紅茶、ロシア民謡など、ロシアのイメージの一つとして記憶していた。それを、今日ここで思い出した。

向日葵の原産地は北アメリカ西部で、ネイティブアメリカンの食用作物だったとのこと。食用向日葵に、ノースクイーンとか、アメリカンスナックという品種があるらしいが、もっともなこととうなづける。が、私のイメージは、向日葵は東欧かロシアの花のイメージが強い。食用向日葵の種子の生産の先進国は、ロシアとのこと。理由は、ロシア正教のものいみの食品制限で、油脂食品の禁止食品に向日葵が入っていなかったので、ロシアで盛んに栽培されたとのこと。こういうこともあるのか。

丘をなす一面の向日葵畑は、ロマンティックな叙情がある。ゴッホの向日葵も有名だ。ゴッホの向日葵は、向日葵とその背景の色彩が、さすがゴッホと思わせる素敵な色だ。これは大輪ではない。花瓶に活けられた向日葵もまたよい。

 向日葵の蘂を見るとき海消えし     芝 不器男
 ゴッホの向日葵切りとられ切口を見せ  高橋信之
 向日葵に空の青さがあり余る      高橋正子
 向日葵の丘ひろびろと雲の旅      小西 宏 

◇生活する花たち「向日葵」(横浜日吉本町)

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7月30日(土)

2011-07-30 06:48:14 | Weblog
★熟れきってまるきトマトの冷やされし  正子
中夏から晩夏にかけてまるまると大きく熟した真っ赤なトマトが滔々と流れくる水を受けた樽の中でころころとまわりながら冷されている景は涼しそうですね。夏の素敵な景色ですね。(小口泰與)

○今日の俳句
湖へ虎杖の花咲きいそぎ/小口泰與
湖のほとりに虎杖の花が咲き急いでいる。夏が短い北国を思わせる。虎杖の花は小さく白い。散れば葉に埃がかかるように散る。夏の短さも、花のもろさも、みな移ろいやすさでえある。(高橋正子)

○小諸と上田
ホトトギスと自由律の中間派といわれた「石楠」を大正4年に創刊した臼田亜浪は、信州小諸の生まれで、私たちの「花冠」は、この師系に連なる。亜浪の軸物が古美術商でも扱われる。東京千駄木の「ふじもと」の藤本洋子さんもそういったお茶道具や軸物を扱うお一人で、信之先生にときどき電話がかかってくる。先日は、臼田亜浪筆、桃太郎画賛の俳句を読んでもらいたい、との依頼で、句は、「廣ヽの草に伸びあがる小松の穂」であった。このなかの「草」の字がなかなかユニークで判読できなくて、お困りだった。後日、お軸のお嫁入り先がきまりましたとのお知らせをいただいた。
小諸は、花冠の誌友と吟行で訪ねたこともあるが、その隣町の上田は、真田十勇士で有名であって、千駄木の藤本洋子さんは、そこのご出身である。上田の銘菓「くるみそば」を藤本洋子さんに頂いた。いかにも山国らしいお菓子で、白あんをそば粉で包み、砕いた胡桃をまぶした棒状にした饅頭。これを、1,2センチほどに切ってお茶といただくと、美味しい。蕎麦も胡桃も信之先生の好物なので、思いかけなく美味しい判読料となった。

◇生活する花たち「白百合・桔梗・小豆の花」(横浜日吉本町)

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7月29日(金)

2011-07-29 06:47:23 | Weblog
★わが視線揚羽の青に流さるる  正子

○今日の俳句
沢蟹や水音絶えぬ作業場に/安藤智久
沢蟹は、梅雨のころからしきりに出歩く。水音の絶えずしている作業場にも赤い爪を振って沢蟹が現れ、作業場の景色が涼しく、作業にも弾みがつきそうだ。(高橋正子)

○黄昏
7月28日、バスとトイレをいつもより念入りに掃除し、床を拭き、そしてバスにお湯をため、夕飯は天婦羅を揚げることにして、黄昏どき、日吉本町5丁目あたりへ写真を撮りに出かけた。幸いに、猛暑のあとに台風6号が訪れ、去ったあとには、避暑地ほどの涼しさが舞い降りた。今日も曇りで時折気づかないほどの雨粒が落ちるが降りもしない。4時25分、正確には黄昏前、西に傾いた太陽の在り処が薄雲を透けて確かめられる。

黄昏に何をする当てがあろうか。何もしないでよいのであろう。あの人は誰かしらと顔もよくわからないが、という時間。人生の黄昏ともいう。写真を撮るのが目的で片や名目で、やるべき仕事はあっても、それは家に置いてきて、5丁目あたりを風に吹かれながらパカパカのシャツを着て歩く。団地の坂を上ると、ランタナの白い花がふんだんに垂れている。左手のグレーがかったタイルの家には、北側の部屋にオレンジ色の灯が点っている。その家の横を覗いてわかった。高いがけの上に建っている。この家は、本町駅前を走る道路から見ると、ちょうど農家の花梨の木の上のほうにある。私が一人勝手に、ユトリロの家と名づけている家だ。

 ユトリロの絵に似て雨の花梨の実 正子

この家がなければ、ユトリロなど思いも着かなかったろう。この家の北側の道を通るときは、いつも部屋にオレンジ色の灯りが付いている。撮りたい花もあるが、やたらにシャッターを押すものどうかと、いつも撮らずに通り過ぎる。その家の角を曲がれば、春には満作が咲いていた家がある。白い壁が歳月が経って灰色がかって、小粋な窓がある。今日は、ななかまどの青い実が成っていた。ユトリロの家とこの家はもう秋の気配が漂っている。

黄昏はただ一人歩くだけ。団地には人ひとりいない。ミンミン蝉にまじり、つくつく法師が鳴いている。竹藪のはずれの桜かなにかの木にいるのだろう。葛が生い茂る様を写真に撮る。もしや、気づかぬところに葛の花が写っているかもと期待して。丘にある5丁目は、まだ荒地もある。月見草の原っぱがあるが、どれも凋んでいる。中学校には、マリーゴールドが元気よく咲いている。青桐に実が成っているいるので、写真に撮るとストロボがたかれた。もう、確かに黄昏がやってきた。ライオンズマンションの下に公園がある。その上に保育所があって、泣きながら母親に手を引かれて帰る女の子がいる。おかあさんは、機嫌をとらないのかしら。ただ、だまって、怒りもしないし、なにも言わないで、手を引くだけ。太ったお父さんが自転車でやってきて、保育所の門を開けて中に入っていった。お母さんが幼い子をおんぶしてあわただしく出てきた。

もう、引き返そう。坂をくだる途中の塗装屋さんの塀から白い桔梗が覗いている。金柑の白い花が咲いている。狭い歩道を若い小柄な娘さんが携帯を見ながらすたすた歩いて、追い抜きそうになる。だから道を譲ってあげる。坂を下ると日吉本町駅前の通りに出る。知り合いが向こうでにこっとするので手を降る。民家に睡蓮鉢がある。そうだ、金蔵寺にもう、蓮が咲いているかもしれない。行こうかと思ったが、あそこは、午後5時きっかり、山門を閉めてしまう。もう5時はとっくに過ぎて、6時20分。ならば、まっすぐに家に帰ろう。

たそがれ。古くは「たそかれ」。「誰(た)そ彼(かれ)は」の意味。ネットで黄昏を調べていて、面白い箇所にあたった。

<松浦寿輝著  「物質と記憶」より
(吉田健一は)
黄昏とは荒廃した衰滅の時刻ではなく、昼間の光のすべてを同時に湛えたもっとも豊かな時刻であることを強調する。黄昏の光線に「魅力があるのはこれが一日のうちで最も潤いがあるものだからである」と彼は言う。>
この吉田健一は、吉田茂の長男。外交官時代の吉田茂について英国にも暮らしている。「物質と記憶」は、フランスの哲学者ベルクソンの主著の一つだが、吉田健一の黄昏について引用した松浦寿輝著「物質と記憶」は、(読んでいないのだわからないが)日本文学論のようだ。

「黄昏」のイマージュは、ベルクソンで言えば、どうなんだろう。物質と記憶の間の表象。

◇生活する花たち「ランタナ・紅蜀葵・白槿」(横浜日吉本町)

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7月28日(木)

2011-07-28 06:46:21 | Weblog
 ドイツの旅平成2年夏
★ラインのぼる巨船の人の裸かな  正子
川風がよほど気持ちよかったのでしょう。川を行く船の上で裸になっている人がいる。想定外でちょっと驚いてしまいますね。(上島祥子)

○今日の俳句
立つものは向日葵ばかり畑の昼/上島祥子
真夏の昼の畑は、南瓜が地を這い、茄子は低く育ち、小葱なども葉が白けて、立ってるものは、向日葵ばかり。それだけに向日葵の姿が独特に浮かび上がる。(高橋正子)

◇生活する花たち「カンナ・朝顔・百日紅」(横浜日吉本町)
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7月27日(水)

2011-07-27 05:39:46 | Weblog
★初蝉は一蝉遠く鳴いて止む  正子
待っているとなかなか聞けない初蝉の声です。遠くからひと声、じーと聞こえて、それで終わり、少し拍子抜消したような-気分です。やかましく鳴き出すのは2,3日さきかもしれませんね。 (河野啓一)

○今日の俳句
空晴れて祭り太鼓の試し打ち/河野啓一
「試し打ち」に、祭への張り切りようが想像できる。「空晴れて」なので、思い切りの試し打ちだろう。まだ不調子があれば、本番でない面白さと思える。(高橋正子)

◇生活する花たち「百日紅・蓮①・蓮②」(横浜日吉本町金蔵寺)
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7月26日(火)

2011-07-26 05:37:58 | Weblog
★白すぎて花おおらかに泰山木  正子
泰山木はモクレン科、直経20cmはあろうかという大きな白い花を開きます。その花の雰囲気を「白すぎて」と「おおらか」で見事に詠まれています。 (多田有花)

○今日の俳句
月涼し静かに夜を渡りおり/多田有花
「月涼し」と感じる月は、「静かに」夜を「渡る」ところにある。平明な描写に、作者の心境にの「涼しさ」が出ている。(高橋正子)

◇生活する花たち「百日紅・のうぜんかづら・カンナ」(横浜日吉本町)
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7月25日(月)

2011-07-25 05:36:34 | Weblog
★枇杷の実のあかるさ葉ごと買いにけり  正子
まるまるとした黄赤色の枇杷の実、葉の付いた新鮮な枇杷の実、そのあかるさが、とても美味しそうで幸せな気持ちにさせてくれます。「買いにけり」にうれしい喜びの気持ちが伝わってまいります。 (藤田裕子)

○今日の俳句
飛機の灯も遠のき後は星涼し/藤田裕子
星空を動く飛行機の灯が遠くへ去り、その後は、満天の星が、涼しげに輝く。飛行機の灯があればこそ、永久に輝く星の明かりが美しく心に残る。(高橋正子)

◇生活する花たち「百合・朝顔・白粉花」(横浜日吉本町)





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7月24日(日)

2011-07-24 06:50:57 | Weblog
★ゆうすげに月まだ淡くありにけり  正子
「ゆうすげ」のひびきが素敵ですね。ゆうすげは夕方から黄色い気品の有る花が咲き始めますがその頃はまだ月は淡く、宵闇に咲き誇る頃には月もくっきりとゆうすげを照らすのでしょうか。そして朝露に濡れ萎れ始める。「月まだ淡し」が一日花のゆうすげのけなげさを一層印象ずけられて居る様に思います。(佃 康水)

○今日の俳句
噴水のしぶきや児らを走らせる/佃 康水
噴水のしぶきを避けながらも、喜々として水に濡れたり、水から逃げたりする幼い子たちの無邪気な姿がよく詠めている。(高橋正子)

◇生活する花たち「百日紅・向日葵①・向日葵②」(横浜日吉本町)

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7月23日(土)

2011-07-23 06:49:23 | Weblog
★漂白されすずしき食器となりいたり  正子
こすっても落ちない茶渋や黒ずみは気になります。漂白液に浸し、しばらくすると食器はきれいに甦り、それを洗い流すのは実に気持ちが良いものです。台所を守るささやかな喜びを見逃さず、清潔感、清涼感を「すずしき」と詠まれ、共感致しました。(後藤あゆみ)

○今日の俳句
まだ青き稲穂の匂い確かなる/後藤あゆみ
早い田植えなら、八月を待たずに稲穂が出ている。まだ青い稲穂ながら、確かな匂いがする。しっかりと実りつつある稲である。「青き稲穂」のイメージが爽やか。(高橋正子)

○槿(むくげ)

 白槿十年たちまち過ぎていし  正子

槿は、朝咲いて夕方にはしぼむ。お茶席の花としてよく活けらもする。先日千駄木の骨董屋の女主人が亜浪の句について信之先生に聞いて来た折に、骨董の竹籠に槿としま萱を活けた写真を送ってこられ、だれかをお茶にお招きしたい気分だと書き添えてあった。お茶の花ともなるが、どこにでも咲いている。
この句は、砥部の田舎で学生が来たり、ドイツ語の先生が来たり、子どもの友達がわっさわっさときたり、句会の人たちが出入りしたり、掃除、洗濯、庭の手入れ、などなど、雑多なことに明け暮れて、ある朝、白い槿を見て、十年なんてすぐ終わってしまうと思ったとき出来た句だ。

 道のべの木槿は馬にくはれけり 芭蕉

◇生活する花たち「槿」(横浜日吉本町)

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7月22日(金)

2011-07-22 06:48:01 | Weblog
★うっすらと平らに緋鯉の浮いて来し  正子
少し濁った緑の池にゆったりした王者の泳ぎの緋鯉です。その静かな様子を「うっすらと平らに浮いて来し」の措辞で、スローモーションの映像を見るように平明に詠まれました。かそけき詩情を感じます。 (河野啓一)

○今日の俳句
雲海に沈みし谷や奥丹後/河野啓一
奥丹後の谷は、今雲海に沈んで、緑滴る谷であろうことを想像させ、奥丹後の谷への思いがある。(高橋正子)

○朝顔
 台風のすぎし朝顔青一輪 正子
 今朝もまた朝顔が一輪咲いた。毎朝の家族の楽しみにベランダの鉢植えで花を咲かせてくれる。

 朝顔の濁り初めたる市の空    杉田久女
 朝顔むらさき海に裏側みせて棲む 桂 信子

 朝顔は、鉢植えにして行燈作りにするか、四つ目に竹を組んで垣根を作って咲かせてきた。最近はネットに上らせているが、風情がなくていけない。四つ目の垣に咲き上ると、花はみんな表を向いて、裏側からは、葉ばかり眺めることになる。でも、外からみれば、すずしい花がいくつも咲いて、きれいなのだ。

 桂信子の「海に裏側みせて」は、海の見えるベランダで咲かせたときは、まったくこの通り。久女の句は、朝顔が涼しい時にさいているのは、ほんのひととき。すぐに市の空は煙ったように濁り初め、じりじりと暑くなる。朝の終わりを咲く朝顔か。

○インターネット俳句センター/制作管理:高橋正子
<Googleの検索>で<約 14,40万件中4位>となる。初めてのことで、今までは、6位、7位止まり。今日は、株式会社 角川学芸出版【俳句】、NHK 俳句王国、現代俳句協会、日本伝統俳句協会などを抑えての4位なのが嬉しい。
「インターネット俳句センター」は、開設が1996年11月27日、間もなく開設15年となり。この8月か、9月には、アクセス百万件となる。俳句では、草分けの存在。
http://suien.ne.jp/haiku/

○アクセスランキング/4日連続ランク入り
2011.07.21(木):7927 位(1610602ブログ中)、538(閲覧数)、205(訪問者数)
2011.07.20(水):9540 位(1610253ブログ中)、392(閲覧数)、172(訪問者数)
2011.07.19(火):9065 位(1609874ブログ中)、383(閲覧数)、171(訪問者数)
2011.07.18(月):6926 位(1609492ブログ中)、591(閲覧数)、199(訪問者数)

◇生活する花たち「朝顔」(横浜日吉本町)

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7月21日(木)

2011-07-21 06:46:55 | Weblog
★泳ぎ子の母呼び父と沖にいる  正子

○今日の俳句
鮎焼く香大黒柱の黒光り/古田敬二
大黒柱が囲炉裏の油煙で黒光りしている民家であろう。そこに落ち着いて、鮎を火にかざして焼くと香ばしい匂いがして、良い時間が流れる。(高橋正子)

○アクセスランキング/3日連続ランク入り
2011.07.20(水):9540 位(1610253ブログ中)、392(閲覧数)、172(訪問者数)
2011.07.19(火):9065 位(1609874ブログ中)、383(閲覧数)、171(訪問者数)
2011.07.18(月):6926 位(1609492ブログ中)、591(閲覧数)、199(訪問者数)

3日連続ランク入りは、ブログ開設以来初めて。これもツイッターのお蔭だと思う。ツイッターの情報が世界を駆け巡っている。
ブログだけでは、間に合わない感じだ。問題があるにはあるが、「ブログ句会」を「ツイッター句会」に思いきって、切り替えてよかったと思う。やや若い世代の情報(俳句)をキャッチできる。

▼花冠ツイッター集/Twilog
http://kakan.info/twitter/
▼デイリー 俳句新聞/ツイッター新聞
http://paper.li/haikucurrent

◇生活する花たち「昼顔とキンシバイ・向日葵・南天の花」(横浜日吉本町)

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7月20日(水)

2011-07-20 06:45:45 | Weblog
★松林に白百合まばら富士裾野  正子

○今日の俳句
高速路青田青嶺を貫いて/多田有花
高速道路は、人家を避けて建設されているので、青田の中や、青嶺を突っ切っている。そこを走れば、爽快この上ない。(高橋正子)

○サッカー日本女子代表「なでしこジャパン」W杯優勝(FIFA 女子ワールドカップ ドイツ2011)
▼6月27日(月)、7月1日(金)、7月5日(火)
グループリーグのグループBで2勝1敗の2位、決勝トーナメント に進出。
▼7月9日(土)
決勝トーナメントの準々決勝でドイツに1対0で勝利。
▼7月13日(水)
準決勝では、スウェーデンに3対1で勝利。
▼7月17日(日)
決勝は、米国に2対2のPK戦で3PK1で勝利、世界一となる。

海外の報道と日本の報道の違いに注目する。準々決勝では、世界一の三連覇を狙う地元開催国のドイツに勝利したが、日本の報道が少ない。海外の報道に劣るもので、信之先生は、憤慨していた。決勝を勝ち取った日の報道は、ドイツ、米国など絶賛、かって米国と決勝を争い、世界一とはならなかった中国の報道も絶賛していた。日本に見習え、という報道であった。以下、ツイッターに寄せられたツイートを紹介する。

澤選手のあるコメント
アメリカでは美談として流れているものの
何故か日本では報道や掲載されないのだ

日本語コメントの英訳を再び和訳する事に違和感ながら
日本のマスゴミが報道しない為にあえて和訳する

http://sports.yahoo.com/soccer/news;_ylt=AmArrRdFEVrJjWgo3hlE1WA5nYcB?slug=ro-rogers_japan_win_pay_tribute_tsunami_071711

澤選手のコメント:
“We knew that what we were doing here could be about a little more than just a football tournament. If winning this makes one person, someone who lost something or someone or was hurt or damaged by the events that touched our country, feel better for even one moment, then we have really achieved a most special thing. If it makes everyone happy and joyful and gives them a reason to cheer after such difficult times, then we have been successful. Japan has been hurt and so many lives have been affected. We can not change that but Japan is coming back and this was our chance to represent our nation and show that we never stop working. This is like a dream to us and we hope our country shares it with us.”

「我々のしていることは、ただサッカーをするだけではないことを、意識してきた。我々が勝つことにより、何かを失った人、誰かを失った人、怪我をした人、傷ついた人、彼らの気持ちが一瞬でも楽になってくれたら、私達は真に特別な事を成し遂げた事になる。こんな辛い時期だからこそ、みんなに少しでも元気や喜びを与える事が出来たら、それこそが我々の成功となる。日本は困難に立ち向かい、多くの人々の生活は困窮している。我々は、それ自体を変えることは出来ないものの、日本は今復興を頑張っているのだから、そんな日本の代表として、復興を決して諦めない気持ちをプレイで見せたかった。今日、我々にとってはまさに夢のようで有り、我々の国が我々と一緒に喜んでくれるとしたら幸いです」



ちなみに
今日の試合は両チーム共にフェアプレイで有り
(倒した選手が倒れた選手の手を取って立たせる)
(そもそも明らかな反則がない等)

アメリカのゴールキーパーは
日本人選手と衝突し、足を負傷していた
残り時間が限られてのリード時
ケアの為に時間を割く事を拒み
時間稼ぎという戦法より
正々堂々と勝負することを望んだ

“— どうして報道しないんだろうねー、ほんとに。マスコミがこれを大したことのないものと考えているんだったら一体どれだけの人間の真摯な姿勢がただのエンタメに変えられているんだろうか。 TwitLonger: 澤選手のあるコメント アメリカでは美談として流れているものの 何故か (via carbondoubt)

◇生活する花たち「槿」(横浜日吉本町)

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7月19日(火)

2011-07-19 06:44:38 | Weblog
★大朝焼車一台ずつ染まる  正子
作者が目にしたのは、ぼんやりとした朝焼けではない。燃えるような紅黄色が東の空からじわりと広がり、太陽に近い車から1台ずつ深く染められていくのであろう。夏の太陽のエネルギーをその色に感じる。(安藤智久)

★すずしさに星座の話読みつなぐ  正子
縁台に腰掛け、物干しに立ち、涼を求めて空を仰いだ夏の日々を懐かしく思い出します。夏の夜は遠い歴史、遠い宇宙に思いを馳せる広やかな時間でもあります。(小西 宏)

○今日の俳句
★青田から青田をつなぐ水の音/藤田洋子
青田に流れ込む水は、水源から小川へ、そして、それぞれの田へ分けれた水。「つなぐ」が的確で、どの田も青々と育っている。(高橋正子)

★向日葵の黄がひろびろと丘をなす/小西 宏
丘一面に広がるひまわり畑。向日葵の黄の色が空に触れるまでにひろびろと丘をなしている外国のような風景が鮮やかだ。(高橋正子)

○さるすべり)(百日紅)
さるすべりには、白、赤、ピンクの花がある。赤とピンクの色は、微妙に違った花が見られる。夏の間、夾竹桃と並んで咲き継ぐのが「さるすべり」。幹がつるつるして木登り上手な猿が滑り落ちるから、こんな名がついたのか。四国松山に住んでいた頃、わが家の庭の真ん中にあったのが、薄紫に近いピンク。風が吹けばフリルのような花がこぼれる。真っ青な空も、炎昼の煙るような空にも似合う。

 女来と帯纏き出づる百日紅   石田波郷
 煙むほどの高き空なり百日紅  高橋正子

○緑陰ネット句会/7月17日開催
今日も一日暑い日でした。その中、緑陰ネット句会にご参加くださいまして、ありがとうございました。
今回は、会員以外にもお二人がご投句くださって、新しい雰囲気になりました。ネット句会なので、気軽に参加いただけることもあるでしょうが、花冠句会のファンができたことはうれしいことです。会員のみなさまにも、盛夏の力作をたくさんご投句いただいて、暑い暑いと言いながらも、夏もやっぱりいいなあ、と思いました。選とコメントをありがとうございました。すべての入賞俳句にコメントが付くということは、大変素晴らしいことですので、これも皆様に感謝です。洋子さん、いつも集計をありがとうございます。お疲れ様でした。信之先生には、管理運営を暑さの中、お世話になりありがとうございました。これで「緑陰ネット句会」を終わります。次回は、8月14日(日)の盂蘭盆(満月)ネット句会です。楽しみにしてお待ちください。(主宰 高橋正子)

信之先生、正子先生、ご参加の皆様、今日も各地で真夏日の中、「緑陰ネット句会」お世話になりありがとうございました。連日厳しい暑さが続きますが、その中でも皆さんの、盛夏ならではの明るく生き生きとした俳句、緑陰句会に相応しい、涼やかな情感あふれる俳句に、しばしの憩いを感じさせていただきました。24名の皆さんのご投句、また選句やコメントも楽しませていただきました。今回も、句会の開催、管理運営をお世話いただく信之先生、正子先生に心よりお礼申し上げます。暑さの折ですので、皆様、どうぞご自愛ください。(世話人 藤田洋子)

▼緑陰ネット句会入賞作品
http://blog.goo.ne.jp/kakan15

◇生活する花たち「百日紅」(横浜日吉本町)
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7月18日(月)

2011-07-18 06:40:29 | Weblog
★しがみつくかなぶん捨てて衣を畳む  正子
日常のひとこまを詠まれた可笑しみがあり、口元がゆるみます。取り込んだ洗濯ものにかなぶんがとまっている、あの足の先はまさに「しがみつく」で、つまんでもなかなか離れません。それをエイヤッと捨てて何ごともなかったように畳むのですね。私は虫が嫌いですが、かなぶんは憎めず触れますので、楽しませていただきました。(後藤あゆみ)

○今日の俳句
夜店に掬う赤き金魚を子が持てり/後藤あゆみ
夜店で掬う金魚は、たいてい赤か黒だが、敢えて「赤き金魚」と表現したので、涼しい赤い色が目に浮かぶ。「子が持てり」にば楽しさや可愛らしさが読みとれる。(高橋正子)

○おしろいばな
おしろいばなは、白粉花と書く。秋の季語。熱帯アメリカ原産であるということだが、古くに渡来したせいか、夕涼みのころの日本的情緒のある花と思ってきた。それも昭和の白い割烹着の母を思わすような花と。

白粉花咲けり昭和の母の花/正子

今日の緑陰ネット句会が終わって、暑さも収まる5時過ぎに日吉本町六丁目にある西量寺へ行った。目的は、白粉花の写真を撮るため。西量寺は、天台宗のこじんまりしたお寺で、石垣の上にある。近づけば、民家の屋根より少し大きいかなというぐらいの屋根がすぐ目に付く。

寺の屋根西は西日の色に照り/正子

お寺の石垣の裾を埋めて白粉花が咲いてほのかな香りが漂う。白粉花といえば、理科でならった遺伝の
法則を思いだすのだが、優性遺伝、劣性遺伝とあって、どちらかが遺伝する。普通は、赤い花と白い花を交配すると、白か赤かになる。ところが、白粉花は、ピンクになるというようなこと。西量寺の白粉花も長年同じ場所に種がこぼれて生えるのだろう、白に赤い斑があるものがたくさん見られた。純粋に白、純粋に赤というのが少ない。石垣の裾は夕方はちょうど日陰になって、日中の猛暑はどこへ去ったのかと思うほど、涼しい風が吹いていた。ほのかな香りがするのも、白粉花らしい。白粉花はまだ花が咲いているときから黒い種ができて、子どもがそれを割って中の白い粉を出し、白粉にして遊ぶ。子どもにも好まれる花と言えるのだろう。

白粉花妻が好みて子も好む/宮津昭彦

子ども時代の戦後を思い出すが、妻も子も慎ましさがあった。貧しいときであったが、個々のことを言わなければ、暗い時代ではなかった。扇風機さえも無い家が多かったから、夕方には縁台を出して、夕涼みをした。西瓜を食べたり、花火をしたり、星を見たり。垣根の根元には、白粉花が咲いていた。白粉花は、ちゃんとした場所ではなく、垣根の下や、ごみなどを焼く畑の隅に咲いた。種がこぼれて年々そこに花を咲かせるようになるのが多いからだろう。

白粉花も朝顔も秋の花なのだと、この猛暑に思う。ずっと秋口まで咲いてくれる。朝咲く花と夕咲く花を夏の花にしておくには、慎ましすぎる。

○全国俳誌協会のホームページ
私が、全国俳誌協会のIT事業部長の役目を引き受けて、IT事業部のブログを立ち上げました。信之先生を初めに、小西宏・藤田洋子・多田有花・高橋秀之・安藤智久・後藤あゆみの各氏にスタッフとして、快く協力していただけることになりました。現在のところ、信之先生が、「全国俳誌協会」のウェブサイトの骨格をを作ってくださり、内容を充実していく途中にあります。

全国俳誌協会は、昭和39年、見学玄氏を初代会長に設立されました。設立メンバーの一人、池田草舎氏は、「流派・傾向を越えた懇話会的な俳句サロン」を目指したと書き残しています。「協会(association)」の意味に添ったものと言えます。設立総会には、130誌が展示されたとあります。現在全国で出版されている俳誌は800誌を超えていますが、俳誌協会には今32誌が加盟しています。

現在全国俳誌協会のウェブサイトは、次のような特徴をもっています。
①電子書籍化された雑誌、句集が18冊あります。内訳は、機関紙「俳句展望」第150号、第151号の2冊。俳誌では、「銀杏」(242号5月刊)、花冠8月号(通巻332号)、「東京広軌」(平成二十二年度下院作品集3月刊)句集では、高橋信之句集「旅衣」を始め13冊。これらが、ネット上で電子書籍として読めるわけです。

②次に「Twitterの公式」ツイートボタンをつけました。花冠では、ツイッター句会を行っていますが、東日本大震災のとき、また最近では、ローマ法皇がツイッターでお説教をしたなど、多方面で活用されているものです。

③「談話室」と「コラム」には、加盟各誌からのピックアップしたエッセイ、ミニエッセイなどがあります。

俳誌協会のウェブサイトの項目の表面に現れているだけを印刷しても、A4用紙28枚になります。それらの内容のリンクをクリックしてすると、開設三週間足らずで、すでに膨大な量となっています。

これらの特徴は、全国俳誌協会の設立趣旨に添ったもので、ITの活用で趣旨に合う効果が発揮できるものと思います。現代俳句協会、俳人協会、伝統俳句協会にない特徴になっています。加盟各誌の相互交流、会員相互の交流のために、協会のウェブサイトが効を発すると思います。精々ご活用ください。

http://www.zenkoku-haishi.info/

◇生活する花たち「白粉花」(横浜日吉本町)
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7月17日(日)

2011-07-17 05:39:43 | Weblog
★夕焼けを海に分かちて平らな沖  正子
あれほど一日中暑かった陽射しも、夕焼けとなって海に落ちる今は少し和らぎ、少しほっと安堵の作者です。夕凪の海に傾く夏の太陽が眼の前のことのように想われ、素敵な一句です。(桑本栄太郎)

○今日の俳句
青無花果草の香りと交ざりけり/桑本栄太郎
無花果は、いまでは、見捨てられたような草地の畑の育っていることが多い。青無花果の匂いと、夏草の匂いは共に青い匂いながらも、確かに違って、交じって匂う。(高橋正子)

○アクセスランキング
・7月16日のアクセス数 閲覧数:422PV 訪問者数:179IP
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・2011.07.15(金) 769 PV 220 IP
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◇生活する花たち「のうぜんかずら」(横浜日吉本町)
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