俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

1月12日(金)

2018-01-12 22:57:57 | 日記
 藤沢
★きらきらと靴かがやせ冬の坂  正子
藤沢は遊行寺坂を想い、拝読しました。冬の坂を往くのは、おそらくハイヒールでもブーツでもなく、正しく歩くためのスニーカーでしょう。斜めに指す冬の日が足もとを照らし、その健康的な歩みが「きらきらと」日を返しながら、進みます。洒落た景色の中に、強さがうかがえる、美しい御句と存じます。 (川名ますみ)

○今日の俳句
凧揚の空に続く多摩川の空/川名ますみ
多摩川の河原は、野球場やテニスコート、広場などがある。広場には風もあって、凧揚げには格好の場所。揚がる凧には、そこの空だけでなく、多摩川の空の続きがある。(高橋正子)

●寒気と倦怠感、咳と痰。熱がないと思っていたが測ってみると37°8.喘息の予防薬と、咳、痰の薬、ルルの栄養ドリンクを飲んで休む。悪寒がずっとしていたので、熱が続いていたみたいだ。

俳句界の結社広告3月号の原稿4句をメールする。月1回の月例句会の投句と毎日のデイリー句会の投句より選ぶ。デイリー句会は、ありきたりの句も多いが選択すれば、緊張感がある句が見つかりほっとする。

福田医院で信之先生の眼科の紹介をしてもらう。センター北眼科。今日午後診察に行く予定を明日午前に伸ばす。

○檸檬(レモン)

[レモン/横浜日吉本町]

★檸檬青し海光秋の風に澄み/西島麦南
★冷蔵庫レモンスライス蔵ひ置く/宮津昭彦
★レモン切るより香ばしりて病よし/柴田白葉女
★嵐めく夜なり檸檬の黄が累々/楠本憲吉
★暗がりに檸檬泛かぶは死後の景/三谷昭
★舌平目半切檸檬絞りけり/能村研三
★恋ふたつレモンはうまくきれません/松本恭子
★レモンはいつも人を信じている彩だ/徳永操

 レモン(檸檬、英語: lemon、学名: Citrus limon)は、ミカン科の1種で、柑橘類の1種の常緑低木。またはその果実のこと。原産地はインド北部(ヒマラヤ)。樹高は3mほどになる。枝には棘がある。葉には厚みがあり菱形、もしくは楕円形で縁は鋸歯状。紫色の蕾を付け、白ないしピンクで強い香りのする5花弁の花を咲かせる。果実はラグビーボール形(紡錘形)で、先端に乳頭と呼ばれる突起がある。最初は緑色をしているが、熟すと黄色になり、ライムにもよく似ている。
 レモンは柑橘類の中では四季咲き性の強い品種である。鉢植え・露地植えのいずれでも栽培が可能であるが、早期の収穫を目指す場合は鉢植えの方が早く開花結実する。栽培品種の増殖は主に接木・挿し木で行なわれる。日本での栽培地は主に、蜜柑などの柑橘類の栽培地と同じである。
 主に果汁を食用に利用する。非常に酸っぱく、pHは2を示す。レモンを絞るには専用のレモン絞り(スクイザー)が用いられることが多い。薄く輪切りにした果実は、紅茶の風味付けにしたり(レモンティー)、切り込みを入れてグラスの縁に差し、コーラなどの炭酸飲料やカクテルの飾りにされる。
 レモンを題材とした作品に、梶井基次郎『檸檬』:主人公が檸檬を爆弾にみたて、丸善を爆破する幻想に駆られる物語、さだまさし『檸檬』:梶井の小説をヒントにしつつ、舞台を御茶ノ水に置換え、青春時代の恋愛の無常さを描いた楽曲、ヨハン・シュトラウス2世 『レモンの花咲くところ』(シトロンと訳す場合もあり)、高村光太郎 『レモン哀歌』妻智恵子との死別を書いた詩、などがある。


◇生活する花たち「冬桜・水仙・万両」(横浜日吉本町)

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1月11日(木)

2018-01-11 12:02:42 | ネット句会
★寒林を行けばしんしん胸が充つ  正子
冬枯れた寒林のなかを歩きながら冬の気を胸一杯に満喫しておられる作者です。「しんしん」の表現がじつにぴったりと共感を以て読み手の胸に響いてきます。(河野啓一)

○今日の俳句
さわさわと光と影を水仙花/河野啓一
水仙に日の光りが当たると、花にも葉にも影ができる。日のあたるところはより輝いて、当たらないところは静かに深く影ができる。その光と影が「さわさわ」とした印象なのは、水仙の姿から受け取られるものであろう。(高橋正子)

●自由な投句箱、5日分溜まっていた秀句を選びコメントをする。

風邪で喉の痛みと咳。倦怠感は薄れるが、ほっこりと寝ていたい。金柑が食べたくなった。
しかし、マーキスのLigetime Awarsdのために信之先生のレジメを送らなければない。気が重いのだ。

○金柑

[金柑/横浜日吉本町]             [金柑/東海道53次藤沢宿]

★金かんや南天もきる紙袋 一茶
★乳児泣きつつ金柑握り匂はしむ/加藤楸邨
★金柑を煮てぬくもりし妻の頬/小林康治
★金柑のありたけ点る観音堂/高澤良一
★金柑は黄に仏塔は金色に/佐野五水
★金柑のほほ笑みを掌につつむなり/田村 實
★金柑の一樹とありし少年期/宮地玲子
★金柑の甘煮に移る日ざしかな/井上 雪

 キンカン(金柑)は、ミカン科キンカン属 (Fortunella) の常緑低木の総称。別名キンキツ(金橘)。中国の長江中流域原産で、英語などの「Kumquat」もしくは「Cumquat」は「金橘」の広東語読み「gam1gwat1 (カムクヮト)」に由来する。
 果実は果皮ごとあるいは果皮だけ生食する。皮の中果皮、つまり柑橘類の皮の白い綿状の部分に相当する部分に苦味と共に甘味がある。果肉は酸味が強い。果皮のついたまま甘く煮て、砂糖漬け、蜂蜜漬け、甘露煮にする。甘く煮てから、砂糖に漬け、ドライフルーツにすることもある。果実は民間薬として咳や、のどの痛みに効果があるとされ、金橘(きんきつ)という生薬名でいうこともある。果皮にはヘスペリジン(ビタミンP)を多く含む。観賞用として庭木として植えられることも多い。剪定に強いので生垣や鉢植え、盆栽にもできる。広東省や香港では、旧正月を迎える際に柑橘類の鉢植えを飾ることが多く、キンカンも好まれる。


◇生活する花たち「蝋梅①・蝋梅②・さんしゅゆの実」(横浜・四季の森公園)

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1月10日(水)

2018-01-11 11:59:29 | ネット句会
★初旅にみずほの山の青を飛び  正子
飛行機での新年の華やぎの有る今年初めての旅。日本の国の素晴らしい山。富士山でしょうか。その神々しい山を眼下にみて今年の素晴らしさひと時を感じている作者。素敵な句ですね。(小口 泰與)

○今日の俳句
冬落暉瞳に残し帰宅せり/小口 泰與
冬落暉のイメージとしてその荘厳さが目に浮かぶ。今日の無事を思い、明日もそうであることを願う落暉を自分の心に取り込んだ思いがよい。厳しい寒さの一日の終わりなればこそ。(高橋正子)

○葉牡丹

[葉牡丹/横浜日吉本町]

★葉牡丹のおごる葉のありしづむあり/吉岡禅寺洞
★葉牡丹にうすき日さして来ては消え/久保田万太郎
★葉牡丹やわが想ふ顔みな笑まふ/石田波郷
★葉牡丹の一枚いかる形かな/原石鼎
★二株の葉牡丹瑠璃の色違ひ/西山泊雲
★葉牡丹の深紫の寒の内/松本たかし
★紫も白も葉牡丹雪被り/高橋正子

ハボタン(葉牡丹 Brassica oleracea var. acephala f. tricolor)は、アブラナ科アブラナ属の多年草。園芸植物として鮮やかな葉を鑑賞するが、観葉植物より一年草の草花として扱われる事が多い。名前の由来は、葉を牡丹の花に見立てたもの。 耐寒性に優れ、冬の公園を彩るほか、門松の添え物にも利用されるが、暖地では色づかず、寒地では屋外越冬できない。様々に着色した葉が、サニーレタスのように同心円状に集積した形態のものを鑑賞する。大別して葉に葉緑体以外の色素を持たない品種と、赤キャベツ同様に色素(アントシアニン)を持つものがあり、一定以下の低温に晒されてから出葉すると葉緑素が抜け、白やクリーム色、または紫、赤、桃色等に色づく。 それまでに分化した葉が周縁部を緑色に縁どり、着色した中心部の葉とのコントラストが美しい。主に冬期の花壇やプランターなどで、屋外栽培される。花は黄色で4-5月に開花するが、観賞の対象とされず、薹が立つ前に処分されてしまうことが多い。 但し、近年は薹が立って(節が伸びて)葉の密集した形態が崩れた状態を愛でる人もある。 また、多年草として育てれば樹木のような枝を出し、それぞれの枝の先端にハボタンがついた姿(踊りハボタン)となる。


◇生活する花たち「椿・野葡萄・くこ」(横浜市都筑区東山田)
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1月9日(火)

2018-01-08 23:12:34 | ネット句会
★蝋梅を透かせて空は大いなる  正子
蝋梅は寒い時期に咲きます。いい香りもします。我が家の蝋梅、庭師さんが入った時枝を切られましたが残っていたつぼみが正月に開きました。ご近所には何軒か大きな蝋梅があり間もなく咲きます。蝋梅の花弁は黄色い蝋のように透き通って咲きます。見上げる蝋梅の向こうの空は晴れあがって広がり、蝋梅の美しさをひきたててくれます。(古田敬二)

○今日の俳句
寒禽の影滑る野に鍬を振る/古田敬二
野に懸命に鍬を振っていると、寒禽の影が滑っていった。土と我との対話があって、寒禽がそれに色を点じて景がたのしくなった。添削は、「冬禽」を「寒禽」として、鳥のイメージを際立たせ句に緊張感をもたせた。(高橋正子)



○沈丁花の蕾

[沈丁花の蕾/横浜日吉本町(2013/01/06)]_[沈丁花の花/横浜日吉本町(2012/03/11)]

★沈丁花どこかでゆるむ夜の時間/能村登四郎
★疲れゐて沈丁の香をすぐまとふ/加倉井秋を
★沈丁花の赤き蕾や路地晴れて/廣瀬雅男
★沈丁の蕾びっしり立ち止る/芝尚子
★沈丁花香り待つ日の紅蕾/成木文作
★沈丁の蕾の明日を待つことも/高橋信之
★卒業のときが近づく沈丁花/高橋正子

沈丁花は、蕾を付けてから咲くまでが長い。紅色の蕾を見ると、いつ咲くかと待たれるが、咲いたことに気付くのはその匂いが漂って来てからである。子どものころ、生家には沈丁花がなかったが、すぐ前の家の上級生の家に沈丁花があった。一緒によく遊んだが、沈丁花が咲くころになると、呼び寄せて、沈丁花の花の匂いを嗅がせてくれた。紅色の内側に反る白い花弁が魅力で、この白いところが匂っているのだと子どものころは思っていた。はたしてどこが匂っているのであろう。その匂いは、卒業の季節の希望と不安の入り混じったおぼつかない感覚を象徴していると思える。

★沈丁花どこかでゆるむ夜の時間/能村登四郎
★疲れゐて沈丁の香をすぐまとふ/加倉井秋を

上の二句は、沈丁花の咲くころの人間の感覚をよく捉えた実感の句だと思う。「ゆるむ夜の時間」は、次第に暖かくなってくる三月のふっくらとした夜の時間、そして、「疲れゐて」は、春浅い頃のなんとなくの疲労感が詠まれていて、私も実感するところである。

 ジンチョウゲ(沈丁花)は、ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の常緑低木。チンチョウゲとも言われる。漢名:瑞香、別名:輪丁花。 原産地は中国南部で、日本では室町時代頃にはすでに栽培されていたとされる。日本にある木は、ほとんどが雄株で雌株はほとんど見られない。挿し木で増やす。赤く丸い果実をつけるが、有毒である。花の煎じ汁は、歯痛・口内炎などの民間薬として使われる。
 2月末ないし3月に花を咲かせることから、春の季語としてよく歌われる。つぼみは濃紅色であるが、開いた花は淡紅色でおしべは黄色、強い芳香を放つ。枝の先に20ほどの小さな花が手毬状に固まってつく。花を囲むように葉が放射状につく。葉は月桂樹の葉に似ている。
 沈丁花という名前は、香木の沈香のような良い匂いがあり、丁子(ちょうじ、クローブ)のような花をつける木、という意味でつけられた。2月23日の誕生花。学名の「Daphne odora」の「Daphne」はギリシア神話の女神ダフネにちなむ。「odora」は芳香があることを意味する。花言葉は「栄光」「不死」「不滅」「歓楽」「永遠」。


◇生活する花たち「茶の花・花八つ手・木瓜」(横浜下田町・松の川緑道)
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1月8日(月)

2018-01-08 23:03:12 | 日記
★水仙の向きを変えみて寒の入  正子

○今日の俳句
  治水橋
何処までも青空冴ゆる橋向こう/小川 和子
人は「橋」に特別な思いを寄せることが多い。橋の向こうは、知らない町へと続く。橋向こうの冴えた青空にその続きを思うこともある。(高橋正子)

●成人の日。午後から雨。
孫の元希の5歳の誕生日を前に、自転車を買ったからと自転車に乗っている写真を元がメールで送ってきた。青い子供自転車。印刷して、壁に磁石止めして貼った。

ヒアシンス三色の色の二つが咲き 正子
寒の雨窓打つ音のあまりに静か  正子
寒の入畳の部屋のきよらかに   正子
 誕生日の花
桜草淡さをもって祝わるる     正子
窓の明かりのみの部屋なり寒の入り 正子

○福寿草(元日草)

[福寿草/横浜・四季の森公園]
★花よりも名に近づくや福寿草 千代女
★小さくても昇殿すなり福寿草 一茶
★暖炉たく部屋暖かに福寿草 子規
★日の障子太鼓の如し福寿草 たかし
★南窓にはれし筑波や福寿草/大竹孤悠
★福寿草家族のごとくかたまれり/福田蓼汀
★福寿草ひらきてこぼす真砂かな/橋本鶏二

 フクジュソウ(福寿草、学名:Adonis ramosa)は、キンポウゲ科の多年草。別名、ガンジツソウ(元日草)。毒草である。1月1日の誕生花。日本では北海道から九州にかけて分布し山林に生育する。シノニム(同一種を指す同意語)の種小名である amurensis は「アムール川流域の」という意味。花期は初春であり、3-4cmの黄色い花を咲かせる。当初は茎が伸びず、包に包まれた短い茎の上に花だけがつくが、次第に茎や葉が伸び、いくつかの花を咲かせる。この花は花弁を使って日光を花の中心に集め、その熱で虫を誘引している。その為、太陽光に応じて開閉(日光が当たると開き、日が陰ると閉じる)する。葉は細かく分かれる。夏になると地上部が枯れる。つまり初春に花を咲かせ、夏までに光合成をおこない、それから春までを地下で過ごす、典型的なスプリング・エフェメラルである。根はゴボウのようなまっすぐで太いものを多数持っている。
 春を告げる花の代表である。そのため元日草(がんじつそう)や朔日草(ついたちそう)の別名を持つ。福寿草という和名もまた新春を祝う意味がある。江戸時代より多数の園芸品種も作られている古典園芸植物で、緋色や緑色の花をつける品種もある。正月にはヤブコウジなどと寄せ植えにした植木鉢が販売される。ただし、フクジュソウは根がよく発達しているため、正月用の小さな化粧鉢にフクジュソウを植えようとすると根を大幅に切りつめる必要があり、開花後に衰弱してしまう。翌年も花を咲かせるためには不格好でもなるべく大きく深い鉢に植えられたフクジュソウを購入するとよい。露地植えでもよく育つ。また、根には強心作用、利尿作用があり民間薬として使われることがある。しかし、毒性(副作用)も強く素人の利用は死に至る危険な行為である。薬理作用、毒性共にアドニンという成分によるものと考えられている。花言葉は永久の幸福、思い出、幸福を招く、祝福。


◇生活する花たち「冬桜・水仙・万両」(横浜日吉本町)

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1月7日(日)

2018-01-07 22:31:07 | ネット句会
★七草の書架のガラスの透きとおり  正子
正月七日、ようやく日常に戻る七草のころ、きれいに磨かれた書架のガラスに、整然と並ぶ書物が見えるようです。年の始めの清々しさとともに、清潔感漂うお暮らしもうかがえます。(藤田洋子)

○今日の俳句
刻ゆるやかに七草粥の煮ゆるなり/藤田洋子
主婦にとって、正月はなにかと落ち着かなく過ぎるが、七草のころになると一段落する。ふつふつと煮える七草粥に、「刻ゆるやかに」の感が強まる。(高橋正子)

お飾りの稲穂に雀馳せて来し 正子
四日目の花切り戻し風邪籠り 〃
ストーブに背なが静かに温もれる  〃
一月はわが誕生月よ静かなれ   〃

●今日は我が家の新年会。子どもたちの仕事の都合で今日となった。今年は、お節にローストビーフを加えた。初めて作るので、タイマーを片手に焼いた。400グラムのモモの塊を、失敗を恐れて、縦半分にして焼いたが正解だった。ひとつは少し弱火の火が強いと息子に言われたが、もう一つは上出来だった。
小さい孫にも人気なのは加賀の笹蒸し寿司。小さい形ながら、ボリュームがある。正月には手間いらずで重宝。出席は息子と孫、お嫁さんは風邪がひどくて欠席。それに娘夫婦。帰りには料理を分けて持ち帰ってもらい、重箱もしまい、正月を終わりにした。

信之先生は昨夜から風邪で熱と軽い咳。新年会は初めに顔を出しただけ。

○霜柱

[霜柱/横浜日吉本町]

★戦没の友のみ若し霜柱/三橋敏雄
★掌に愛す芙美子旧居の霜柱/神蔵器
★ふと踏んで瞬の童心霜柱/林翔
★昼の灯のもとの消えざる霜柱/宮津昭彦
★凸凹の人の道なり霜柱/高橋将夫
★霜柱さわさわ育てローム層/高橋正子
 愛媛・出石寺
★霜柱苔の真下にきらめき伸び/高橋正子

 日吉五丁目の丘を歩く。丘の上の農家に空地があって、そこには、剪定した木の枝などが積まれ、こぶしなどもある。その土の崩れかけたところに霜柱ができていた。五センチ位もあろうか。靴で踏んでしまって気付いたが、すぐ傍を見ると、霜柱が育っている。 植物と言えそうなほどの成長だ。畑に置く霜とはまた別のものだ。

愛媛に出石寺という寺がある。雲海の上にあって、そこで春先に俳句の合宿があった。八十八ケ所のお参りが一度にできるような小遍路が作ってあって、その路だったと記憶している。なにしろ、四十数年前のことなのだが、その石仏の並ぶ路に苔を持ち上げて、霜柱が育っていた。伸びすぎてやや曲がっている。これほどまで成長した霜柱は初めてだったので、印象は鮮烈だった。

霜柱(しもばしら)とは、地中の温度が0℃以上かつ地表の温度が0℃以下のときに、地中の水分が毛細管現象(毛管現象)によって地表にしみ出し、柱状に凍結したものである。霜柱の発生メカニズムはまず地表の水分を含んだ土が凍る。そこで、凍っていない地中の水分が毛細管現象で吸い上げられ、地表に来ると冷やされて凍ることを繰り返して、霜柱が成長するというものである。霜柱は地中の水分が凍ってできたものであり、霜とは別の現象。固まった土では土が持ち上がりにくいため霜柱は起こりにくく、耕された畑の土などで起こりやすい。また、関東地方の関東ロームは土の粒子が霜柱を起こしやすい大きさであるため、霜柱ができやすい。霜柱が起こると、土が持ち上げられてしまい、「霜崩れ」と呼ばれるさまざまな被害をもたらす。植物は根ごと浮き上がってしまい、農作物が被害を受ける。これを防ぐため、断熱材として藁を地面に敷き詰め地表の温度を地中の温度に近づけ、気温との断熱を行う。斜面などでは霜柱により浮き上がった土が崩れやすくなり、侵食が起きやすくなる。霜柱を見かけることが少なくなったという地域が増えているとの声もある[1]。地球温暖化による影響も考えられるが、都市部や郊外ではヒートアイランド現象による影響もあるほか、道路が舗装されて水分が少なければ霜柱は形成されない。地表と地中の温度差が必要なため、霜より短い期間しか起こらない。主に冬期に見られる現象なので、冬の季語となっている。


◇生活する花たち「蝋梅①・蝋梅②・さんしゅゆの実」(横浜・四季の森公園)
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1月6日(土)

2018-01-07 22:29:55 | ネット句会
★餅を焼く火の色澄むを損なわず  正子
餅は、長い文化の中で、あるいは地域の広がりの中で様々に生きてきました。私の地方、子供の頃は、火鉢の炭火で、皆の見守る中で焼いていたことを思い出します。(今では我が家に火鉢もなく、オーブントースターで膨らませています)。先生のこの句は、やはり炭火で焼いていた頃を思い出させてくれます。火勢は強すぎてもいかず、ほどほどに明るい蜜柑色の光の中で、頃合いを図りつつひっくり返しては、柔らかに膨らむのを待っていました。(小西 宏)

○今日の俳句
★午後の陽にまだある氷割り遊ぶ/小西 宏
午後の陽がきらきらと氷に差している。日中も気温が上がらないと、こんな氷に出くわすが、ちょっと割ってみたくなる遊び心。午後の陽が余計に遊び心をかきたてたのだろう。(高橋正子)

●ガラスのペーパーウエイトの新品二つがながらく家にある。ひとつは円筒形でクロユリ、もう一つは立法体でエニシダの花が中に入っている。明日子供たちに一つずつ渡すことにした。

○エリカ(ヒース)

[エリカ/横浜日吉本町]

★花エリカ雪後のごとくさびしけれ/角川源義
★エリカといふさびしき花や年の暮/山口青邨
★嬰児にもあるためいきや花エリカ/岡田史乃
★空港に帰着の刻をエリカ活く/横山房子
★エリカ咲くひとかたまりのこむらさき/草間時彦
★鷗啼く絵里香や折ればこぼるるも/小池文子
★横文字の名札に翳すエリカかな/吉田洋一

 エリカは、ツツジ科エリカ属(学名:Erica)の常緑性樹木で、日本では学名エリーカから、エリカと呼ばれることが多い。エリカ属は、700種類以上の種があり、多くの種は高さ20-150cmほどの低木であるが、E. arborea、E. scopariaのように高さ6-7mに達する種もある。エリカの群生地としては、北ドイツの自然保護地区、リューネブルガーハイデが有名。また小説『嵐が丘』の館の周囲に生えていたのもエリカ、英語ではヒース(heath)と呼ばれる。主な種は、ジャノメエリカ(学名E.canaliculata)とスズランエリカ(学名E. formosa)。ジャノメエリカの名前の由来は、花の中の黒い葯(花粉袋)が蛇の目に見えることから。 スズランエリカの名前の由来は、花がスズランに似ていることから。
 エリカ属の大部分は南アフリカ原産で、残りの70種程度がアフリカの他の地域や地中海地方、ヨーロッパ原産である。園芸では性質などの違いで南アフリカ原産種とヨーロッパ原産種にざっくり分けられる。名前はギリシア語のエイレケー(砕く)に由来するとされ、エリカが体内の胆石をとる(砕く)薬効があるされていたため、そんな名前が付いたとされている。葉は短い針型や線形で、枝にびっしりと付く姿は、枝に葉が生えているといった感じです。花はタマゴ型や壺状の小さな粒々のもの、紡錘形などがある。


◇生活する花たち「冬椿①・冬椿②・山帰来の紅葉」(横浜・綱島)
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1月5日(金)

2018-01-05 23:34:32 | ネット句会
★正月の山の落葉のかく深し   正子
正月の山は既に木の葉もすっかり落葉してしまっていることでしょう。山路の落ち葉の嵩を見て「かく深し」と感嘆の声が聞こえてきそうです。里の暮らしとは少し離れた寒の季節の静寂な山中を思い起こします。(佃 康水)

○今日の俳句
牡蠣揚がる瀬戸の潮(うしお)を零しつつ/佃 康水
広島は牡蠣の産地として知られているが、牡蠣の水揚げを詠んだ句。潮を零しながら、しかも瀬戸の、と具体的な詠みに情景がくっきりと浮かび上がり、臨場感が出た。(高橋正子)

●ようやく歯痛が治まる。歯の定期健診で歯や歯茎をいろいろ触られたせいかも。生まれたときから私は、ずっと不機嫌だったような気がする、とうようなことが頭に浮かんだ。

今年3度目の年賀状が配達される。中の一枚に塾の教え子の麗美ちゃんが子供の写真をいっぱい載せて送ってくれた。ネットで時々俳句を見てくれているみたい。3日の2度目配達の年賀状には、Wさんのご家族からのがあって、娘さんの一人が、卒業したら、横浜に住みたい、といっていると書いてあった。その返事に横浜は外国にいつでも行ける感じです、と書いたが、ドイツのことは書いていなかったけど、時々は帰って(行って)るのかな。

○神奈川・大船植物園
2014年1月12日、大船植物園(フラワーセンター)を信之先生と訪ねた。水仙と寒椿がお目当ての吟行と写真撮影。
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f598/

○十両(やぶこうじ)

[十両/東京白金台・国立自然教育園]   [百両(たちばな)/横東京白金台・国立自然教育園]

★千両も万両も生ふ旧き家/村越化石
★供華に活け千両の実をこぼしけり/稲畑汀子
★慎ましく足元見よと藪柑子/松本詩葉子

万両・千両・百両・十両・一両の実は、何れも秋から冬に赤熟し、 その赤い実も小粒です。そのため古来、これらの赤い実を付けた植物は、お正月の縁起物としてもてはやされ てきました。

万両
センリョウより沢山実が付くことから、 マンリョウの名前が付いたと云われる。園芸種では白や黄色の実を付けるものがあります。

千両
本州中部以南から台湾、インドなど暖帯から熱帯に分布。山林の半日陰に自生する常緑小低木。花は黄緑色で小さい。 果実は球形で、赤く熟する。

百両
江戸時代のタチバナは非常に高価で、 百両以下では手に入れることができないため、 「百両金」と呼ばれました。

十両
ヤブコウジの名は近代になって付けられたが、 古くは赤い果実を山のミカンに見立てたヤマタチバナ(山橘) の名で良く知られていた。 それがヤブコウジ(藪柑子)になったという。 タチバナはコウジミカン(柑子)の古名。

一両
常緑小低木。腋に鋭い長い刺がある葉の付け根から出ているトゲが蟻をも刺し通すという意味です。 お正月のおめでたいときの飾ります。「千両、万両をお持ちでも、このアリドオシがないと「千両、万両、有り通し」に なりません。この機会にぜひ揃えてみたいです。


◇生活する花たち「冬椿①・冬椿②・山帰来の紅葉」(横浜・綱島)
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1月4日(木)

2018-01-04 09:37:28 | 日記
★四日目の花切り戻し風邪籠り  正子
お正月花にと活けた花も四日ともなれば少し元気がなくなって来ました。そのお花の水揚げが良くなる様にと根元の切戻しをなさったのでしょう。慌ただしいお正月も過ぎ一先ずほっとした頃ですが、つい風邪を召されてしまいました。しかし風邪に籠る前にお花への手当をきちんとされるなどお花を愛される作者の暮らしぶりが見えるようです。 (佃 康水)

○今日の俳句
床の間に早や一輪の梅ひらく/佃 康水
床の間に活けた梅の固い蕾が、部屋のぬくもりで、一輪開いた。早も開いた驚きと、その清らかさに魅了された。(高橋正子)

●「自由な投句箱」の1日から3日の投句の選とコメント。昨夜流星群が見れるはずだったが、見逃した。
直ぐ上の階のIさんが、郷里に帰省したお土産のお菓子を持ってきてくれた。白河市の菓子司の名前がある。若いのに丁寧な方だ。

○万両

[万両/東京白金台・自然教育園]     [万両/横浜日吉本町]

★万両の赤を要に活けらるる/稲畑汀子
★万両に日向移りて午後の景/岡本眸
★千両も万両も生ふ旧き家/村越化石
★退院の待たるる日々や実万両/水原春郎
★実生なる万両として日をはじく/豊田都峰
★碑のもと万両のまだ青し/阿部ひろし

★万両の赤い実も鉢もつやつやと/高橋正子
★万両の鉢泥洗うも冬支度/高橋正子
★万両の根もとを猫が通り抜け/高橋正子

 横浜日吉本町に住んでいるが、百両を見かけたのは、ご近所では一軒だけで、万両は千両と並んで町内の庭先でよく見かける。数年前、町田市の里山に出かけたが、その山に自生の万両を見た。そして、東海道53次の戸塚を過ぎて、藤沢の遊行寺の近くの遊行坂の山にやはり、自生と思われる万両を見た。生家にもあったが、これを父は実のついた万年青とともに大事にしていた。あまり育たず、増えずの感じだったが、横浜では、いたるところで見かける。四国の砥部の家にも万両があったが、いつの間にか、塀沿いに万両が増えて育っていた。実がこぼれたのであろう。
 マンリョウ(万両、Ardisia crenata Sims)はヤブコウジ科の常緑小低木。林内に生育し、冬に熟す果実が美しいので栽培され、特に名前がめでたいのでセンリョウ(千両)などとともに正月の縁起物とされる。東アジア~インドの温暖な場所に広く分布する。日本では、関東地方以西~四国・九州・沖縄に自生するほか、庭木などとしても植えられている。なお、アメリカのフロリダ州では外来有害植物として問題になっている。高さは1mほど。同属のヤブコウジと似ているが、ヤブコウジは高さ10cmほどなので区別ができる。根元から新しい幹を出して株立ちとなる。葉は縁が波打ち互生する。葉の波状に膨れた部分には共生細菌が詰まった部屋が内部に形成されている。また、葉は光に透かすと黒点が見える。花は白色で7月頃に咲き、小枝の先に散形花序をなす。果実は液果で10月頃に赤く熟し、翌年2月頃まで枝に見られる。栽培品種には白や黄色の果実もある。いわゆる古典園芸植物のひとつで、江戸時代には葉が縮れたりした変異個体が選抜されて、多様な品種群が栽培された。

◇生活する花たち「冬椿①・冬椿②・山帰来の紅葉」(横浜・綱島)
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1月3日(水)

2018-01-03 11:33:15 | ネット句会
★一月はわが誕生月よ静かなれ   正子
一月は一年の始まりで、何かと喧噪的な時期ですが、ゆっくりと静かに過ごしたいと思う、その気持ちの誕生月です。(高橋秀之)

○今日の俳句
獅子舞に頭を向けて走り寄る/高橋秀之
獅子舞の獅子に頭を噛んでもらうと元気な子になるとか。恐ろしい獅子に向かって走り寄るのは、果敢で愉快な男の子。(高橋正子)

●誕生日。
新年ネット句会入賞発表。新年句会は6名で、「待春庵」句会と名づけるべく風流な句会となった。
http://blog.goo.ne.jp/kakan02d

某出版社から依頼の21句作らなければならない。午後四季の森に吟行にでかける。管理事務所はしまっているが、散歩の人は結構いる。風は冷たいが、良い天気で寒いながら心地よい。1時間ほど池の周りを歩く。目についたもの。
寒椿、辛夷の花芽、猫柳、万作の蕾、山茱萸の蕾、終りかけた蝋梅、三椏の蕾。枯葦、菜の花、鴨1羽。

四季の森から帰ると句美子が誕生日のお祝いに来てくれた。持つべきは娘。ケーキと珈琲、桜草の鉢植とネックウオーマー・暖衣のプレゼント。

夜、また、ウィーンフィルのの昔のニューイヤーコンサート聞く。カラヤンが指揮したときは、まったく正雰囲気が違ってる。聞きながら、俳句を何句か作った。作ろうを思えばどうにでも作れる感じなのだが、四季の森から帰るときに、日吉本町駅前で核廃絶賛成の署名をしたためか、腹立たしい雑念が混じる。ぐだらぐだら、クラッシクを聞いて今日を終わる。

白粥にゆかりめでたく三日朝  正子

○南天

[南天/横浜日吉本町]

★南天の実をこぼしたる目白かな/正岡子規
★口切や南天の実の赤き頃/夏目漱石
★あるかなし南天の紅竹垣に/瀧井孝作 
★実南天奈良から一人少女来る/青木啓泰

 ナンテン(南天、学名:Nandina domestica)は、メギ科ナンテン属の常緑低木。和名の由来は、漢名の「南天燭」の略。高さは2m位、高いもので4~5mほど。幹の先端にだけ葉が集まって付く独特の姿をしている。葉は互生し、三回羽状複葉で、小葉は広披針形で先端が少し突きだし、革質で深い緑色、ややつやがある。先端の葉の間から、花序を上に伸ばし、初夏に白い花が咲き、晩秋から初冬にかけて赤色(まれに白色)の小球形の果実をつける。中国原産。日本では西日本、四国、九州に自生しているが、古くに渡来した栽培種が野生化したものだとされている。山口県萩市川上の「川上のユズおよびナンテン自生地」は、国の天然記念物(1941年指定)。
 庭木として植えられることが多い。音が「難を転ずる」に通ずることから、縁起の良い木とされ、鬼門または裏鬼門に植えると良いなどという俗信がある。福寿草とセットで、「災い転じて福となす」ともいわれる。稀に太く育ったものは、幹を床柱として使うことがあり、鹿苑寺(金閣寺)の茶室、柴又帝釈天の大客殿などで見られる。以前に発行されていた日本の6円郵便切手の意匠としても親しまれていた。花言葉は「私の愛は増すばかり」、「良い家庭」。活け花などでは、ナンテンの実は長持ちし最後まで枝に残っている。このことから一部地方では、酒席に最後まで残って飲み続け、なかなか席を立とうとしない人々のことを「ナンテン組」という。

◇生活する花たち「蝋梅①・蝋梅②・さんしゅゆの実」(横浜・四季の森公園)

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1月2日(火)

2018-01-02 23:28:22 | ネット句会
★木賊生う地より突き立つ濃き緑/高橋正子
山中の湿地に自生しているが観賞用に庭園などにも植えている。地下茎は力強く横に生え、地上茎は直立し、枝分かれせず70センチ位の高さで深緑の縦溝が新年の青空に力強く立っている素晴らしい景ですね。 (小口泰與)

○今日の俳句
大らかな雪の浅間の二日かな/小口泰與
よい天気続きの正月。二日も雪を冠った浅間山が大らかに坐っている。浅間山を「大らか」と捉えた度量がよい。(高橋正子)

●晴れ。
初詣に駒林神社に出掛ける。午後2時ごろ。境内には30人ぐらいの人がいて、それでもお参りは並んで
待った。御札は天照大神と駒林神社の2枚を貰い、御神籤を引いた。中吉。梅の枝に結ぼうとすると、もう蕾が膨らみかけていた。

新年ネット句会(初句会)投句締め切りは午後6時。互選開始は午後7時。入賞発表は3日正午。
今年から投句は一人5句とする。投句者は6名。祝恵子・髙橋秀之・柳原美知子・髙橋句美子、高橋信之・高橋正子。茶室のような句会となった。

新年句会投句
初詣杜の落葉のかく踏まれ  正子
松飾通りすぎれば松匂う
おみくじを結ぶ枝なり梅蕾む
元日の家路にあがる円き月
初詣空の青さの全きに
 
句美子投句


○水仙

[水仙/横浜日吉本町]

★水仙やホテル住ひに隣なく/久保田万太郎
★水仙やすでに東風吹く波がしら/水原秋櫻子
★あるだけ剪りあるだけ挿して水仙花/大橋敦子
★水仙や日本の詩の潔し/瀧春一
★水仙に昃り易さの日射なる/鈴鹿野風呂
★潮の香を海に返しぬ野水仙/稲畑汀子
★水仙や潮砕け散る烏帽子岩/朝妻力
★上げ潮や水仙のよく匂ふ街/今瀬剛一
★自画像の芙美子に会へり水仙花/神蔵器
★水仙や向き合ふ暮し取り戻す/井内佳代子

★向き合えば吾に水仙のみずみずし/高橋信之
水仙の花を「古鏡」といった俳人もいたが、向き合うことができる花である。向かうと、以外にもみずみずしい花である。(高橋正子)

★水仙の枯れし終わりを折りて捨つ/高橋正子
庭に咲いているのでしょうか、可憐な水仙花、でもいのちあるものには最後があるのです。ありがとうの気持ちでしょうか。(祝恵子)

★水仙の一花二花咲き正月へ/高橋正子

 スイセン属(スイセンぞく、学名:Narcissus)は、ヒガンバナ科(クロンキスト体系ではユリ科)の属のひとつ。この属にはラッパスイセンやニホンズイセンなど色や形の異なる種や品種が多くあるが、この属に含まれるものを総称してスイセンと呼んでいる。多年草で、冬から春にかけて白や黄の花を咲かせるものが多い。狭義には学名Narcissus tazettaや、その変種であるニホンズイセン(Narcissus tazetta var. chinensis)をスイセンということも多い。
 原産地は主にスペイン、ポルトガルを中心に地中海沿岸地域、アフリカ北部まで広がり、原種は30種類ほど知られている。また、園芸用に品種改良されたものが広く栽培されている。日本においては、ニホンズイセンが古くに中国を経由して渡来したといわれている。分布は、本州以南の比較的暖かい海岸近くで野生化し、群生が見られる。越前海岸の群落が有名であり、福井県の県花ともなっている。


◇生活する花たち「アッサムチヤ・グランサム椿・からたちの実」(東京・小石川植物園)
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