かどくら邦良@高崎市議会議員 ブログ

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2015.11.1 民主主義は神話ではない

2015-11-01 01:57:33 | 日記
車庫から取り出してきた古い本たちを整理していて、60年安保闘争を牽引した論客たちの「民主主義神話」を改めて読んだ。

埴谷雄高、谷川雁、吉本隆明などなど、60年安保闘争し、既成左翼の否定、そして戦後民主主義を支えた知識人を批判している。

私も上記の3人に思想的に影響を受け、そして未だ全共闘大学闘争の論理と運動にシンパシーを感じているのだが、今、改めて読み直してみて、あの時代に先鋭的に闘った者たちが「民主主義の神話」と言いたい気持ちは理解する。

しかし、「民主主義の神話」→「戦後民主主義の乗り越え=否定」にまで行き着いた60年、70年闘争は間違いではないが「不幸なロジック」だったと思う。

ラディカルデモクラシーを目指しつつも、やはり背景にマルクス主義を基本にした革命への欲求が滲んでおり、より過激になることが革命の本質になるみたいなところがあったと思う。

それは武力や武装についての考え方においても、とてもついていけない破綻した論理と行動に行き着いた、あの闘争の結果が証明している。

日本には「民主主義の神話」なんて本当にあったのかといえば、なかったと私は思っている。なかった民主主義を神話と位置付け否定すること自体が誤りだったと思う。

私たちが求め、なすべきことは「民主主義を神話」にせず、我慢強く「民主主義をつくる実践と行動を続ける」ことだと思う。

理念や理想が不幸な結果となってしまった60~70年の闘争であったが、負の側面だけではなく、明の部分をどれだけ拾って、あとに続く世代にリレーしていくのかが問われている。

その意味で埴谷雄高の「精神のリレー」は、民主主義の実践と行動の中に生きづいていると私は思いたい。

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