20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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曼珠沙華

2012年10月04日 | Weblog
        

 曼珠沙華が満開です。
 学名、彼岸花。

 母の介護で、レッドアロー号にのって秩父に通っていたころ。
 今ごろの季節になると、臨時に停まる駅がありました。
 「曼珠沙華の里」なる、その場所には、あたり一面真っ赤な曼珠沙華が咲き乱れているそうです。
 
 小さいころお隣の親戚の家の床の間に、極楽浄土図絵の掛け軸がかけてありました。
 小さかった私は、いつもしんとしているその家にいくと、怖いもの見たさから半分腰を浮かし、その大きな掛け軸を見たものです。

 あの図絵の朱赤の色と、曼珠沙華が、なんの脈絡もなく私の中ではいまでもつながっています。
 夫を早くに亡くし、私たち姉弟が「隣のおばちゃん」と呼んでいたどこか粋でおしゃれな、父の従姉妹のその人は、晩年は埼玉の川口で高校の先生をしていた息子さんのご家族と暮らし、90歳近くまでお幸せに過ごしておりましたが、もうしばらく前にあの掛け軸の世界へと昇天されていきました。
 ふと、あの小さかった頃の、「隣のおばちゃんち」の掛け軸を思い出した、曼珠沙華の秋です。
コメント (6)
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