呉市で開催された、フリーペーパー、リトルプレスなどを集めた「紙フェス」に出かけてきました。
会場には全国から集められたフリーペーパーやリトルプレスなどがズラリ。
小さいのや大きいの、手書き風のだったり、写真がとてもインパクトがあったり、そのどれもが魅力的で、ふぅとため息が出てばかりでした。
ディスプレイがまたすてき!
どれも手に取ってみたくなります!
そうして、この「紙フェス」で、もうひとつのお目当ては、フリーペーパー『ぱんとたまねぎ』発行人の林舞さんによるトークイベント!
かわいらしくてパンのようにふわふわした優しいイメージの彼女、現在は福岡県在住ですが、その前はただただ京都のパンが好きというだけで、知人が一人もいない京都へ移り住み、
そこでパンにまつわるフリーペーパーを発行されはじめた、なんとも行動力のある人なのです。
とにかく、パンが好き、パンが並んでいる姿が好き、パンを表現したい、パンに関わることがしたい…という想いが、パンのいろんな話が詰まったフリーペーパー『ぱんとたまねぎ』誕生に繋がったわけですが、直接のきっかけは、林さんが京都でお気に入りのパン屋さん「東風(こち)」のパンと、その女性オーナーにほれ込んで、
なんとか彼女からパンの話を聞いてみたい、フリーペーパーの取材なら、すんなりお話を聞けるのではと思ったからなんだそう!
こんな話の流れって、すてきですよね。
さらに、『ぱんとたまねぎ』の名前の由来が、またすてきなのです。
あるとき聞いたスペインのプロポーズ「ぱんとたまねぎと君さえいれば、ほかはなにもいらない」(こんなかんじ)にいたく感動した林さん、これはいい!と直感して、フリーペーパーの名前になったそうです。
京都ではお仕事もされながらの、フリーペーパー作り。発行にはかなり費用もかかるものですが、
「服を一枚買う代わりに、フリーペーパーを作っていました。最初は仕事も暇だったので、毎月のように出していました」と林さん。
取材も、デザインも、文章も、写真もすべて林さんお一人で、作成なんですよ。すばらしいです。
京都のパン屋さんへの熱い熱い思いが、なせる技ですね。
フリーペーパーの内容は単にパン屋さんカタログ的なものにとどまることなく、パンを作っている人に興味がある、どんな人生を送って来たのか、どうしてパン屋さんになったのか…そんな深いところをぐぐっと聞きだしたすばらしい読みものでもあるのです。
2005年に『ぱんとたまねぎ』創刊号は30部からスタート、コンスタントに出し続け、毎回デザインも変えて工夫を凝らして作り続けていたら、あるときリトルプレスを作っている人との出会いがあり、それがきっかけで、リトルプレス作りに挑戦してみよういう気持ちがむくむく湧いてきたそうです。
それで、2009年には、初のリトルプレス『左京区とパン』が誕生。こちらは500部作って、一部500円で販売。
これが見事に売れました!林さん当時を思い出し「売れて良かった」としみじみ。その思いが観客の私にも伝わってきました。(^-^)
京都在住中は、パンへの熱い思いをたくさんのカタチにして、さらにはパン屋さんのみならず本屋さんへの新領域にも足を踏み入れ、
そして、今、福岡で新しい取り組みを始めつつ…。これからの活躍も目が離せない林さん、でした。応援してま~す