ジローのヨーロッパ考

デンマークやドイツの農家に長期(?)滞在、体験したり感じたことを綴ります。

ドイツでのラウンドアバウトについて

2014-09-01 22:59:52 | 日記
最近、日本国内において「ラウンドアバウト」に関する報道を見聞きするようになりました。これは交差点での通行方式の一種を示している言葉ですね。例えば、主要な交差点では信号機に依る交互通行が一般的ですが、その信号機を使用しないでロータリー方式で通行を行うタイプのことを言っています。

そうした交差点では直接的には直進できなくて、一旦、交差点の中央に設けられている円形の道路(ロータリー)に進入することになります。日本の場合では左側通行になりますので、ロータリーに左折して入って時計方向に走りながら目的の分枝道路に出て行くことになります。ロータリーの中を走行している車が優先されるので、ロータリーに進入する際は原則的に一旦停止することになります。(一旦停止を必要としないところもあるようですが・・・)

ロータリーの中では同一方向に走行する車しかいないので、対向車に対する注意は原則的には不要と言うことになります。但し、慣れないドライバーが逆走してくる恐れはありますので、そうした面での注意はいずれにしても必要かと思いますが・・・。

さて、2013年に滞在したドイツでも何ヶ所かで、その「ラウンドアバウト」を見かけています。長期滞在したラーデン(人口6千人)の街にもありました。撮影した写真から思い出してみると街の中央付近で3ヶ所はありました。小さな田舎の街と言うラーデンでの話です。写真を見ていただきましょう。
(写真: ラーデン市街地、左側の奥がロータリー部分)
ロータリー式の交差点を示す道路標識も見えています。ちなみに、ドイツでは右側通行なので反時計方向に周回する形になります。日本とは逆です。

次の写真は交差点の手前に設置されている大きな道路標識です。その先に「ラウンドアバウト」交差点が見えています。
(写真: ラーデン市街地、駅の近傍交差点)

同じ交差点でロータリーの中央部分が写っているものです。
(写真: ラーデン市街地、駅の近傍交差点)

3ヶ所目も同じくラーデン市街地にあるのですが、交差点の規模がやや小さめなので、中央のロータリー(円形)部分は植栽等はなくて円形の石畳のようなものがあるだけです。半径は相応に小さくなっていますが、車の走行に大きな支障はないようです。いずれにしても減速して走行する場所なのでスムースな走行が見られました。
(写真: ラーデン市街地、小さいロータリー)
日本でも比較的狭い道路でこうした方式を適用しようとすると、こんな形状に近いものになるのでしょうね、きっと。

最後の写真は北の街リューベックのものです。大きい交差点でした。少しわかりにくいかも知れませんが右側(時計の奥側)がロータリーになっています。また、ロータリーを示す道路標識も写りこんでいます。
(写真: リューベックにて)

交通量が多い交差点での導入は難しいのかも知れませんが、信号機に依る通行コントロールを必ずしも必要としない地域では有用な方式だと思います。既述のブログ内でもコメントしていますが、社会的に成熟度が高いところでは、弱者に対する包容力ある態度であったり、高いマナーの定着率がこうした人為に基づくコントロールを容易にしているのではないかとも思えるのです。ちなみに、2012年に滞在したデンマークにおいても「ラウンドアバウト」は何ヶ所かで見かけました。

必ずしも電子機器等による制御に強制されたり頼るのではなく、自主的な人為に基づく「考動」ができるのであれば、この方式も望ましい姿の一つかも知れません。

思うに、今の日本国内に飛び交う様々な情報や、ウクライナ危機(唐突ですが・・・)に関する情報等を見聞きすると、成熟度の高い社会はまだまだ先のことに思えてならないのです。そう感じるのは私一人ではないと思います・・・。

(巻頭写真: ラーデン市街地道路、雨上がりの風景)