「サッカー文化フォーラム」夢追い人のブログ

1993年のJリーグ誕生で芽生えた日本の「サッカー文化」。映像・活字等で記録されている歴史を100年先まで繋ぎ伝えます。

ACL準決勝1Lg 柏レイソル大敗に見る日本サッカー界の硬直的体質

2013年09月29日 22時21分55秒 | FIFA、サッカー協会

タイトルをご覧いただいておわかりのとおり、アジアチャンピオンズリーグ準決勝1Lg 柏vs広州恒大戦、柏レイソルはホームにもかかわらず、相手にアウェーゴールを4本も許して負けた。

かわいそうとしか言いようのない敗戦である。ネルシーニョ監督は気丈に「すべて言い訳になってしまう」と断りつつ、「事実として韓国、中国、イランのチームは国内リーグを休んで準決勝を迎えている」と述べたという。

どう思います? ホント、はらわたが煮えくり返って、どうにも怒りが収まらないんです。

準決勝進出4チームのうち、国内リーグを調整してもらえなかったのは柏だけですよ。こんな国のサッカー協会、リーグ機構なんて存在価値ないじゃないですか!!!

これほどクラブに冷淡な国のプロリーグに将来なんてあるわけないじゃないですか。

サッカー協会やリーグ機構は、ぐだぐだと言い訳を並べるでしょう。そういう言い訳を並べるのが小役人程度の連中なら、軽蔑すればそれで済むが、責任あるリーダーレベルがそれを言っちゃおしまいだ。リーダーレベルが小役人と同じ言い訳をするのであれば、サッカー協会やリーグ機構は存在意義を失う。

要はリーダーの問題なのだ。リーグの日程は、ずいぶん前から、さまざまな関係先の調整の上に成り立っているわけで、いわばコンクリートされている。これを変えるのは通常、容易ではなく小役人程度の調整でどうにもなるものではない。

では、日本以外の3チームが、どうやって日程調整したのか、それは「ACLでの戦いは国内リーグに優先する」という、極めて当然の考えに沿って、リーダーが調整するように指示しただけの話だ。要はリーダーが普通にリーダーシップを発揮すればいいだけのことで、日本ではそれがなかったのだ。日本では「ACLでの戦いは国内リーグに優先する」という、極めて当然のことが現実にならなかったのだ。これではクラブは、何をめざして戦えばいいのかわからなくなる。前を向いて戦いたくても、後ろから弾が飛んでくるのだ。

こうした失態は、もっと白日のもとに晒される(さらされる)べきだが、どうだろうか。すでに数日経過しているが、どこからも問題にされる気配はない。サッカー協会もリーグ機構も、糾弾されるかどうか冷や冷やしていたかも知れないが、そろそろホッとしているだろう。テレビ各社や主要新聞が問題視しなければ、あとはたいしたことはない。そう思っているのだ。

つまり、自分の身の安泰だけを考えて、自分たちがどれだけの失態をしでかしたか、などという責任感はない。せめて専門誌に詫びの寄稿でもしてくれれば許せるのだが・・・。

こんな風に幾ら書いても、前回紹介したように「サッカー村の掟」で、当・サッカー文化フォーラムは無視されるだろう。無視で済めばいいが、へたをすると報復や恫喝が来るかも知れない。ただ、先方がそれをやってしまうと、こちらの土俵に乗ったことになり、かえって不利に働くので、連中は徹底的に無視、あるいはデマや誹謗中傷情報を流して、こちらの口を封じようとするかも知れない。

いわば「サッカー村」で生きていけないようにしてやる、みたいな。

それだって、結局、自分たちの卑怯さを白日に晒す(さらす)ことになる。いまどき、口封じなんかできる時代ではない。

今回の柏の敗退を招いた問題と、前回、「サッカー批評」の事例で取り上げた問題は同根、つまり、根っこは同じなのだ。要はサッカー協会やリーグ機構が、本当は誰のためにあるのか、という基本的な部分をないがしろにして、というか、自分たちに真の力がないのに、組織の中で権力闘争の末手に入れた立場や地位にしがみ着こうとする連中が、協会やリーグを動かしているから、肝心な時にリーダーシップが働かないのだ。

どうして、こんなことになったか。ここ、数か月、日本柔道連盟が世間の指弾を浴びたが、サッカー協会やリーグ機構は、柔道連盟の失態を横目にしながら「自分たちも気をつけろよ、どこに落とし穴があるかわからないから」と組織を引き締めているだろう。組織の引き締めというより、上層部にいる連中が自分の地位を防衛しようとしているだけだが・・・。

今回の、柏の問題によって明らかになったのは、サッカー協会やリーグ機構といった、社会的に大きな影響力を有する組織・機構を牽引するのに、どのリーダーがふさわしいのかといった観点から、虚心坦懐にリーダーを選んだのではなく、次は誰、その次は誰といった、タテのつながりの中で決めている派閥同士の、権謀術数に勝って得た人たちがリーダーということだ。

それでも、今回の柏のケースの場合に、的確に対処してくれるのであれば、どんな泥仕合の中から生まれた陣容でも、文句は言えないのだが、一たび、こういう失態を犯したら、もう彼らの存在意義はなくなる。今回は、そうでないことが露呈してしまったのだ。

組織・機構といったものは、小さな、あまり社会的な影響のないものであれば、派閥同士の権謀術数が、ある意味、当たり前の世界だから気にもとめないが、サッカー協会やリーグ機構は、もはや、そういう存在ではないのだ。会社でも大企業になればなるほど、理にかなった将来を託せる人材をリーダーに据えないと会社消滅という危機され招きかねない大事な問題だ。

派閥だとか権力闘争などといった力学で、力量のない人間がリーダーになることほど組織を不幸にすることない。今回の柏の敗戦は、それほど本質的な問題を露呈したのだということをはっきり指摘しておきたい。

おそらく当事者たちや、その取り巻きたちは「リーダー選びなんて、そんな生易しいものではありません。キチンと透明性を保って、正しい手続きを経て、誰からも納得を得られるリーダー陣が選ばれているのです。それを「派閥だとか権力闘争などといった力学で選ばれた」と言われなき誹謗中傷するあなたは、何か確固たる証拠でもあってそう言うのですか、証拠もないのに、いいかげんなことを書くのは大問題ですよ」と言うだろう。

そういうのを問題のすり替えという。とにかく、今回の柏のような悲劇を二度と繰り返さないで欲しい。現在のリーダー層では無理なら、繰り返さないようにできる人たちに代って欲しい。ごく自然な願望でしかない。現在のリーダー層が今回のことを柏をはじめ関係先に詫びて「二度とこういうことは繰り返さない」と約束してくれるなら、それでもいい。怒りの核心はそこにあるのだから。

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