「サッカー文化フォーラム」夢追い人のブログ

1993年のJリーグ誕生で芽生えた日本の「サッカー文化」。映像・活字等で記録されている歴史を100年先まで繋ぎ伝えます。

冴えわたる「チーム・ハリル」の事前準備

2017年03月25日 17時23分44秒 | サッカー選手応援
アウェーのUEA戦、完勝でしたね。

ハリル監督はUAEとの試合に臨む日本代表のキーワードに「経験」をあげていました。本田圭佑選手の選出がそれを象徴していると報じられていました。

実際には、GK・川島永嗣選手、DF・長友佑都選手、MF・今野泰幸選手のスタメン起用が「経験重視」の意味を表していました。

試合後、ハリル監督は「川島も今野も完璧。これが戦術です」と自信に満ちた表情で語ったそうです。脱帽ですよね。

試合を放送したNHK-BSで解説していた山本昌邦さんは「今野を連れてきたということは、スタッフも含めた見事なスカウティングの成果です」と語ってくれました。

ハリル監督も「(リーグ戦)ここ3試合を追跡してアイデアが沸いた」と説明したそうです。冴えわたっています。まさに「チーム・ハリル」の事前準備の勝利といえます。

サッカージャーナリストの二宮寿郎氏はスポーツ報知の記事で「ハリルホジッチ監督の起用が当たった。「好調」と「経験」のいいとこ取り。(中略)この両方を兼ね備えていた男が、他ならぬ今野泰幸であった。英断はシステムを4―3―3に変え、今野を左インサイドハーフに置いたことだ。G大阪での役割と同じ“今野仕様”にした。それがバシッとはまった格好だ。」と解説して、大胆な起用に踏み切ったハリル監督と、起用に「一発回答」で応えた今野選手を称えています。

さきの2014ブラジルW杯でアルジェリア代表を決勝トーナメント進出に導き、そのベスト16の試合でもドイツを相手に一歩も引かぬ戦いを挑み、あと一歩まで追い詰めたハリル監督の采配ぶりが、ここにきてエンジン全開といった様相です。

普通に考えれば試合勘から遠ざかっているGK・川島永嗣選手の起用は大きな賭けです。しかしハリル監督は「練習をしながら確信を持てた。経験が必要なゲームで精神的に落ち着いた人が必要だった」と語ったそうです。

並みの監督にはできない采配です。

私は以前からこのブログで「世代交代」「世代交代」と呪文のように唱えてきました。そしてハリル監督が、南アW杯組の起用に未練を残してきた采配ぶりを懸念してきました。

やっと昨年11月のサウジアラビア戦で、完全世代交代と言えるスタメン選手起用に踏み切ったハリル監督に拍手を送りました。

しかし、ハリル監督は今回、ただ単に「完全世代交代」という路線をとっているのではないというメッセージを発しました。「好調」と「経験」という二つのキーワードでスタメンを選んだわけです。

「好調」というキーワードで、前線の大迫、原口、久保という「世代交代組」が何の迷いもなくチョイスされています。そして久保選手は見事に応えています。

これで、しばらく前線の右サイトが久保選手で決まりですね。今回、久保選手が貴重な先制ゴールと追加点のアシストという活躍をしたことは、次世代の日本代表にとって、この上ない収穫です。

おそらく前線のベストメンバーは大迫のワントップに、右から久保、清武、原口という布陣が迷いなく描けることになったのではないかと思います。

MF陣は、相手によって布陣とチョイスを変えられるメンツが揃ってきました。長谷部選手と、今回、今野泰幸選手も骨折で長期離脱を余儀なくされましたが、この二人が戻ってくれば、高萩選手、山口蛍選手を含めて、かなりバリエーション豊かな中盤が作れます。

まずは28日のタイ戦を確実に勝ち切って、次の6月決戦までケガした選手の復帰を待ちたいと思います。

最後に、この最終予選の戦いの中心であって欲しいと願っている「プラチナ世代」について一言。これまで何度か取り上げているこの世代、宇佐美貴史、宮市亮、武藤嘉紀、小林祐希、柴崎岳、昌司源らの各選手たち。

今回のUAE戦に誰一人ピッチに立っていません。彼らがピッチに立っていなくても日本は完勝できる選手層を有していますが、ロシアW杯本番を見据えた場合、UAE戦のキーワードとなった「好調」と「経験」に加え「才能」というキーワードが似合う彼らが台頭してくれることを願っています。

5ケ月後の8月末から9月はじめの最終2連戦まで待ちます。せめて3人は加わって欲しいと思います。
コメント
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