ハイデルバルグプロジェクト3
なぜ作品に廃品を使うのですか?
私は廃品を作品にリサイクルしていますが、それは使い捨て社会に対する批判でもあります。
使い捨てられるのは物だけとはかぎりません。
人間も、社会によって使い捨てられているのではないでしょうか。
そのことを問題提起しているんです。その風潮は変えなければいけません。
人に歴史があるように、廃品にも歴史があります。人は、自分の歩いてきた道を振り返って自己再発見したりするでしょう。
私はそれを廃品を使って行っています。たとえば、何十台もの古い電気掃除機の行列。
[魂の掃除」を必要としている社会への警鐘なんです。
ハイデルバーグ・プロジェクトは人々の心を癒す薬だとおっしゃっていますが、その意味は?
人々の心が癒されなければ、地域や国も癒されないと私は考えます。心が病む原因となったそれまでの考え方を変えなけれ
ば、心は癒されません。新しい考え方、ものの見方が必要なのです。
宇宙には、おのずと自己を癒す力(self healing power)があります。
自然もそうですし、人の心もそうだと思います。
ハイデルバーグ・プロジェクトにも、そんな目に見えない力があると信
じています。
壊れてしまった地域社会を癒すのは、政府ではなく、そこに住む私たちです。
ハイデルバーグ・プロジェクトはアートを手段として、住民のマインドセット(mindset)を変えようとしています