「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。
ある精密機器メーカでの話です。国内と海外に生産拠点を持ち、開発は本社(東京)、製造は栃木とベトナムで行っています。昨年来、この会社ではネットを使って会議をすることが多くなってきました。
この会社では、毎週月曜の午前中に国内外の拠点間を繋ぎTeamsで会議を行っています。もう2年近く続けているので、さぞかし「オンライン会議」も効率的に行われているのでしょう。
そう思った私は、この会社のマネージャーさんに「オンライン会議のコツ」を尋ねてみました。すると意外な答えが返ってきました。
「いや、むしろ会議の効率はどんどん悪くなっています。」
その理由を聞いてみました。
「昨年、Teamsを使い始めた頃はなかなか上手く行かなかったのですが、3か月ほど経った頃から会議の時間が短くなり、結論も早く出るようになりました。」
「それが、今年に入ってから会議時間が長引き、結論が出にくくなり、同じような議題で会議を2度も3度もするようになりました。」
私は一瞬「オンライン会議慣れ」だと思ったのですが、色々聞いてみるとどうやら違うところに原因があることが分かりました。
それは会議の進め方がそもそも間違っていたからです。以前から会議の基本ルールがきちんと守られていなかったのです。「会議の基本ルール」をざっと挙げてみると・・・
参加者は最小限に絞る
事前に会議の目的を共有する
事前に議題や資料に目を通す
会議開始5分前に集合する
終了時間は厳守する
開始時に目的(ゴール)を確認する
タイムキーパーを決める
全員が発言する
結論をその場で共有する
議事録を残す
・・・この会社では、コロナ禍以前からこういった「当たり前」の会議ができていませんでした。要は「オンライン以前」の問題だったのです。
昨年、いきなりオンラインに移行せざるを得なくなり、全員でTeamsを使い始めた頃はとにかく会議をするだけで手一杯でした。結果として効率が上がり(・・と言うよりも無駄なことをする余裕がなくなり)、一見スムーズに進んだというわけです。
もし、あなたの会社が「オンライン会議慣れしてきたかな?」と思ったら、それはオンラインのせいではありません。そもそも会議が下手だったのです。
今ここで「会議の基本ルール」をしっかりと決め全員で守りましょう。
それがオンライン会議を成功させるコツです。