中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

社員99人以下の会社の人材育成に役立つ情報を発信しています。

第871話 他人がどう思うかより、自分がどうしたいのかを優先する

2019年12月25日 | 研修

 「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。 

「質問力」という言葉を聞くようになって久しいです。

確かに適切に質問をすれば、情報収集できる量も質も上がると思います。では、あなたは質問することは得意ですか?それとも苦手でしょうか?

弊社が研修やセミナーを担当させていただく際に、大勢の受講者がいる前で「質問はありますか?」と尋ねても、そこで質問をする人は多くはありません。

しかし、休憩時間になったり研修やセミナーが終了した際には、テーマによっては10人位の質問者が列をなすこともあります。そこで尋ねられる内容は共通していることが多いため、研修やセミナーの時間中に質問をしてくれたら、受講者全員で共有することができるのにと思いますが、どうやら大勢の前で質問することはそんなに簡単なことではないようなのです。

また、研修でグループ演習後に発表していただくような場面でも、発表後に他のグループから質問が出ないときには、「質問または感想をお願いします」と他グループの人を指名することがありますが、大半の人は質問ではなく感想を言うことが多いようです。

もちろん、疑問に思っていることがないのであれば無理に質問する必要はないのですが、それにしても圧倒的にプラスの感想を言う人が多いのです。

なぜ質問ではなく感想が多いのか。また、個別であれば質問をする人はたくさんいるのに、大勢の前では積極的に質問ができないのはなぜなのでしょうか。

改めてこのことを考えてみると、多くの人は「質問」に対して敷居を高くしすぎてしまっているように思えます。「質問する以上は、きちんとした質問をしなければならない」と考えてしまうあまり、質問すること自体をためらってしまうのです。

たとえば質問した結果、周囲の人から「そんな簡単な質問をして稚拙だな」と思われたり、「もしかしたら、既に説明されていたことを自分が聞き逃してしまっているかもしれない」などと必要以上に考えすぎてしまったりする。その結果、質問自体をしないというある種の自己防衛に走ってしまうのではないでしょうか。

確かに、「適切に質問する」ためには、話の内容をしっかりと聞いてきちんと理解したうえで、疑問点を質問する際にもそれをわかりやすく伝える能力は求められます。しかし、もし大勢の前で質問することをためらってしまう理由が周囲の反応を過剰に気にしすぎてしまうことにあるのだとしたら、結果として大切な機会を失ってしまっていることになってしまい、何とももったいない話です。

いわゆる「場の空気」など、同調を求める日本の組織においては、いまだに「出る杭は打たれる」という風潮が残っていることも否定はできないでしょうから、確かに「空気を上手に読める」ことは無駄にはならないでしょう。

しかし、周囲がどう思うかということを気にしすぎてしまうと、前述のとおり自分を育てる大切な機会を失ってしまうことになるのです。

周囲を大切にすることはもちろん大切です。でもその前に、まず自分はどう思うのか、どうしたいのか、それを考えることが何よりも大切なはずです。そうでなければ、結果的に「一番大切であるはずの自分がいつも後回し」になってしまうのです。

今後、大勢の前であっても何か気になったことがあるときには、ぜひ、いつもより少しだけ勇気を出して思い切って質問してみることから始めてみてはいかがでしょうか。

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