中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

社員99人以下の会社の人材育成に役立つ情報を発信しています。

第870話 御用聞きを見習おう

2019年12月22日 | 研修

 「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。

「働き方改革も良いけど、仕事を途中で放り出して帰るのはどうかと思うよ」ある中小企業の経営者の方の言葉です。たしかに、仕事が終わらないのに「ノー残業デー」だからと、職場から出されるのは困るという声もあります。

しかし、この言葉ははっきり言って「他責」つまり、自分たちの努力や工夫を放棄して「働き方改革」に責任をなすり付けているだけです。

第一に、「働き方改革」とは仕事が残っているのに帰らされることではありません。定時までに仕事を終わらせて、残業をせずに帰ることです。そう、「帰らされる」のではなく「帰る」のです。

受け身で仕事を進めている限り、「上司が」「お客様が」「下請先が」仕事の進行にいろいろと口や手をはさんできます。でも、それは本当に「仕方がない」ことでしょうか。

当社のコンサルティングや研修で口を酸っぱくして言っているのは「先手」を打つことです。上司はもちろんお客様に対しても「先手」を打つことで、仕事の進め方をかなりコントロールできます(もちろん100%はあり得ません)。

「でもね、お客さんが5時頃になって電話してきて、XXを明日の午前中までにやって欲しいって言うんだよ。残業するのは仕方ないじゃないか」あなたはそう言うかもしれません。そうですね、仕方がありません。

では、お客様が急に電話してくることは全く予想外だったのでしょうか。

きっとそのお客様は、急な依頼をしてもあなたが応えてくれることをわかっていたのだと思います。あなたとは長い付き合いがあって、お客様はあなたを信頼しているのでしょう。

ということは、あなたも長い付き合いの中で、お客様の仕事の内容や進め方を十分知っているはずです。それならば「急な依頼」はある程度予測できたはずです。もし、全く予測できなかったとしたら、受け身の仕事しかしてこなかったことになります。

「御用聞き」と言う表現は、人の(特に営業担当者の)能力を低く見るときに使う言葉です。ところが、ほとんどの「御用聞き」は「先手」を打ちます。

大変古い話で恐縮ですが、私の子供の頃(昭和40年代)は、近所の酒屋さんがまさに御用聞きに回っていました。

母が「お酒を2本と醤油とみりんを1本ずつお願い」と言うと、「はい、毎度ありがとうございます。あ、お味噌もそろそろ少なくなっていませんか。ちょっとお高いですけどすごく良いのが入ったんです。ためしにいかがですか」といったやり取りを聞いたことがあります。

これは単なる「口上手」ではありません。顧客1軒1軒の大体の使用量と在庫状況をメモしてあるのです。もちろん、PCなどない時代ですから、ざっくりとしたものです。なので、予測がズレることもあります。

それでも、かなりの確率でお客様の要求(ニーズ)を先取りしていました。それに、お客様が当面必要なものはないとしても、「XXは足りてますか?」と聞いてくれた方が安心(そして信頼)できます。

お客様からの急な依頼で残業せざるを得ない、そんなことが何度も起こるようなら、あなたは「御用聞き以下」です。

まずは、御用聞きを見習ってはいかがでしょうか。

お問い合わせ【株式会社人材育成社】 

人材育成のホームページ

 

 

 


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