中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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第964話 問題に向き合わない経営者に、社員はどのように進言すればよいのか

2020年10月14日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「社長にわかってもらうには、どうすればよいのでしょうか?」

先日、弊社が担当したある公開セミナーの終了後に、1人の受講者からこのように相談されたました。

この受講者の話を聞いたところ、勤めている会社の社長をはじめとする経営陣は社内の様々な問題に対して真剣に取り組むことがなく、ほとほと困っているとのことでした。

「具体的にどのような問題が起きてしまっているのですか?」と尋ねたところ、「納期遅れが頻繁に起きている」、「クレームに対して真摯に向き合わない」などの問題が何年も前から起きているのに、経営陣がまったく解決に動かないのだそうです。30代と若手である彼は、「このままではまずい、何とかしなければ」と思いつつ、どうしたらいいかわからないと困った表情で語ってくれたのです。

この話を聞いていて、何度も納期遅れを起こし、それが原因で度々クレームも来ているにもかかわらず、現時点では顧客が離れていないこと。さらには社員が退職してしまったりすることもなく、若いながら真剣に会社のことを心配し、何とか会社をよくしたいと考える彼のような社員がいることが救いだと感じました。

さて、それではこのように問題になかなか向き合おうとしない経営者に対して、社員の側はどのように対応すればよいのでしょうか?

もちろん、答えは一つというわけではないと思います。私からは「慌てて答えを出さないこと、少人数で社長(経営陣)と戦ったりしないこと、一緒に頑張ってくれる賛同者を集めること、納期遅れやクレームの実態を調査し数値化すること、そのデータをもって社長に相談すること、その際には社長を責めるのではなく、会社をよりよくするためにみんなで頑張りたいと考えていること」などを伝えることを提案してみました。

これらの話を真剣に聞いていた彼は、「頑張ってみたい」との言葉を残してくれました。

この例のように、問題に真剣に向き合わなかったりワンマン経営をしたりする社長は、企業規模の大小を問わず少なからずいらっしゃいます。一代で会社を大きくしたとの強い自負を持っている経営者であれば、なおさら自身の経営手腕に自信を持っていることが多いため、内外を問わず他者からのアドバイスを聞く耳を持たない方が多いように感じています。

しかし、納期遅れやクレームは経営の根幹にかかわる重大な問題であり、これを放置したり、それを改善しようという社員の声を大切にしなかったりする姿勢の会社からは、いずれは顧客や社員なども離れていくことになってしまうことでしょう。

どうか、会社の経営者の皆様には自分の会社は問題を放置していないか、改善に向けた声を大切にしているかあらためて向き合い、対応が必要な場合にはぜひ、機を逃さずに積極的に取り組んでいただきたいと思います。

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