「頑張って!」「頑張ってください!」先日、気安くこの言葉を使っている自分に気がつきました。
「頑張れ」に代わる言葉がないものかと常々考えていますが、今のところ見つかっていません。
アメリカでは、マラソンランナーに沿道から声をかける時は「リラックス」と言うと聞いたことがあります。「頑張れ」だとプレッシャーを感じてしまって、本来の実力を発揮できないから「リラックス」と言うのだそうです。
それではと思い、以前試しに箱根駅伝の声援に「リラックス」を使ってみましたが、どうもしっくりしません。周囲の人の声援との違いに、自ら気後れしてしまったというのが本当のところです。
では、「ファイト」はどうか。実際に使ってみて、「リラックス」よりはランナーに合うように感じましたが、日常では今一つ使いづらい。
親しい人ならばともかく、そうでない人にいきなり「ファイト」と言うのは、慣れの問題かもしれませんがちょっと抵抗があります。
落ち込んでいる時などに、事情を知らない人から表面的に「頑張って」と言われると、「よくわからないのに、そんな簡単に言わないで」と内心思うことがあります。
東日本大震災後、空港で被災地を励ますために「頑張れ 東北」と書かれている垂れ幕を見た知り合いは、航空会社に電話を入れ違和感があることを伝えたと言っていました。「頑張れとは、一方的で突き放している感じがする」また、「既に十分頑張っている方たちに対して、これ以上頑張れ」とは心が足りないと感じたのだそうです。
確かに「頑張れ」だと他人ごとのように感じます。これが「頑張ろう」だと「一緒に」や「共に」というニュアンスが入るように思います。ちょっとした違いですが、言われた人の印象は大きく違うと感じます。
一方、私たちは自分に対しても「頑張る」や「頑張ります」と口にします。新しいことを始める時やフレッシュマンの時、またスポーツ大会の選手宣誓の時などにも使います。
気合を入れる時などには、格好の言葉で、アニマル浜口さんが「気合いだ、気合いだ、気合いだー」と言っているのには頷けます。
個人的に自分に対して「頑張れ」と言うことには抵抗はないのですが、他の人に対して言う時には何か別な言葉を使いたい。ならば、どういう言葉が良いのか、今のところ妙案が浮かびません。
研修の現場でフィードバックする時に「頑張ってください!」を安易に使わない、先ずそこから意識してみたいと思います。
(人材育成社)