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何も考えずに、でも何かを求めて、鉄道の旅を続けています。今夜もmoonligh-expressが発車の時間を迎えます。

峠を越えるため、「峠の釜めし・おぎのや」の取り組み

2022年04月04日 | 駅弁


駅弁の話。写真は見てすぐにお分かりだと思うが「峠の釜めし(㈱おぎのや・信越本線横川駅)」だ。駅弁会の中でも、常にトップを走る人気駅弁ということは、誰もが認めるところである。
先日、東京駅の駅弁コーナーに立ち寄って駅弁を探す。ここには全国各地の駅弁が集められて販売されており、いつも売り場は大混雑、レジ前に行列ができる。そこで、峠の釜めしを発見して手にしたら、あれこれどうなっているの?
峠の釜めしといえば、陶器製の容器でズシリとした重さが大きな特徴。なんでも冷めないように駅弁を提供しようと、1953年(昭和28年)、亡くなった3代目の妻(4代目社長)によって考案され、天皇陛下にも献上された由緒ある駅弁で、それ以来守り通してきた容器であるはず。



私が写真の「峠の釜めし」を購入したのは3月の末。何と白い紙製の容器をカラフルな厚手の掛け紙が覆っている。その掛け紙には「信越本線横川駅・創業明治18年・元祖峠の釜めし」、「峠の釜めし本舗・おぎのや」と記載され駅弁マークも付されている。正真正銘の本物。
こちら調べてみると、「パルプモールド容器」と言って、サトウキビの搾りかす等を原材料にした、環境に優しい容器の使用を促進しているとのこと。2012年から導入だから、すでに10年が経過している。
陶器製の容器は、利用者から「重くて、持ち運びたくない」との声を受けて開発されたとか。釜めし販売当初のお客様本位の柔軟な対応がここにも活かされて、翌2013年には「GOOD DESIGN賞」も受賞している。



と言っても中身やカロリーは陶器製のものと一緒。釜めし型のミニ容器に漬物を添えるスタイルも一緒。陶器製のものが無くなった訳ではないのだが、パルプモールドの値段は1,100円と陶器のものより100円お安くなっている。
人気駅弁が伝統的な容器を守り続けることも大事ではあるが、おぎのや(荻野屋)はSDGs 達成に向けた取り組みを掲げており、従来の陶器製の容器のリサイクルやパルプモールド製の活用など図ることで目標達成と課題解決を図るとしている。
コロナ禍にあって駅弁業界も大変な局面を迎えている。アイディアを凝らした駅弁開発や販売方法にも各所で工夫がみられる。しかし、こうした時代を捉えた目標を掲げ、従業員と共有することこそ「峠」を越える力となる。おぎのや、天晴れ!




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