ださいたま 埼玉 彩の国  エッセイ 

埼玉県について新聞、本、雑誌、インターネット、TVで得た情報に基づきできるだけ現場を歩いて書くエッセー風百科事典

その風土1 西高東低

2014年07月16日 18時08分36秒 | 県全般
その風土1 西高東低

小さいころから地図を見るのが好きだ。方向音痴なのだから仕方がない。地図を見ても間違うから滑稽だ。右と左も、手を上げてみなければ分からないのだから。

埼玉県の北隣の群馬県にいた頃、有名な上毛カルタの中に「鶴舞う形の群馬県」というのがあったのを覚えている。この句には、群馬県人の誇りが秘められているように見える。

それでは、わが埼玉県は何の形に見えるか?  小さな東京都にのしかかっているように見えるずんぐりとした埼玉県は、どこから見ても鳥には見えない。

ぱっと思いつくのは、動物ならネズミやモグラ、それに水中なら魚、植物なら、江戸時代、庶民の大好物だった川越産のサツマイモである。

朝日歌壇に

 さつまいもの形と揶揄される埼玉県1都6県に囲まれ温(ぬく)し

という句が載っていたことがある。

何の形に見えるにせよ、東西103、南北52kmと東西に長いこの県は面積3800平方km。日本の都道府県の中では、広さでは39番目。狭い方から9番目といった方がいいだろう。日本の約百分の一の面積である。

NHKの夕方の天気予報で見て分かるように、東京都よりは大きい。面積では、東京都は45位、大阪府は46位なのだ。

秩父地方は、埼玉県でも別世界で大好きなので,何度出かけたことだろう。

埼玉県を西の方に行けば行くほど、「西高東低」だとつくづく思う。

日本の冬型の気圧配置で、大陸に高気圧、東の太平洋に低気圧がある型で、北西風が吹き、日本海側は天気が悪く、太平洋側は晴天乾燥が続く。

私の言う「西高東低」はもちろん、気圧配置のことではなく、埼玉県の地形のことである。地図を見れば歴然としているように、この県は西に行くほど標高が高くなる。

奥秩父にある埼玉、長野、山梨の県境にまたがる甲武信ヶ岳(甲州、武州、信州の頭文字をとる、2475m)が、埼玉県の最高峰だと思いこんでいた。本当は、そのすぐ北にある三宝山(2483m)が8mの差で高いらしい。

甲武信ヶ岳は、東に下ると入川(次いで荒川)、北に下ると千曲川(次いで信濃川)、南に下ると笛吹川(次いで釜無川、富士川)の源流だ。

日本の最高峰富士山は、富士山を水源とする湧水は数多くあっても、富士山を源流とする川は一本もない。

そう考えると、わが甲武信ヶ岳の偉大さが分かる。










最新の画像もっと見る

コメントを投稿