ださいたま 埼玉 彩の国  エッセイ 

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吉川美南駅 JR武蔵野線に新駅

2012年03月31日 19時07分19秒 | 街道・交通

JRの「武蔵野線」と言っても、東京都や千葉、神奈川県の住民にはピンと来ないかもしれない。埼玉県人が同じJRの「横浜線」「南武線」に実感が湧かないのと同じだ。

これに「京葉線」の東京寄りの路線を加え、4つの線を合わせて「東京メガループ」という呼び名があるらしい。2012年3月17日からのJRのダイヤ改正のパンフレットで初めて知った。

「ループ=Loop」は「輪」、「ループライン」とは「環状線」のこと。JRのループラインの代表は、東京の「山手線」だろう。

地図を見ると分かるとおり、京葉・武蔵野・南武・横浜の各線を結ぶと、山手線よりはるかに大きなメガループ(大環状線)、東京外郭環状線になっている。

これより輪の小さい「東京外環道路」は、住民の反対でなかなか全線開通できないでいるのに、JRでは「外環」はとっくに完成していたのだ。

武蔵野線は東京都、千葉県、埼玉県を結ぶ。もともとは貨物線だったから、鶴見駅(東海道本線)から千葉県の西船橋駅を結ぶ約100kmと鶴見駅と東京都の府中本町駅は今でも貨物専用で、旅客線は府中本町駅と西船橋駅間。三都県の中で埼玉県の区間が一番長い。

武蔵野市を通る線ではない。武蔵野の線なのだ。車窓には昔の面影はないものの、田んぼが広がっているところがよく見える。

府中本町駅には「東京競馬場」「多摩川競艇場」、船橋駅の一つ手前の船橋法典駅には「中山競馬場」のほか、競輪場やオートレース場にも近い駅があるので、ギャンブル好きの人にはなじみの路線のはず。

「ギャンブル線」との呼び名もある。開催日には、それらしき人たちで混雑する。

武蔵野線の前置きが長くなった。

この武蔵野線、東京近郊ということもあって、日本の人口減少の中で、最近、新駅が二つできた。この近くではまだ人口が増えているのである。

08年に「越谷レイクタウン駅」ができたのに続いて、今度は12年3月17日に「吉川美南(みなみ)駅」が開業した。26番目の駅である。

千葉県に接する埼玉県の東端吉川市の「吉川駅」と三郷市の「新三郷駅」の中間にある。「越谷レイクタウン駅」は、「吉川駅」の西側にある。

南流山駅で「つくばエクスプレス」に乗り換えれば、終点の秋葉原経由で東京駅、西に向かって武蔵浦和駅で埼京線を利用すれば新宿駅まで、いずれも1時間以内で行ける。

操車場跡地にできた駅だから、折り返し運転もできるので、将来、始発・終点になる可能性もある。

雨の中、17日に新駅を訪ねた。駅西口に「ケーズデンキ」や建売住宅の建設が進んでいるぐらいで、新開地の印象が強い。東口はまだ田んぼのままだった。

東隣の新三郷駅前には09年に大型商業施設「ららぽーと新三郷」がオープン、大きな調節池があるのでその名がついた越谷レイクタウン駅前には、国内最大級の「イオンレイクタウン」がある。

この一帯は「お買い物路線」の印象が強くなっている。

かつて武蔵野線は、強い風や雨でよく運休した。これも、荒川、中川、江戸川の橋に防風策を取り付け、路線の路盤ののり面を強化したので、運休が激減したという。

埼玉県内の武蔵野線は、千葉県寄りを中心にようやく脚光を浴びようとしている。


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