ださいたま 埼玉 彩の国  エッセイ 

埼玉県について新聞、本、雑誌、インターネット、TVで得た情報に基づきできるだけ現場を歩いて書くエッセー風百科事典

浦和のうなぎまつり

2010年12月28日 21時57分17秒 | 食べ物・飲み物 狭山茶 イチローズモルト 忠七めし・・・
浦和のうなぎまつり

浦和のうなぎはてっきり、浦和の「う」とうなぎの「う」が頭韻を踏んだごろ合わせに過ぎないと思っていた。

しかし、暇になって地元のイベントなどに顔を出しているうち、「浦和のウナギを育てる会」の幟をよく見かける。もらったチラシなどを読んでみると、けっこう歴史も由緒もあることがだんだん分かってきた。

10年5月29日の土曜日、「さいたま市浦和うなぎまつり」が市役所前広場や駐車場で開かれるというので、出かけてみた。今年で9回目。本命の蒲焼きや弁当には大行列。蒲焼きの香りを鼻にしながら寿司商組合がつくったうなぎ寿司で我慢することにした。

寿司ならまだいい方で、うなぎヤキソバ、うなぎオニギリもあり、遠路参加した三島うなぎ横町町内会(静岡県三島市)はうなぎまんじゅう、浜名商工会(同県浜松市)はうなぎネギマ、うなぎのまち岡谷の会(長野県岡谷市)はうなだれだんごを出品していた。

うなぎ関係に限らず、浦和工場産の文明堂のカステラや舟和の芋ようかん、それに手焼きせんべいやこんにゃく、鴨川市物産交流協会はさざえの壺焼きを売っているという具合で、3万5千人のにぎわいだった。

もらったチラシの「浦和のうなぎの履歴書」によると、始まったのは1700年頃で約300年の歴史がある。

はるか昔、浦和付近は海。地勢変化で沼や湿地帯が残ったので、たくさんとれるうなぎを中山道を通る旅人に提供し、好評を得た。「蒲焼き発祥の地」と赤字で強調しているものの、確たる証拠はないようだ。現在、約30店ものうなぎ料理専門店が営業しているという。

このため、さいたま市浦和区では、“うなぎのまち浦和”を推進しようとしている。

「育てる会」のマスコットは、アンパンマンの漫画でおなじみだった故やなせたかしさん(日本漫画家協会理事長も務めた)がデザインした「浦和うなこちゃん」。

JR浦和駅の西口に小さなおにぎり頭の石像がうちわを手にして立っている。女性や子供たちに大の人気、記念撮影する人も多い。さいたま市の観光大使でもある。もちろんこの日も登場した。

やなせさんは「うなぎ小唄」と「ウナギヌラヌラソング」を作詞、作曲、歌まで吹き込む打ち込みようだった。「やなせたかしとアンパンマンコンサート」が特設舞台のフィナーレだった。