巨大な勢力で進み方が遅いと言う台風8号の発生に気をもんでいたが、7月9~10日(木)の天気予報辺りから、様子が変わり関東上陸と言われた10日の晩は静かな夜であった。 11日の予報では台風の目は消え温帯低気圧に変わっていた。 アレ~ッどこえ?
でもこれで私たち山行の計画は決行となりました。 11日(金)夜行出発。 準備は既に整っていたので、バスが迎えに来てくれる道路に出て待った。 小田原駅西口出発21時、小田急開成駅出発21時半。 今回の参加者はスタッフを含め16名。
中央自動車道から長野自動車道へ、松本ICを出てR158を上高地方向に向かい、稲核ダム近くの道の駅に1時半到着。直ぐに仮眠に入った。 今回のバスは座席数の少ないゆったりサイズなので、リクライニングにして休んだ。
起床4時20分。洗面、朝食を済ませ、5時15分道の駅を出発。 釜トンネル手前を左折し、安房トンネル手前を右折、懐かしい九十九折りの旧R158を登り、新しくできた中ノ湯温泉旅館を過ぎた上部にある中ノ湯温泉登山口に6時到着。 少し広めの駐車場もあったが、すでに乗用車で一杯であった。
準備運動後、6時10分出発。 焼岳(南峰2,455m)は『日本百名山』の1つとして、近年人気の高い山である。
上高地にある大正池は1915年(大正4)年6月に焼岳の噴火により、梓川が堰き止められてできました。 焼岳が最後に噴火したのは1962年6月、それ以降は小康状態を保っており、それまであった登山規制の一部解除され、登山できるようになりました。
今回は中ノ湯温泉が、以前より上部に移ったのをきっかけに造られた、新中ノ湯登山道から焼岳を越え、上高地へ下るコースを計画しました。
登山道(出発6:10)入口から針葉樹林の中を30分ほど進み、苔むし木の根が飛び出した道を、ジグザグに登って行く。
標高1,600m辺りで平坦な湿地帯の道を汗をかかぬよう調整しながら通過し、再びダケカンバの林を登り、背の低いナナカマドの木々が目に入る頃より、木々の隙間から焼岳の岩肌が見えるようになってきた。
旧中ノ湯からの登山道と合流(7時55分)し、開けた眺めの良い広場が、丁度良い休憩場所でもある。 回りの景色に目をやったり、水分補給で10分とった。 (現在は旧中ノ湯登山道は災害により通行止)
焼岳に向かって左手方向にはササ原の斜面にシラカバの木、これが青空の中に何とも言えない素晴らしい景色に見えた。
下堀沢が右手に見える斜面を焼岳の北峰と南峰の鞍部に向かって高度を詰めて行く。
この岩場の急斜面をジグザグに登る様子は、富士登山を思い出した。 今日は焼岳への登山者が多く、高山植物よりも皆さんの登山ユニホームがカラフルで高山植物に勝っていました。
好天の中では何でも綺麗に見えて、とても得した気分に浸れました。 登りきり鞍部に出た。9時25分。
南峰は静かに岩というより溶岩が空に向かって盛り上がっていました。 対比する北峰は鼻息荒くシュウ、シュウと硫黄の臭いをまき散らし、近寄るなと言わんばかりに殺気立った感じを受けました。
それでも来た以上は山頂で1枚、パチリ。9時50分登頂。
それに焼岳には初めて登山したのですが、北峰と南峰のコルに出てビックリしたのが、火口湖が有ったのです。 初めての発見。ただの火口湖ではなく「正賀池」と名前も付いていました。
活火山であり殺風景な山を想像していましたが、イヤ何ととても素晴らしい山です。 以前に行った浅間山にも感動しましたが、活火山の山が好きになりました。
山頂を下り、ガスの臭わない北峰鞍部で昼食(10:15~10:40)を取り、そこからも焼岳小屋や西穂高山荘を眺めたり、上高地一帯、河童橋などが俯瞰できた。
お腹を満たした後、緊張感を持って中尾峠に向け、荒涼としたガレ場の急斜面に取付いた。10時45分。 ウッカリ浮石を踏めば落石発生の下りである。私は最後尾を歩き、早い人が後ろに来ても、ここでは道を譲らず後ろに付いて頂いた。
下りは登り以上に緊張する。怪我人を出さない事が第一使命なので。 中尾峠に下りホッと。皆さんにも花を見る余裕が出て来た。
山頂からは手の届く所に焼岳小屋が見えたが、下に降りると展望台と言う小さな山を越えてから小屋に着いた。12時丁度に到着。
15分休憩後、上高地に向け、下山開始。 小屋の前を通り、草付の急斜面を下り、再び樹林の中を進み、垂直した岩場にアルミ製ハシゴが3本つなげられた約10mほどを下る。 ここでも上下に1人づつ待機し、女性陣を1人づつ順次、慎重に降りて頂いた。
その後も樹林帯の中を下ると、右手に峠沢が切れ落ちた細い道を行く。 熊笹で見にくいが余り右に踏み込むと火山灰が崩れた峠沢に転落の恐れあり、注意喚起をした。
梓川沿いの焼岳登山口通過 14時20分。 田代橋通過 14時半。
帝国ホテル前で待機したバスに乗車14時50分。そのまま「せせらぎの湯」へ直行。汗を流して帰途に着いた。