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「プリウス」リコール

2010-02-09 14:45:19 | 広島の生活
 産経抄 《産経:'10.2.9》
 トヨタ自動車に対する厳しい批判の声が,米国で燎原の火のように広がっている。トヨタのエコカーの象徴ともいえるハイブリッド車「新型プリウス」のリコールにまで事態は進んでしまった。トヨタへの失望を,品行方正が売り物だったゴルフのタイガー・ウッズ選手の,女性スキャンダルになぞらえる報道まであった。
▼アクセルペダルの不具合についての苦情は,数年前からあったという。その段階で適切な処置をとっていたら,ここまで問題は深刻化しなかったはずだ。日本を代表する企業にもかかわらず,対応が後手後手に回ってしまった。
▼中国の伝説の思想家,老子が2500年前すでに,危機管理の要諦を
「図難於其易,為大於其細」
と述べている。作家の新井満さんの「自由訳」ではこうなる。
「大きなトラブルは 小さいうちに むずかしいトラブルは やさしいうちに
 片付けておかなければならない
 表面にあらわれてしまってからでは おそすぎるのだ」
▼老子はまた,
「曲(きょく)なれば全(まった)し」
とも言う。
確かに,曲がった木のように,目立たない方が生き残りに有利だ。
トヨタといえば,今や世界一の自動車メーカーとして,まっすぐにそびえる巨木である。それだけに風当たりが強くなるのも,当然といえる。
▼今年11月の中間選挙を控えて政府や議会が,景気の低迷に対する人々の不満のはけ口として,「トヨタたたき」を利用している,との見方もある。米軍普天間飛行場の移設をめぐって,日米関係がぎくしゃくしている問題も,微妙に影を落としているようだ。
▼いずれにしろトヨタには,信頼回復に全力を傾けてほしい。老子の言葉を借りれば,「小魚を煮るように」,あせらず,着実に。
 

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