イワシの翻訳LOVE

はしくれトランスレータ「イワシ」が、翻訳への愛をつれづれなるままに記します。

懐かしい友とのターヘルアナトミア的な邂逅

2008年11月14日 15時01分34秒 | Weblog
二日前、京都から遊びに来ていた友人と両国の江戸東京博物館に行った。彼女と会うのは7、8年ぶりだ。さすがにちょっとだけ緊張したけど、顔をみたらすぐに昔の感覚が戻ってきた。懐かしく、うれしい。毎日のように顔を合わせていたあのころの空気にすぐに戻れたような気がしたのは、きっと10年近くも同じ時間を過ごしていたからに違いない。つもる話は山ほどあるのだけど、博物館のなかにいるから、とりあえず目の前にある品々についての感想を述べ合う。でもそれが逆に彼女と昔ふつうに会話していたときのことを思い起こさせてくれた。

江戸東京博物館に入るのは初めてだ。江戸から現代にいたる東京の歴史は、いつの時代にも変わらない人間の根本的な部分と、文化や文明によって翻弄される社会のあまりの変わり様を同時に見せてくれるものだった。特に、『ターヘルアナトミア』の写本には感動した。これぞ、元祖翻訳Love。辞書もろくになかった時代によく訳したものだ。写本の前でしばし立ち尽くす。

博物館を出て、電車に乗る。ずいぶんとご無沙汰してしまっている京都の友人たちの近況を彼女に訊ねる。東京に出てきて8年目。過去はどんどん遠ざかっていくようにも思える。だけど、実は過ぎ去った日々はすぐ近くにあって、仲間たちも僕と同じように変わらず毎日を生きている。それを実感できた。

品川の水族館にも行く予定だったのだけど、博物館で3時間以上も過ごしてしまったので、行けなくなってしまった。僕は夕方から別の友人と会う約束をしていたので、渋谷を軽く散策してから彼女とわかれた。Jさん、とっても楽しかったです。また会いましょう!


渋谷から新宿に向かい、19時に東口でK君と会う。K君と会うのも5年ぶりくらいだ。このブログをたまに読んでくれている彼が、久しぶりに連絡してきてくれたのだった。居酒屋に入りビールで乾杯する。同い年ということもあって何かと通じるものも多く、話はつきない。彼とは人生についての本質的な部分を自然に話題にできる気がする。

当時と比べれば、お互い年齢を重ねただけ視野も広がり、より自分らしく生きることができるようになったのではないかと思う。でも、ふたりともこれから先に大きな変化が待っている。大きな力にさからえずに振り回されてきたのが若かった(といってもそれほど若くはなかったが)僕たちだとするならば、これからの僕たちは自らの意思で、自分なりの方法で、世界を切り開いていこうとしているのかもしれない。生きていくことは簡単ではないけれど、僕以上に自由人でチャレンジャーな彼を見ていると、楽しみながら自分らしく生きていきたいと強く感じる。麺屋海神でシメのラーメンを食べ、彼とわかれた。Kちゃん、ありがとう。また会いましょう!




すぐそばに息づく過去を感じつつ 旧友と眺め『解体新書』

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