イワシの翻訳LOVE

はしくれトランスレータ「イワシ」が、翻訳への愛をつれづれなるままに記します。

1円奇譚

2009年06月26日 16時13分56秒 | Weblog
僕が翻訳を担当させていただいた本の1冊が、Amazonのマーケットプレイスで1円で売られていることに気づきました (゜д゜;) しかも5冊も!

前々から価格がかなり下がっていることは気付いていたのですが(実は、自分でも何冊か購入しました)、それでも100円くらいでした(これでも十分悲しい)。

それが、1円ですよ、1円......。

20冊買ってもチロルチョコ1個。380冊大人買いしても、吉野家の牛丼、並盛り一杯分の価値しかないということです。しかしまあ、じっさい市場原理の法則に従えば、まさにそれだけの価値しかないわけです。

「1円を笑うものは1円に泣く」と言いますが、まさに訳者としては笑いたいような泣きたいような心境です。

でも、読者にとっては喜ばしいことかもしれません。僕の「名訳」が1円で読めるわけですからね(なんて)。

すかさず「名訳」じゃなくて「迷訳」だろという声が聞こえてくるようですが、正直、否定できません。まあさらに言えば、様々な意味において「迷惑な訳」といったところでしょうか。1円という価格は妥当かもしれません。

実際には、送料が340円かかるので、1円で購入できるわけではありません。341円必要なわけです。商品の340倍の送料がかかるわけです。アマゾンマジックですねこれは。

しかし問題は売る方です。いくらなんでも、1円で売って商売になるのだろうか? という疑問を禁じ得ません。そこまでヤケにならなくてもいいだろうに、と。

調べてみると、実は送料を安く抑えることで、1円で本を売っても、100円ちょっとの利益が出るそうです。なるほど。

地道に100円を積み重ねることで利益を上げていこうという、売り手の商売魂をヒシヒシと感じます。すごい。

しかしこちとらそれを黙って指をくわえているのもしゃくです。いっそのこと、自分でその1円本を大量購入してやろうかと思います。そして、その本をマーケットプレイスで同じく1円で売り直してやるのです。意味、ないですね。

購入した人はちょっとびっくりするかもしれません。訳者から直接本が送られてくるのですから。嫌がらせかと思うかもしれません。

頼まれてもいないのに、勝手にサインなんかしたりして。「いらんことしやがって、本の価値が落ちるじゃないか!」とクレームを言われてしまいそうです。でも、そしたらこう言い返してやります。「これ以上、落ちようがないだろ」と。どうです? 相手はきっと「こりゃ1円、じゃなくて一本取られたな」と思うはずです。なんて低レベルな闘いでしょうか。

しかしせめて、5円にして欲しかったですね。いいご縁がありますように、って感じで、なんだかそれだったら安くても縁起物って感じがして許せる気がします。

でもまあ、1円でも売買されているウチが華です。5冊で5円。いいご縁がありますように!






最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
一円! (sayuri)
2009-06-26 22:22:27
こんにちは。久しぶりに遊びに来て見ました~。
アマゾンって一円で売ってる本もあるの?!
しかも自分でかかわった本だと、なんだか腹が立ちません?

そういう値段設定って、なんだかよくわかんない。
本ではなくとも、やたらと安くするのってどうなんだろうね。
むむむ……
返信する
下げ止まり (iwashi)
2009-06-27 03:41:03
sayuriさま

コメントありがとうございます!!
1円は正直、寂しいものがありますね~(^^)
でも、それだけ本がたくさん流通していると言えなくもないですが...

将来的には希少価値が高まって、プレミア価格になることを祈っています(^^)ここまで落ちたら、あとは上がるだけですから!
返信する
時間との駆けっこ (kame)
2009-06-27 19:23:24
そうですか。さぞかし、複雑な心境でしょう。ところで、こんな考え方もできるのでは、ないでしょうか。あれ、あれですけど、あれが1円で売られている頃には、イワシさんは名翻訳家になられていると信じています。さあ、時間との駆けっこですよ。すぐには1円にはならないはずです。なっちゃ困ります・・・。いずれにせよ、気長にいきましょう。
返信する
意外と... (iwashi)
2009-06-27 19:37:59
kameさん

あれが1円になる日までに...そうですね、それを目標にして頑張ります!
意外とすぐになったりして(^^)いや、いやいや、あれは絶対プレミア本になるはずです!
返信する

コメントを投稿