おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
岸見一郎さんの最新著『アドラーに学ぶ よく生きるために働くということ』(岸見一郎著、ベスト新書、780円+税)の再度の紹介です。
前回は8月4日付けブログで 不安と期待の違い:『アドラーに学ぶ よく生きるために働くということ』から として書いています。
まず、この本の全体を貫くポジションは、「働くことの意味を職場で働くという狭義でなく、活動、さらには生きることと同義で考察」(はじめに)していることで、その意味では、ワークタスクを中心としてはいますが、ライフタスクそのものとの私たちの取り組みについて考えさせられる本で、「無位無官という生き方」も独自の色彩を放っています。
本全体を通して、私に大きく参考になったのは次の3つです。
1.生産性で自分の価値を計らない
人間の価値は「何ができるか」ではなく、「生きていることそれ自体」にあることをいつも知っておくことが大切。
人の価値を何ができるかということに見ている限り、自分についても他者についてもいわば理想からの引き算でしか見ることができなくなる。
2.競争から降りて第一義を取る
(1)対人関係を競争と捉えている限り、対人関係の悩みが尽きない。
(2)働くときは、何が第一義かをよくよく考え、不要なものは捨てる。時には義理を欠くことを恐れない。
3.本願力が人を仕事に向かわせる
仕事を「天職」と感じられるようになる本願力が備わると、人を仕事に向かわせ、その力に抗うことができなくなる。
こうして書いてみると、岸見さんご自身が「無位無官という生き方」を選び、生きることと同義の活動への取り組みがあったからこそ、最近の大活躍として花を開いたことがうなづけます。
岸見さんと比べるのも変ですが、私はある部分共通したところ(本願力の部分)もありますが、ずっとずっと俗っぽく、違ったトーンの本を書く人間なのだ、ということを改めて感じました。
できれば、併せ読むことをお勧めします。
(注)どちらの本もヒューマン・ギルドで取り扱っています。
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