チリの地獄の避難所で仲間を励ました現場監督、中国船事件で慌てふためき、怒鳴りまくった菅直人首相

2010年10月13日 23時42分20秒 | 政治
◆チリ北部のコピア近郊のサンホセ鉱山の落盤事故(8月5日)で作業員33人が深さ600m以上の地下避難所に閉じ込められていた。この救出作戦か10月13日午前(日本時間)から始まった。この日夜までに14人が、救出カプセル「フェニックス」で1人ずつ引き上げられた。
 この事故は、世界的な銅需要の急増により、大小さまざまな鉱山会社が設立されて、採掘が加熱、その半面、安全対策が疎かになり、落盤事故が多発し、つい最近でも一度に30人が生き埋めになったという。今回の落盤事故もこういう状況のなかで発生している。それにしても、地下避難所に閉じ込められ33人が、運良く生き埋めを免れたのは、不幸中の幸いだった。
 当初、全員救出には今年末まで時間がかかりそうだという予測に反して、2ヶ月半も早く救出作業が始まったのは、チリ国内ばかりでなく、アメリカ航空宇宙局はじめ諸額国の技術陣、リスキュー隊員、医療団など数多くの人々の協力があった賜物である。 
◆今回の事故は、夏目漱石の「坑夫」を思い出させてくれた。あらすじは、以下の通りである。
 主人公は19歳の青年。恋愛事件のために家を出奔し、松林を永遠と歩いていて、一人の周旋屋から坑夫の仕事の誘いを受ける。主人公は、比較的金持ちの家の出なので、坑夫という職業とは縁遠かったが、自暴自棄から別に死んでも構わないくらいの心持で坑夫になる決断する
 赤毛布や小僧の飛び入りする奇妙な道中を続けた末、銅山に辿り着く。飯場にひとり放り出された青年は、教育の無い下流社会に属す異様な風体の坑夫たちに嚇かされたり嘲弄されたりしながらも、地獄の坑内の深くまで降りていく。
 坑内の暗い中で一人の教育のある人格者・安さんに出会う。安さんに坑夫を辞めて社会に戻るよう勧められ、5ヶ月間、帳附の仕事をして東京に帰る。
 この小説はある人物から持ち込まれた情報を素材にしている。漱石の「朝日新聞」連載第一作、『虞美人草』に続く連載第二作であり、連載が予定されていた島崎藤村(1872-1943)の『春』ができ上がってこなかったことから、ピンチヒッターとして急遽採用された。
◆この作品は、日本が産業革命を進めているなかで、その産業素材の1つである地獄のような坑内の奥深くの銅鉱山で働く坑夫の姿を捉えている。世の中の高見に位置する夏目漱石が、産業構造の底辺に視線を向けて、ベルグソンの生の哲学と意識流れ理論をベースにそこで働く者たちの心裡の流れを克明に追っているところが、明治の文豪らしく、新しかった。後に台頭する小林多喜二の『蟹工船』に代表されるようなプロレタリアート文学は程遠い。それにもかかわらず、日本の文学史上初めてとも言えるドキュメントであった。
◆銅山と言えば、住友財閥の別子銅山や古河財閥の足尾銅山(足尾鉱毒事件を起こす)などが、想起される。さらに、日本は、エネルギー源としての石炭産業が盛んになり、北海道夕張三井炭鉱をはじめ、九州の三池炭鉱、三菱の高島炭鉱など各地で石炭が増産され、このなかで、落盤事故やガス爆発、水没などの事故が頻発して、多くの作業員が貴い命を失った。いかに安全対策を施しても事故を完全にゼロにすることは難しい。
 現在、世界各国は、レアアースの確保をめぐり資源戦争を激化させている。それだけに各鉱山や採掘現では、安全対策の不備により、これまた数多くの作業員が危険にさらされている。鉱山各社が安全対策に力入れるのは言うまでもなく、各国政府は、行政指導力を強化することが求められる。
 今回事故で、幸いだったのは、33人の作業員なかに、極めて優秀な現場監督(ルイス・ウルスワさん、54歳)がいたというとことである。死と背中合わせの大窮地のなかで、パニックを抑えて冷静かつ果敢に指導力を発揮、しかも69日の長期間、秩序を維持し、仲間に希望を与え、奇跡を信じて励まし続けるのは、本当に並大抵のことではない。まさに、ここに指導者あり、という感がある。
 これに引き換えて、日本の最高指導者のなんと貧弱なことか。尖閣諸島海域で中国船(スパイ工作船)が海上保安庁の巡視船に衝突した事件で、海上保安庁船長、乗組員、工作船ともども拿捕し、船長を逮捕したという報告を受けて、菅直人首相(64歳)は、慌てふためき、側近たちを怒鳴りつけたという。仙谷由人官房長官(64歳)は、菅内閣に責任が及んでこないように、必死で隠蔽工作に走り回り、最後は、那覇地検に外交責任まで押し付けたというのであるから、何おかいわんやである。情けない政府である。かわいそうなのは、日本国民である。

本日の「板垣英憲(いたがきえいけん)情報局」
小沢一郎元代表が、「国連中心主義」を機軸にした報告書を発表してディビッド・ロックフェラーの怒りを買って以来、「小沢潰し」に遭っている

◆小沢一郎元代表が、東京地検特捜部の捜査を受けたのは、沖縄普天間飛行場と移設先の辺野古周辺に「土地」を購入していたのが、「胡散臭い、何か不正があるのではないか」と疑われたのが直接的な原点だった。しかし、いきなり沖縄から捜査を着手するのは難しいと判断して、手近なところ、すなわち東京都世田谷区内に買っていた土地について、政治資金規正法などに引っかかるような記載ミスはないかと探すことから始めた。いわゆる「引きネタ」(捜査対象を引っ張ってくる材料)という捜査手法である。


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「小沢一郎という男の野望」1992年初版 板垣英憲著 NO.22(第三章 受け継がれた政治家の血)

第三章 受け継がれた政治家の血

角栄から"政治"を学ぶ

 健全な子というのは、親の庇護の下でいつまでもぬくぬくとしているのを好まないものである。いくら二世議員であるからとはいえ、親に感謝しつつ、親の遺産の上にあぐらをかき続けていたのでは、他人から馬鹿にされる。
「親の七光り」
 この言葉は、二世、三世議員が最も嫌う言葉である。自民党国会議員の六割が、二世、三世議員であり、いまや封建時代の世襲制度を想起させるように極めて好ましくない状態ができ上がりつつあること自体、いま、世襲議員が一番恐れている現象でもある。

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四王天延孝陸軍中将の名著「猶太思想及運動」~板垣英憲が解説~No.17


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