NHKの大河ドラマ「義経」(平成17年)が、高視聴率(初回24.2%、2月13日24%)を記録して推移している。そのお陰だろうか。このところ、全国各地の講演会主催者から依頼される際、「板垣英憲の好評講演テーマ」のうち「源義経の『奇襲戦法』に学ぶ企業経営~意表を突いて消費者の心をつかむ」を選ばれる件数が増え続けている。 源平合戦のヒーロー「九郎判官・源義経」の真骨頂は、「奇襲戦法」にある。「一の谷の合戦(ひよどり越え)」「屋島の合戦」をはじめ相手(敵)の意表を突く「奇想天外なアイデア」と「絶好のタイミング」とが相まって、「必勝の戦術」となり、「戦術の天才」の戦いぶりは、いまでも語り草となっている。
源義経の「奇襲戦法」は、毛利元就の「厳島合戦」、織田信長の「桶狭間の合戦」、大石内蔵助の「吉良邸討ち入り」、さらに大日本帝国海軍の「真珠湾攻撃」へと引き継がれて、「奇襲戦法」はいわば日本のお家芸とも称されるようになった。
「奇襲戦法」は、単に戦争の戦術に止まらない。企業経営やビジネスにおいても、「商売必勝戦術」の一つとして使い方次第では、非常に有効に働く。「奇襲戦法」を繰り広げる大河ドラマ「義経」を参考にし学びつつ、「意表を突いて消費者の心をつかむ奇襲戦法」に生かす。これが、講演テーマの趣旨である。
ビジネスへの応用といえば、松下電器産業の「世界同時垂直発売方式」が、最近の事例だろう。最新事例で言えば、ライブドアの堀江貴文社長の「ニッポン放送株」買い占めがまさしく「奇襲攻撃」である。時間外に「ニッポン放送株」の発行株式のうち35%を買い占め、世間を驚かせた。それが2月21日現在、39%に達していたことが判明している。自民党や日本経済団連など政財界から批判の声が浴びせられるなかで、民主党の岡田克也代表は「ル-ルに従って行っていることだから、何ら問題はない」と堀江社長を擁護している。さすがに、江戸時代から200年続いた岡田屋7代目・岡田卓也イオン会長の二男である。アメリカ流のビジネスモデルを小売業に日本の導入し、ジャスコから大成長し、いまやチェーンストアの頂点に立っているのがイトーヨーカドーと並ぶイオングループである。
「自民党や日本経済団連など政財界」が「平家」とすれば、「民主党やイトーヨーカドーと並ぶイオングループ」は「源氏」と言ったところである。
源平合戦で源義経が登場する前までは、双方が駒を進め、互いに名乗りを上げて、先祖代々からの家柄を紹介し合って、おもむろに一騎打ちするのが、武士の作法だった。ゆえに、「一の谷の奇襲」や「屋島の奇襲」は、「卑怯で武士らしくない」と義経は不評を買ったという。
だが、平家が亡び、時代が鎌倉から室町、戦国時代へと進むにつれて、義経は、「奇襲戦法の元祖」扱いされ、「天才戦術家」としての評価を高めていく。
実際に血を流し合う戦争とビジネス戦争との違いはあるものの、欧米流のビジネスモデルが日本市場で盛んに行われるようになれば堀江社長の「奇襲戦法」が、「当たり前」になってくるのは、時間の問題である。
堀江社長は日本のビジネス社会における「現代の源義経」と言ってもよいだろう。ただし義経を追討した兄・頼朝と政治参謀の大江広元のような「政略家」が日本の政財界にひしめいていることに堀江社長は十分注意し、悲劇のビジネスマンにされてしまわないように警戒を怠ってはならない。

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源義経の「奇襲戦法」は、毛利元就の「厳島合戦」、織田信長の「桶狭間の合戦」、大石内蔵助の「吉良邸討ち入り」、さらに大日本帝国海軍の「真珠湾攻撃」へと引き継がれて、「奇襲戦法」はいわば日本のお家芸とも称されるようになった。
「奇襲戦法」は、単に戦争の戦術に止まらない。企業経営やビジネスにおいても、「商売必勝戦術」の一つとして使い方次第では、非常に有効に働く。「奇襲戦法」を繰り広げる大河ドラマ「義経」を参考にし学びつつ、「意表を突いて消費者の心をつかむ奇襲戦法」に生かす。これが、講演テーマの趣旨である。
ビジネスへの応用といえば、松下電器産業の「世界同時垂直発売方式」が、最近の事例だろう。最新事例で言えば、ライブドアの堀江貴文社長の「ニッポン放送株」買い占めがまさしく「奇襲攻撃」である。時間外に「ニッポン放送株」の発行株式のうち35%を買い占め、世間を驚かせた。それが2月21日現在、39%に達していたことが判明している。自民党や日本経済団連など政財界から批判の声が浴びせられるなかで、民主党の岡田克也代表は「ル-ルに従って行っていることだから、何ら問題はない」と堀江社長を擁護している。さすがに、江戸時代から200年続いた岡田屋7代目・岡田卓也イオン会長の二男である。アメリカ流のビジネスモデルを小売業に日本の導入し、ジャスコから大成長し、いまやチェーンストアの頂点に立っているのがイトーヨーカドーと並ぶイオングループである。
「自民党や日本経済団連など政財界」が「平家」とすれば、「民主党やイトーヨーカドーと並ぶイオングループ」は「源氏」と言ったところである。
源平合戦で源義経が登場する前までは、双方が駒を進め、互いに名乗りを上げて、先祖代々からの家柄を紹介し合って、おもむろに一騎打ちするのが、武士の作法だった。ゆえに、「一の谷の奇襲」や「屋島の奇襲」は、「卑怯で武士らしくない」と義経は不評を買ったという。
だが、平家が亡び、時代が鎌倉から室町、戦国時代へと進むにつれて、義経は、「奇襲戦法の元祖」扱いされ、「天才戦術家」としての評価を高めていく。
実際に血を流し合う戦争とビジネス戦争との違いはあるものの、欧米流のビジネスモデルが日本市場で盛んに行われるようになれば堀江社長の「奇襲戦法」が、「当たり前」になってくるのは、時間の問題である。
堀江社長は日本のビジネス社会における「現代の源義経」と言ってもよいだろう。ただし義経を追討した兄・頼朝と政治参謀の大江広元のような「政略家」が日本の政財界にひしめいていることに堀江社長は十分注意し、悲劇のビジネスマンにされてしまわないように警戒を怠ってはならない。

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