一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

398  留守の子の玩具片付く秋の暮

2011年10月18日 | 

(るすのこの/おもちゃかたづく/あきのくれ)

 

確か私は、小学校の高学年になってから個室を与えられた、と思う。しかし何度言われても、ずぼらな私が掃除などするはずがなく、部屋は散らかり放題だった。

 

ある日学校から帰ると、部屋がピカピカにきれいになり、整頓されている。そういうことが、時々あった。母が、堪忍袋の緒を切らしての掃除に違いなかった。

 

部屋がきれいになっているのは嬉しいが、何がどこにあるのか、さっぱり分からないのが悔しい。そこで、仕方なく母親に訊ねると、

 

「ああ、それは机の引き出しの上から3番目にあるわよ」

 

などと正確に答えるのが、癪にさわるのだった。将来の私が家出する原因の一つは、こんなところにもあったのである。

 

 

ザクロ(石榴、柘榴)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする