(だいこんを/まくだけのあめ/ねがいしに)
この句は、10月3日の朝日俳壇の稲畑汀子選の一句。評には
「大根を蒔くだけの一雨が欲しい作者。いざ降ると、大洪水を誘うほどだったのであろう。ままならぬ自然を託つ」とある。
この句の「希ひしに」は、「作者の願い通りにはならなかった」、という意味だが、降ったのか降らなかったのか、降ったとしてもどの程度降ったのか、は一言も言っていない。
確かに、評の通り①大雨が降ったのかもしれない。先日の12号、15号があったから、当然の解釈だろう。
そしてもう一つ、②何日も全く降らなかったのかもしれない。つまり、雨乞いの句かもしれないのである。
仙石原の湿性花園とススキ