増補改訂しました。
若 ジャク・ニャク・わかい・もしくは 艸部
解字 甲骨文は髪を振り乱し手を上げ、神がかり(トランス状態)となって神意をききとる人の象形。[甲骨文字辞典]は「甲骨文字では神が承諾すること。具体的な神名を挙げずに物事がうまくいく意味で使う場合が多い」とする。金文は人の口がつき神意を言う形。意味は、①順利(うまくいく)、②各種の助辞、に用いられている[簡明金文詞典]。篆文は上が草冠、下が右の若となり形が大きく変わった。[説文解字]は「菜を擇(えら)びつむ也(なり)。艸に従い右から構成される」とするが、この解字は継承されていない。
現在の意味は金文からある各種の助辞が中心であり、日本では同音の弱ジャク(よわい)⇒年少である⇒「若い」意味で使われる。中国では「若い」意味はない。
意味 (1)かくのごとく。ごとし(若し)。「自若ジジャク」(自らの若し。いつもの自分と変わらず動じない)「泰然自若タイゼンジジャク」(落着き払って動じない) (2)もしくは(若しくは)。もし(若し)。 (3)いくらか。すこし。「若干ジャッカン」 (4)梵語の音訳語。「般若ハンニャ」(智慧の意)(5)(国)わかい(若い)。「若年ジャクネン」「若輩ジャクハイ」
イメージ
「神がかりになった人」(若・惹・匿・慝)
「神意をうける」(諾)
「その他」(鰙)
音の変化 ジャク:若・惹 ダク:諾 トク:匿・慝 わかさぎ:鰙
神がかりになった人
惹 ジャク・ジャ・ひく 心部
解字 「心(こころ)+若(神がかりになった人)」 の会意形声。神がかりになった人の心の意。神のお告げをうけた心の状態をいい、ひきおこす意味となる。
意味 (1)ひきおこす。「惹起ジャッキ」(ひきおこす)「惹禍ジャッカ」(わざわいをひきおこす) (2)[国]ひく(惹く)。ひきつける。「人目を惹く顔立ち」「惹句ジャック」(人をひきつける文句。キャッチフレーズ)
匿 トク・かくれる 匸部かくしがまえ
解字 「匸(閉ざされた場所)+若(神がかりになった人)」の会意。神がかりになった人が閉ざされた場所にいること。閉ざされた場所にいるので、かくれる意となる。
意味 かくれる(匿れる)。かくまう(匿う)。かくす。「匿名トクメイ」(名前をかくす)「秘匿ヒトク」(秘密にかくす)「蔵匿ゾウトク」(人に知られないようにかくす)
慝 トク 心部
解字 「心(こころ)+匿(かくれる)」の会意形声。閉ざされた場所にかくれた人は、神意を聞くことができなくなり、心が悪くなること。
意味 わるい。よこしま。「邪慝ジャトク」(邪も慝も、よこしまの意)「慝淑トクシュク」(悪いことと、よいこと。悪と善)
神意をうける
諾 ダク 言部
解字 「言(ことば)+若(神意をうける)」 の会意形声。神意をうけて言葉をだすこと。
意味 (1)こたえる。はいと答える。「応諾オウダク」 (2)うべなう(諾う)。同意する。承知する。引き受ける。「承諾ショウダク」「快諾カイダク」
その他
鰙 ジャク・わかさぎ 魚部
わかさぎ(「茨城をたべよう・ワカサギ」より)
解字 「魚(さかな)+若(ジャク)」の形声。中国ではジャクという名のカレイ目の海水魚の名。日本ではワカサギのワカに「若」を当て魚へんをつけた字。
意味 わかさぎ(鰙)。キュウリウオ科の魚。体は細長く15センチほど。汽水・淡水にすむ。氷が張った湖での穴釣で有名。若鷺・公魚とも書く。アマサギ・サクラウオとも言う。
語源 ワカサギは若い鷺(さぎ)の意で、若いは幼い・小さい意、鷺(さぎ)は白い鳥なので「白い」意。あわせて「小さく白い(若々しく白い)」魚の意。
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
若 ジャク・ニャク・わかい・もしくは 艸部
解字 甲骨文は髪を振り乱し手を上げ、神がかり(トランス状態)となって神意をききとる人の象形。[甲骨文字辞典]は「甲骨文字では神が承諾すること。具体的な神名を挙げずに物事がうまくいく意味で使う場合が多い」とする。金文は人の口がつき神意を言う形。意味は、①順利(うまくいく)、②各種の助辞、に用いられている[簡明金文詞典]。篆文は上が草冠、下が右の若となり形が大きく変わった。[説文解字]は「菜を擇(えら)びつむ也(なり)。艸に従い右から構成される」とするが、この解字は継承されていない。
現在の意味は金文からある各種の助辞が中心であり、日本では同音の弱ジャク(よわい)⇒年少である⇒「若い」意味で使われる。中国では「若い」意味はない。
意味 (1)かくのごとく。ごとし(若し)。「自若ジジャク」(自らの若し。いつもの自分と変わらず動じない)「泰然自若タイゼンジジャク」(落着き払って動じない) (2)もしくは(若しくは)。もし(若し)。 (3)いくらか。すこし。「若干ジャッカン」 (4)梵語の音訳語。「般若ハンニャ」(智慧の意)(5)(国)わかい(若い)。「若年ジャクネン」「若輩ジャクハイ」
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「神がかりになった人」(若・惹・匿・慝)
「神意をうける」(諾)
「その他」(鰙)
音の変化 ジャク:若・惹 ダク:諾 トク:匿・慝 わかさぎ:鰙
神がかりになった人
惹 ジャク・ジャ・ひく 心部
解字 「心(こころ)+若(神がかりになった人)」 の会意形声。神がかりになった人の心の意。神のお告げをうけた心の状態をいい、ひきおこす意味となる。
意味 (1)ひきおこす。「惹起ジャッキ」(ひきおこす)「惹禍ジャッカ」(わざわいをひきおこす) (2)[国]ひく(惹く)。ひきつける。「人目を惹く顔立ち」「惹句ジャック」(人をひきつける文句。キャッチフレーズ)
匿 トク・かくれる 匸部かくしがまえ
解字 「匸(閉ざされた場所)+若(神がかりになった人)」の会意。神がかりになった人が閉ざされた場所にいること。閉ざされた場所にいるので、かくれる意となる。
意味 かくれる(匿れる)。かくまう(匿う)。かくす。「匿名トクメイ」(名前をかくす)「秘匿ヒトク」(秘密にかくす)「蔵匿ゾウトク」(人に知られないようにかくす)
慝 トク 心部
解字 「心(こころ)+匿(かくれる)」の会意形声。閉ざされた場所にかくれた人は、神意を聞くことができなくなり、心が悪くなること。
意味 わるい。よこしま。「邪慝ジャトク」(邪も慝も、よこしまの意)「慝淑トクシュク」(悪いことと、よいこと。悪と善)
神意をうける
諾 ダク 言部
解字 「言(ことば)+若(神意をうける)」 の会意形声。神意をうけて言葉をだすこと。
意味 (1)こたえる。はいと答える。「応諾オウダク」 (2)うべなう(諾う)。同意する。承知する。引き受ける。「承諾ショウダク」「快諾カイダク」
その他
鰙 ジャク・わかさぎ 魚部
わかさぎ(「茨城をたべよう・ワカサギ」より)
解字 「魚(さかな)+若(ジャク)」の形声。中国ではジャクという名のカレイ目の海水魚の名。日本ではワカサギのワカに「若」を当て魚へんをつけた字。
意味 わかさぎ(鰙)。キュウリウオ科の魚。体は細長く15センチほど。汽水・淡水にすむ。氷が張った湖での穴釣で有名。若鷺・公魚とも書く。アマサギ・サクラウオとも言う。
語源 ワカサギは若い鷺(さぎ)の意で、若いは幼い・小さい意、鷺(さぎ)は白い鳥なので「白い」意。あわせて「小さく白い(若々しく白い)」魚の意。
<紫色は常用漢字>
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