先の字形変遷図を充実させました。
先 セン・さき 儿部にんにょう
解字 甲骨文は「止(足)が下線から出るかたち+人」 の会意。人の上に出発する足を加えて、先にゆく人を表す。甲骨文字では臣下が王に先立って行く意味での用例が多いという[甲骨文字小字典]。他の人より先に行く意が原義で、また、時間のあとさきの意味にも用いる。字形は篆文で上部が山の形に近くなり、隷書で山の右タテ線がとれ、楷書で上が𠂒に、下が儿の先になった。
意味 (1)さき(先)。さきのほう。「先頭セントウ」「先導センドウ」 (2)さきにゆく。さきだつ。さきんじる。「先着センチャク」「先駆者センクシャ」 (3)時間的にはやい。以前。「先日センジツ」「先代センダイ」
イメージ
「さき」(先・筅・銑)
「出発する人のあし」(洗)
「形声字」(跣)
音の変化 セン:先・洗・跣・筅・銑
さき
筅 セン・ささら 竹部
解字 「竹(たけ)+先(さき)」の会意形声。竹の先を割って加工した道具。
鍋を洗う筅・「媽祖好神」より
茶筅
意味 (1)ささら(筅)。竹の先を細かく割った、鍋や釜を洗う道具。(2)茶道具のひとつ。「茶筅チャセン」(抹茶に湯を入れ茶碗の中でかきまわす道具)
銑 セン・ずく 金部
解字 「金(金属)+先(さき)」の会意形声。日本では、溶鉱炉から先にでる炭素分を多く含む鉄の意で使う。中国では洗センに通じ、洗練された光沢ある金属の意。
意味 (1)[国]ずく(銑)。ずくてつ。鋳物に使う鉄。「銑鉄センテツ」(鉄鉱石を溶鉱炉で溶かして最初に作る鉄。炭素分を多く含むので鋳物に使う。)「溶銑ヨウセン」(溶けた銑鉄) (2)つやのある金属。金属の光沢。
出発する人のあし
洗 セン・あらう 氵部
解字 「氵(水)+先(出発する人のあし)」の会意形声。先は、「出発する人の足」であり、これに氵(水)をつけた洗センは、足を水ですすぐ意。転じて、足のみでなく一般に「あらう・すすぐ」意味になる。
意味 (1)あらう(洗う)。すすぐ。「洗濯センタク」「洗剤センザイ」「洗浄センジョウ」「洗練センレン」(あかぬけした) (2)すっかりなくなる。「赤貧洗うが如し」(ひどく貧乏で、洗い流したように物が何もない)
形声字
跣 セン・はだし 足部
解字 「足(あし)+先(=洗。セン)」の形声。先センは洗の略体で、足を洗う意。そこに足をつけて洗う足をあらわし素足の意となる。
意味 はだし(跣)。すあし。はだしで歩く。「跣足センソク」(はだし)「跣行センコウ」(はだしで行く)「徒跣トセン」(はだしで歩く)
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
先 セン・さき 儿部にんにょう
解字 甲骨文は「止(足)が下線から出るかたち+人」 の会意。人の上に出発する足を加えて、先にゆく人を表す。甲骨文字では臣下が王に先立って行く意味での用例が多いという[甲骨文字小字典]。他の人より先に行く意が原義で、また、時間のあとさきの意味にも用いる。字形は篆文で上部が山の形に近くなり、隷書で山の右タテ線がとれ、楷書で上が𠂒に、下が儿の先になった。
意味 (1)さき(先)。さきのほう。「先頭セントウ」「先導センドウ」 (2)さきにゆく。さきだつ。さきんじる。「先着センチャク」「先駆者センクシャ」 (3)時間的にはやい。以前。「先日センジツ」「先代センダイ」
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「さき」(先・筅・銑)
「出発する人のあし」(洗)
「形声字」(跣)
音の変化 セン:先・洗・跣・筅・銑
さき
筅 セン・ささら 竹部
解字 「竹(たけ)+先(さき)」の会意形声。竹の先を割って加工した道具。
鍋を洗う筅・「媽祖好神」より
茶筅
意味 (1)ささら(筅)。竹の先を細かく割った、鍋や釜を洗う道具。(2)茶道具のひとつ。「茶筅チャセン」(抹茶に湯を入れ茶碗の中でかきまわす道具)
銑 セン・ずく 金部
解字 「金(金属)+先(さき)」の会意形声。日本では、溶鉱炉から先にでる炭素分を多く含む鉄の意で使う。中国では洗センに通じ、洗練された光沢ある金属の意。
意味 (1)[国]ずく(銑)。ずくてつ。鋳物に使う鉄。「銑鉄センテツ」(鉄鉱石を溶鉱炉で溶かして最初に作る鉄。炭素分を多く含むので鋳物に使う。)「溶銑ヨウセン」(溶けた銑鉄) (2)つやのある金属。金属の光沢。
出発する人のあし
洗 セン・あらう 氵部
解字 「氵(水)+先(出発する人のあし)」の会意形声。先は、「出発する人の足」であり、これに氵(水)をつけた洗センは、足を水ですすぐ意。転じて、足のみでなく一般に「あらう・すすぐ」意味になる。
意味 (1)あらう(洗う)。すすぐ。「洗濯センタク」「洗剤センザイ」「洗浄センジョウ」「洗練センレン」(あかぬけした) (2)すっかりなくなる。「赤貧洗うが如し」(ひどく貧乏で、洗い流したように物が何もない)
形声字
跣 セン・はだし 足部
解字 「足(あし)+先(=洗。セン)」の形声。先センは洗の略体で、足を洗う意。そこに足をつけて洗う足をあらわし素足の意となる。
意味 はだし(跣)。すあし。はだしで歩く。「跣足センソク」(はだし)「跣行センコウ」(はだしで行く)「徒跣トセン」(はだしで歩く)
<紫色は常用漢字>
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